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コロナを言い訳に規模縮小された学祭しか知らないよ。

ここは幻の都……
オカルト研究会と彫刻専攻3年の有志が作ったアトマとフリマと格ゲー対戦スペース……
ホラー映画の上映もする……

畳の上に作られた、家主(右)と対戦できる
レトロ格ゲー布教場。
オカ研が作ったホラー映画上映。
いい雰囲気じゃ。

学部4年生になった自分が経験する4度目の美大祭が終わりました。
作品をご購入いただいた皆様ありがとうございました!

1度目の美大祭はコロナ禍で、オンラインのみでの開催だったため、何もせずに友人の家でグダグダしていた。
2度目は金美が移転する前の旧校舎で、ラブドール愛好家のおじさんの18禁映画を上映したり、コスプレした女の子がチェキ撮影で荒稼ぎしたり、隣の店舗でタバコが売っていたり、最後のグラウンドでキャンプファイヤーを行った。
3度目は金美が移転し、在学生は新校舎、OBは旧校舎で美大祭を行い、規模が大きく盛り上がった。私は映画研究サークルでビリヤニなんかを作る手伝いをしていた。

こんなに思い出があって楽しくても、OBの人々は口を揃えて「寂しくなったな」という。
なぜなら、コロナ前まで、金美の美大祭といえば飲酒が許可されていた珍しい学祭だったのだ。

旧校舎最後の美大祭では、飲酒文化の名残で、各店舗で「美味しい水ください」「濃いレモンジュースで」とか秘密の呪文を唱えると、不思議と酔っぱらえるドリンクが出てきた。

新校舎になってからも、飲みサーが頑張って学外の店舗を借りて酒場を経営したり、DJイベントが開催されて遅くまで踊って飲めたりできる。
できるのだが、今年はついに、私までも「寂しくなったな」と思わざるを得ない夜の静けさだった。
美大祭が終わる時間まで寒い寒いと凍えながらも、友人たちと喋って、DJやってる店までぞろぞろ移動するという流れが無くなり、みな、バラバラの時間にそれぞれの行きたい場所へ散っていった。
美大祭が終わる19時には、ほとんどの生徒が学内からいなくなっていた。

騒音問題としては、これが狙い通りで正解なのだろうと思う。

ただ、飲酒の提供が無くなる時の理由説明として、「コロナなんで一旦無しにしましょう。頃合い見てまた復活もね…!」みたいなテンションだったはずだ。
誰かが大きなやらかしをして、お酒提供の文化が廃れたならまだわかる(ミッキーを池に落とした学校のように)が、コロナなんでとりあえずと、逆らえない大義名分を盾に、学生を従わせといて、そこから復活させる可能性をゼロにしてしまうのはなんだか嫌だなあと思う。
次回以降もこのような手口で文化を廃止し、復活の余地を与えないんだろうなあと信頼を失ってしまう。

金美の、北陸の地だからこそキツキツしないで学生生活を謳歌できる素敵な側面が、こういった規制から無くなってしまいそうだ。

新校舎になって喫煙所は無くなったし、コロナ前より制作時間も短くなったし、デジタル化が進むかと思ったら今までの書類にデジタルの手続が追加されただけで何も簡略化されていないし……

きっとこれからも、以前より厳しい規制の中で過ごす在学生に向けて、教授たちやOBが無責任に「寂しくなったな」と言うのだろう。
大抵の生徒は4年間で居なくなるこのキャンパスで、緩やかな規制に抵抗できるのは誰なんだろうか。

別にそこまでして酒が飲みたいって話じゃないです。
こんな風に、コロナを言い訳に、一体どれほどの厄介で大事な文化が無くなってしまったのか、ふと寂しくなるだけです。

綺麗な世界の方が生きやすいですか?
そうですか。

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