着物とダンスと体験型コンテンツと私


いろいろやってます

パトラ( @patraskitchen )です。

10年ぐらい前から謎解きを遊んだりスタッフをしたり司会をしたり
PandR ( @p_and_r_ ) という団体でイベントをやったりしていましたが
近年はお着物にハマったり趣味だった社交ダンスの熱が上がったりした結果
その辺が全部クロスオーバーしつつ仕事的なものになって来たので
振り返りが出来ればいいなあ、まとまるかなあ、と思いながらキーボードに向かってみます。


3つの趣味の共通点

謎解きに関しては、「リアル脱出ゲーム」しかない頃にズドンとハマって、提供側に回り今に至る…といういわゆる老害謎クラ世代です。
謎制作ではなくスタッフ司会主催運営の方に進んだパターン。

現在ではプレイヤー回数は激減。
激減するに至り、ズドンとハマったころの原体験と、今ある謎解きの違いはなんなんだろうなあ、などとぐるぐる考えていた期がありました。
ぐるぐる考え期には「謎解き」からやや離れつつ、自分の好きな体験を模索し、名前をつけづらい・説明しづらいイベントを企画主催。
今思えば当時日本にほぼ存在しなかった「イマーシブ」ってやつだったな…というのが2017年に実施した「ドラマクション・カジノ」(ドラカジ)

その後出て来た「マダミス」「イマーシブ」などの隣接体験型コンテンツをちょっと遊んだり、結局そちらでもMCやGMや運営をしたり、やはりイベントを主催したり、しながら引き続きぐるぐるしているのと並行して
大学〜社会人初期にやっていた社交ダンスのレッスンを再開したり、お着物にハマりはじめたりしました。

そうこうしていると、離れていたはずの謎解きを含む体験型と着物・ダンスが不思議に融合してきて、それら3つのいろんな組み合わせでイベントをやったりすることになったのがここ2年ほど。

それらをブンブンやりながらも引き続きぐるぐるしたおした結果、あまり関係なさそうな3つの共通点、つまり「自分の好きな体験」の軸がようやく見えて来ました。
それは「自分のままで半歩踏み出す非日常」です。

自分のままで半歩踏み出す非日常

まずは謎解き

謎解きにズドンとハマったころ、当時のゲームの多くは「牢獄」「潜水艦」「首に着けられた爆弾」などなど、もう絶対それ脱出せんとヤバいやん、と一目でわかる原始的な設定のものでした。共通認識として刷り込まれてるやつ。
そこからさまざまなゲームが作られ、原始的なものはあらかた使われ、どんどん新しい主題が作られたり、ストーリーが付与されたり、有名コンテンツとコラボしていったりする中、ゲーム開始時に「あなたたちは4人で1人の男子高校生です」とか言われたりします。

私は男子高校生ではないし、まして4人で1人ではもっとないな…???

このあたりがぐるぐるの始まりだったのかもしれません。

あるいは、難しい問題をたくさん解く!みたいなものも、もちろんそれが好きな方はおられようし広く楽しまれていると思うのですが、自分にとっては「解く」はそれほど重要な要素ではないことに気づき始めたりします。

結局、「なんか知らん間にヤバいことに自分が巻き込まれて、そこから必死で抜け出そうと足掻いた」をやりたいっぽい。
「いまから始まる60分ぐらいのゲームで全部の謎を解けた人が勝ちだぞ」ではなくて。
その結果自分の活躍で抜け出せた!殊勲!とかなったらすごい嬉しい。

さてこれは謎以外のアドベントカレンダーということですので、そろそろ謎解きじゃない話をしましょう。

2つめ、お着物

ぐるぐるしながらも、謎解きの参加者としては自分がひらめいて活躍できた!とか、司会やスタッフとして人前に立つ機会、とかが好きな、元来目立ちたがりの性分と
30代も半ばに差し掛かり、そろそろ安物じゃなくて小マシな服とか買わなあかんのやろな…えっでもこのニットがXXXX円!?その値段を出して買いたいと全く思わんが!?みたいなワードローブ迷子期とが噛み合った結果、
意外とお手頃に始められて、まあなんとか頑張って着れば物珍しさに褒められたりするというお着物趣味に傾倒し始めました。

コスプレだと「キャラになる」わけですが、お着物の場合は「自分が(普通の洋服よりは)少々派手な衣服を纏う」ということになります。

多少の手間がかかったりするところも、むしろ非日常感を増してくれる。

ということで機嫌良く着物や小物を増やしていくわけですが
私より前から着物趣味を嗜んでいた友人も居たものの、友人と予定が合う頻度よりも自分の着る回数が増えてきたりします。
「せっかく着たからには外出したいが、1人で行く先は昼飲みか着物を買った店ぐらいしかない」みたいな状況が生まれ始めました。

ここで大人しく1人で外出したり、あるいはSNSでお出かけできる友人を増やすなどすればいいところ、サシで出かける人を増やすのは実は苦手という隠れコミュ障とイベント主催気質の合わせ技で
「そうだ、イベントやろう」となってしまいます。結局それか。

まあ要は、「私以外も着物友達作るのに困ってる人おるんちゃうか、ざっくり集めてそこで仲良くなったらよろしいやん」という発想ですね。

そこで実施したのが「零賀式」というイベントです。
成人式とか卒業式みたいな格好を、いくつになってもしたらええやん!ほんで着物好き集まって友達もできたらええね。という感じ。

そしてこれはかなり、「自分のままで半歩踏み出す非日常」でした。

そもそも着物自体がそうではあるのだけど、お着物を趣味としていても、着付けがうまいこといってるかとか、この柄はいつ着てええんかとか、お嬢さんが着るような振袖は結婚しとるしあかんやろ、とか、披露宴に出席するから着物を着る機会や!と思っても格が柄が色が派手すぎたらアレが…とか。
意外と「着たいものを着る」のには枷があったりします。
しますというか、私はメンタルがゴリラなのであんまりそういうふうには思わないのですが、世の中の一般的な方はけっこうそういうことで気後れする場合が多いらしい。

謎解き・体験型コンテンツというものは、緊急事態や制限時間、なんなら金を払ってそれをやりに来とんねんという言い訳でもって非日常に飛び込むインセンティブを与えるのかなと思いますが、
そういう「枷を取り払ってなんかやる」場に長く居たからか
心理的安全性を担保した上で、やりたいようにやりなはれ!という場所をお着物界隈でもなかなかうまいこと作れたようです。

成人式にはいろいろあって出られなかった、という20歳のお嬢さんや、30代・40代、もっと上の方々まで、着たかった「ここぞ!」なお着物を、誰にも格式やらなんやら言われることなく自分らしく纏っておられる姿はめちゃめちゃ眩しくて最高に非日常!でした。

その後、ワフクブ( @wafukubu )という団体も立ち上げたりなどしてお着物絡みでいろいろやることが増えていきます。

次なにやろうかな〜と考えていたところ、ふと浮かんできたんです…
「大正浪漫ダンスパーティ」というフレーズが、おぼろげに…

3つめ、ダンス

数多あるダンスの中でも、社交ダンス。
映画「Shall we ダンス?」や、我々世代だとウリナリ!でもお馴染みのアレですね。 

3つめと言いつつ自分が関わり始めたのは一番古いのがこれで、大学で競技ダンス部(社交ダンス競技の部活)に所属しておりました。
部を引退して社会人少々ぐらいまで踊っており、10年ほどブランクがあってから30代前半?半ば?ぐらいに再開。

さて、実は社交ダンスというのは、習っていても上達の目標を維持するのがなかなか難しい部分があったりします。

まず、1人では出来ない。ペアダンスなので。
多くは男女ペアです(近年、同性での競技なども増えつつあるようですが)。

競技に出ようと思うと決まった相手を見つけないといけないわけですが、年齢・体格・技術レベル・居住地・練習可能な時間・熱量、etc、etc…
ちょうどいい相手を見つけようと思うとンマ〜〜〜〜〜〜〜難しい。

募集SNSみたいなのもあるんですが、
お年を召してから始められた方々、とか
大学で競技やってて引退したばっかりでバリバリ上を目指して試合に出たい22歳!!とか
プロでやってるけどペアを解消して、バチバチに踊れる次の相手を探している人、とか…
私のような「学生時代に経験があって、今も趣味レベルでそこそこに踊ってるアラフォー」みたいなのは本当にいません。

たまたま、本当にたまたま、奇跡のようにちょうどその辺が合うお相手が見つかって競技に出ていた時期がありましたが、仕事の関係で関東へ転居となられ、ひとりレッスンを受ける日々。

じゃあそのレッスンで上手くなった先をどこでどう使うのかというと、ダンス教室主催のパーティで先生と踊って発表する!というのが主たる目的となる場合が多いのですが、パーティというぐらいですからそれはそれで大変ラグジュアリー。

体型維持のためにもそこそこしっかり踊ってはおきたいけど、定期的にレッスン受けるモチベがな〜とか思ってたところに、浮かんできたのです、「大正浪漫ダンスパ(以下略)

ええかんじのハコで、お着物とかの大正浪漫な装いの男女が、手に手をとってくるくる踊ってたら、めちゃめちゃ非日常でイカスんちゃう…????

その思いつきには、お着物好きの方々もかなり良い反応をしてくれて、素敵な会場も見つかり、無事に実施の運びとなりました。

その際にはちょっとした体験型コンテンツも実施したりして、いま軸となる3つがはじめて一堂に会する日に。

実際やってみると、「趣味でやるにも続けにくいねんなあ」とか思っていた社交ダンスは、コミュニケーションのきっかけとしてかなり優秀なのでは?ということに気づきます。

せやんな。「社交」ダンスやもんな。
社交場で社交のためにやってたんやからな。

やはりお着物愛好家は女性の方が多いので、男女のペアという概念はいったん置いといて、女性同士でも全然オッケー。
間違ったとしても両方初心者お気になさらず、習ったばかりのステップでシャルウィーダンス、おめかししたふたりがクルクル回る。

めちゃめちゃ可愛いやないかい…

「自分のままで半歩踏み出す非日常」がここにも生まれます。

あと、着物とダンスの相性がむちゃくちゃいい。

どちらも、「かつて日常だったもの」であり「今も嗜むことが出来る」んだけど、今は主に習い事などになっちゃっている。

社交ダンスは習い事になって、主にそれを習う教室や、教室主催の場でしか行われないものになっているんだけど、この日ここで行われたのはかつてのような「社交場での社交ダンスだった」んですよ…

と、言うようなことを、イベント直後、自分がダンスを習っている先生にかなりアツく語ったのが約2年前。

このイベントをきっかけに、お着物友達で社交ダンスもうちょいやりたい!という人が出て来てくれたり、自分が教室のパーティで踊るより知ってる友達の前で発表するほうが楽しいな…みたいな邪な動機もあったりで、
先生を巻き込んで着物民×社交ダンスのサークルやらイベントをやり始めることに。

ただダンスショーをするだけじゃなく、体験型コンテンツも絡めよう!とか言い始めます。すぐ全部絡めようとする。

社交ダンスのショー(デモンストレーション)ってあんま観る機会ないからそれを観る機会に、ということでもあったし、せっかくやったらストーリーと振り付けがガッツリ絡むようなのできたら素敵なんちゃうか!という寸法です。

オンラインコンテンツとしてショー動画つきで体験できるので、よかったら遊んでみてください(ダイマ)

これに関しては、そりゃお前は通算10年も踊ってるしイキッてショーも踊って楽しかろう、それを見せつけるのは別に「自分のままで半歩踏み出す非日常」ではなかろう、と言うところではあるんだけれども

でもそれは、そんな遠い世界のことでもないはず…と言う思いもやはりあったので、「実は社交ダンスってそんなずっと習い続けなくても発表の場に立てるねんで」というイベントも実施しました。

事前に踊る曲を決めて予約し、
その曲に合わせた衣装をワクワク準備して
発表当日に1時間だけレッスンを受け
講師と2人で舞台に立つ。

これはもうめちゃめちゃ
「自分のままで半歩踏み出す非日常」そのものでした。

みんなキッラキラしとったァ…

大きな変化とこれから

動機となる発表の場を得ることは、何よりその趣味を続けるモチベーションになるんじゃないかと思います。

主催イベントでダンスを発表する場を力づくで作った結果、私のダンスへのモチベーションはメキメキ上がり、(おそらく)技術も向上し
ついには今年、依頼して巻き込んでいた先生の正パートナーになるという展開に発展もいたしました。
ターンプロというやつですね!

お着物関連でも、なんやら全国飛び回ったりした結果、素敵なものづくりをしている作家さま方が新しい場所、新しいお客さんに出会う場をつくる…みたいなことをし始めています。

体験型では、長らく気まぐれたまにイベントやる団体だったのが
「自分のままで半歩踏み出す非日常」を強く体現している制作者さんと組んで公演立ち上げやPOPUP運営に携わるようになったり、

ダンスと体験を絡めた主催公演をやったり、

大きめのイベントを5年ぶりにやろうとしていたり。


謎解き以外の趣味も、謎解きおよび体験型コンテンツも
全部私の中では「自分のままで半歩踏み出す非日常」の軸で貫かれていて、
かつて謎解きからぐるぐるしながら距離をとったようでいて
その軸の上にある部分は昔も今も自分の中にあり
これからもそれを楽しんだり、みんなに楽しんでもらったり、していくことになるんだろうなあ…と思っている次第です。

まとめ

と、まあ、趣味の話なのか告知なのか、謎解き以外なのかどうかすら怪しい投稿となってしまいましたが
謎解き以外の趣味が全部けっきょく謎解き・体験型と絡んで趣味じゃなくなって来てしまったなあ、というここ最近…特にここ1年、の振り返りがガッツリ出来て個人的にはたいへん有意義でした。
お目汚しかもしれませんが時間潰し程度になっていれば幸い。

あっきーさんのこちらの投稿をきっかけにエイヤッとキーボードに向かい始めてみてよかった!

そしてもちろん企画者のうじをくんにも感謝を!

みなさまよき師走をお過ごしください。
メリークリスマス!

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