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【素的視点から#041】満月に添えて

今日は満月、正確には朝九時頃にお月さまはまん丸になったそうですが、夜は中秋の名月を愛でる方も多くいらっしゃることでしょう。

昨晩、ふと外を見ると、なんと"空が明るい"。
街の灯りや家々の照明のせいかと思ったのですが、まさかそんなことはなく、満月を待つ待宵月の光が空に明るさをもたらしていたようです。

その幻惑的な夜の帳の姿に暫くぼんやりとしてしまいました、肝心のお月さまを見るのも忘れて。

静かな気持ちで夜の空を眺めるのは、この時期のご褒美のようにも感じます。
日中はまだ“夏日”だったりもするのですが、夕方から日の光が柔らかいシフォンのように薄く儚くなっていくことに、少しの切なさを覚えながら薄墨のような夜空にポツポツと遠慮がちに光る星を見上げる。

とはいえ、この時期はやはりお月さまが主役、目には映らない新月ですら、来る中秋の名月に向けたお月さま劇場の杮落しのようにも思えます。
お供え物とともに見守る十五夜は、まさに劇のクライマックス、そして静かに姿を変えながら終章へ…

恥ずかしながら、これまでは「九月=春夏と秋冬のつなぎ、半期の締め」としか捉えていなかった全く風情もない私でしたが、去年あたりから暦を意識するようになりました。
というのも、新暦の中で暮らしているとはいえ、古来からの季節の変わり目に身体が何かしらの反応や変化をすることに、今更ながら気づいたからです。

以前でしたら、明後日迎える『秋分』も祝日の一つ、或いは何の衒いもなく安直に「暦の上では秋ですが」などど枕詞のように使っていましたが、今は、各節気が見えないながらも身体と日々の生活リズムを司っていることが体感として分かるようになりました。

さて、今宵の満月は、私にどのような気づきを与えてくれるだろか…お供え物を準備しながら、少しワクワクした気持ちになっています。

<今日の美>

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