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【ココロの旅#47 】「オ-おかげさまで」-ワタクシの人生「イロハ帳」

 こんにちは、いよいよ秋本番、北からは紅葉の便りも聞かれるようになりました。天候が不安定な週末になりそうですが、ちょっと近くの自然に触れに出かけるのも良さそうですね。

~おかげさまで~
ワタクシの大切にしたい日本語①

1)一般的意味:

📖神仏のご加護や他人から受けた助力や親切について、感謝の意を込めた表現。「お陰様」とも書く。

🐐あの、決して、抹香臭い、倫理道徳的なお話を書くつもりはありませんので、暫しお付き合いのほど...

2)ワタクシの旅:

🙋‍♀️日本語学習者から習った言葉

以前このブログで、日本語ができる台湾人と仕事をしていたことを書きましたが、実は、この「おかげさまで」は、その人達から学んだんです(笑)
日本語が母語のワタクシは、無論、言葉も自体は知っていましたので、正確には「『おかげさまで』という言葉を使う」ということを学びました。

先の大戦から前の世代の日本人は、恐らく、比較的よく日常で「おかげさまで」を使っていたと思いますが、戦後の復興を経て日本が"Japan as Number One"と言われるようになった頃から、次第にこの言葉もあまり使われなくなったのではないでしょうか(ワタクシの雑な推測)。

なぜ、この言葉を台湾人から学んだかというと、電話口で「お元気ですか。」と話しかけると、決まって「おかげさまで。」と返す訳です、ほぼ皆が。
日本語学習歴や職歴によって日本語能力のレベルには差があるのですが、どういうわけか、上級者でもこの「おかげさまで」は外さない、皆、口にする(笑)。
要は、外国語学習はじめの一歩そのもので、
-英語:"Hi! How are you?" - "I'm fine, thank you! And you?"が
-日本語:「お元気ですか。」ー「おかげさまで。」ということなんですが。

で、ある時、台湾人の仕事仲間に
「『おかげさまで』はあまり言わないよ。普通に『元気です』とか、まあ、親しい間柄だったら実際の状態、例えば『ちょっと疲れています』とか言うよ。」
と話したことがあったのですが、その時の彼女の反応が意外だった。

一瞬「?」とワタクシの顔を見つめて、そして、ニッコリして、
「でも、私の日本語の先生からそう習いましたよ。それに、『おかげさまで』という言葉はとても便利です。」と。

その時は、「先生の言う通りの言葉遣いなんて随分真面目だな」としか思わなかったのですが、よくこの言葉を噛み締めてみると、確かに便利というか、とても奥行きのある言葉であることに気づいたのでした...

🐐"Hi! How are you?" に対する "I'm fine, thank you! And you?"も、実はネイティブスピーカーには「?」だそうです(笑)。返事の例としては、Great!(最高!), Same as usual(いつもと同じだよ), Not so good(あんま調子良くない)だとか。

👩‍💼むしろ積極的に使ってみると・・・

「おかげさまで」という言葉、それまでは大仰で、それこそ抹香臭い言葉だなと思っていたのですが、よくよく噛み締めてみたら・・・
謙虚に他者への感謝を意を述べる上品な言葉だと改めて実感。
そこで、日本語を母語とする人に対して、(半ば試験的に)積極的に(文法的にも文意的にもおかしくない範囲で)「おかげさまで」を使ってみることにしました。
職場や出先や外部の人に対して、例えば、資料一枚でも貰った後に「おかげさまで、作業が進みそうです!」のように。

すると面白いことに、(当時は20代だったので)「こんな若者が『おかげさまで』なんて使うんだねぇ、へー」といった反応が相手の顔から見て取れるし、主観ではあるけれど、なんだか、皆さん優しい表情をする。
それに、何より、自分自身を卑下することなく、相手の厚意(行為?)をそのまま素直に受け取れるような気分になる(相手の"わざわざ感"が薄れるというか)。

で、そのまま興に乗って(笑)、どんどん「おかげさまで」を使うようになったら、これまたワタクシの勝手な主観ですが、周囲が頻繁に「おかげさまで」を使うようになった気がしました(或いは「おかげさまで」に敏感になったのかも)。

台湾の彼女の言う「便利」とは・・・つまり、「おかげさまで」はコミュニケーションにおける「スーパー潤滑油」だということでした。

🐐英語だと"thanks to ~"が「おかげさまで」の訳語とされているようですが、"thanks to"は文脈によっては「~のせいで💢」というネガティブな意味に。luckily やfortunatelyを使った用例もありますが、こちらは文字通り「運良く、ラッキー💛」の要素が強く、謙虚&感謝の意味が薄れるしなぁ。

🏃‍♀️さらにもう一歩

そして、この『ココロの旅』を通じて、ワタクシがこれまで如何に自分に対して「無頓着」だったかが分かりました。
こうして、皆さんにワタクシなりの「おかげさまで」考をお伝えしましたので、改めて、皆さんと自身に語りかけたいと思います。

To you:「皆さま、おかげさまで、ここまでブログを書くことができました。今後ともよろしくお願いいたします。」

To me:「色々ありましたが、おかげさまで、これまでも、そして、これからも歩いて行けそうです!」

🐐オンラインでのコミュニケーションが圧倒的に増えた昨今ですが、人と人をつなぐのは、やはり言葉ですね。「大切にしたい日本語」、まだまだ探していきたいと思います。

3)おまけ:

伊勢の「おかげ横丁」・・・大好きなスポット
"赤福ぜんざい"食べたいなー

<今日の美>

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