#062旅のこと、自分ごと
バンコクについて、往きは7時間ほどのフライトだったが、帰りは5時間で夜中なので機内滞在を楽しむ余裕がほぼなかった。映画を観たくても眠いし、成田に到着したら一日が始まるので、睡眠をとるしかなかった(しかも食事が軽食と朝食なので昼便より見劣りがする)。
若い頃は、早朝日本着の便でそのまま会社に行くこともあったが、今はする気がない。
今回のような時差のあまりない地域への旅行は、身体の負担が少ないが、移動便と滞在時間をよく考えた方が良いことを痛感した。
これは、単に、旅行の何に、どの部分に重きを置くかが若い頃と変わっただけで、当時は「旅程の達成=(如何に予算内で首尾よく全行程をこなすか)」に心血を注いでいた。『旅』というより、予め行程の整った『旅行』だった。
だから、旅行を思い立ったら、(ITが今ほど発達していない頃は)ガイド本やら知り合いやネットやらでできる限り多くの情報を仕入れて現地の移動などの予約を入れ、割と細かい旅程表を作るなどの準備をしていた。
楽しいとか好きとかやりがいを持ってやっていたというより、自動的にスイッチが入るというのか、当たり前だった。
ところが、2018年に行ったメキシコ旅行から、そんなことがほぼ無くなった。
メキシコシティに住む知人を訪ねたということも大きいのだが、何よりも、その頃の私は、(今思えば)所謂『中年の危機』でギスギスした人生を送っていた。
盲目的に会社員の義務を果たすことに、ほぼ100%エネルギーを費やし、日々、不平不満ばかりで疲弊していた時期だった。
しばらくして、それが頂点に達し、自分が盲目的に追求(でも実は追従)してきたものが瓦解した。
その予兆がぼんやり見え始めた頃にメキシコに行ったのだが、飛行機便と宿が決まっているだけだった。
今思えば、これが「旅」を始める契機になった。
その後の某Cの時期は、国内を近いところから遠くまで出かけた。
目的地であれこれ体験し旅行ストーリーを作るというよりも、思い付いたら出かける。
出かけること自体が目的、旅の間は無駄はOKだが無理はしない。
それまでのほぼ逆である。
来月は、また国内某所へ出かける予定。
今回はほぼ旅程を決めているのだが、マインドは「お務め」に近い。
そうか… 私には 『旅=お務め』 なのか…
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