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a quiet talk-2020/6/15

この数か月、散歩するのが日課になった。夏至に向かって、日が長くなったことを感じる。この習慣を始めた頃は、日中でも街が何かベールに覆われているようで、たまにすれ違う人も心なしか表情が硬く足早に見えた。
そして、何より、上空の静寂が、私には心にしみた。空には、春特有の柔らかな光をたたえた太陽があるだけ、雲も、所在なさそうに浮かんでいる。
外出が厳しく制限されていた期間、世界中の空が清らさかを取り戻したという「良いニュース」ですら、私の空白感には響かなかった。この広い空に、飛行機の姿がないことの、寂寥感。

飛行機はとても頼もしく親切な友である。大きくたくましい体と明晰な頭脳、そして、嵐や事故も恐れぬ勇気で私を運んでくれる。彼らがいなければ、出会えなかった人々、風景、体験に学びがあり、今のこの私はない。

飛行機・航空業界には、私が大変尊敬する方がいらっしゃる。この方は、全く素晴らしい方で、失礼を承知で記すのだが、上述の飛行機同様に、大変頼もしく親切な先輩である。社会人になって、初めて、仕事を通じて、本当に尊敬できる方とお知り合いになった。その方とは、会社も住んでいる地域も異なるため、これまでは年に1,2回ほどしかお目にかかる機会がなかったのだが、この状況下で、オンラインで他の方々とともに集うことが可能になり、月1回のペースでお会いできることになった。
勿論、「この状況下」が業界に与えた影響は大変なものがあり、言葉にならない。
毎月お目にかかれる嬉しさの反面、少しの気がかりを抱えていたのだが、先日、ご本人のお話から、前を向いて取り組んでいらっしゃることを伺い、改めて尊敬の念を抱いた。

今日の散歩で、元気よく空を駆ける飛行機を数機見た。ああ、今日のお仕事はこれで終わりかな、それとも、もう一仕事あるのかな。
素晴らしい出会いをくれてありがとう。これからもずっと大切なお友達でいてください、と心でつぶやいた。

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