思い出にかわるまで

ちょうど1年前のこの日、私は彼に捨てられた。
おまけに私は終電を逃し、暑い中、相当な距離を歩き、やっと最寄り駅に着き、自転車に乗ろうとすると自転車がパンクしていた最悪の思い出の日だ。その後数週間、私は泣いて暮らし、おそらく人生最大に体重が落ちていたと思う。
紆余曲折があり、その後2ヶ月して復縁することになり、その彼は今家に居候している。復縁して一見幸せに見えるかもしれないが、傷は癒えたわけではない、あの時傷つけられた記憶は忘れることはできない。彼は私にも情しか残ってないと言った。そして今後誰とも付き合わないと言って別れたのだが、実は他の女がいてしかもその女は既婚者だった。私とは数ヶ月セックスレスで、性欲がもうないと言っておきながら、その女とは「ヤラセてくれるからやった」とわたしに言ったのだ。
それを他の仲間や私のいる前で言ったのだ。
彼は私を傷つけたことを謝ったのだし、この話を今日ほじくって彼に言う気はない。惚れた弱みだ。だけど1度ついた傷は完全には治らないし、そんな思いをここで吐き出すことを許して欲しい。

復縁した時に、彼は「前とは好きの種類がちがう」と言った。その種類の違いを尋ねることはしなかったけれど、それから10ヶ月の月日が経ち、それがなんだかわかった気がする。
結局は情なのだ。面倒なことを言わない、お金をせびってこない、自分のことを好きでいてくれる、楽な女。彼女というよりパートナー。
彼は復縁前に付き合ってた時とは違って私に滅多に触れないのだ。かわいいとか好きだとかも言わない。

【本当にそれでアタシはいいの?】
パートナーと言うのならもっと対等にして欲しい、ずっと女として扱われたい。好きだと言って欲しい、一緒にいる時は身体に触れて欲しい。セックスだってもっとしたい。
好きな人と復縁できたのだ。一緒にいられるだけで満足しろと?こんな願いはワガママなんだろうか?




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