かつてファンだった者として

子供の頃、TOKIOの山口くんのファンだった。

当時我が家では鉄腕!DASHを毎週みていて、山口くんはなんでもできるお兄さんだった。大工仕事は本職の人が感心するほど覚えが速く、足が速くて100人vsTOKIOのケイドロでうっかりスタッフを撒いてしまうほどで、運転も上手い。そして他のメンバーから慕われている。頼りがいのあるところに憧れた。

上記のことはなにも間違っていなかったのだろう。なんでも器用にできること、運動神経が良いことは間違いないし、不祥事を起こしたときの松岡くんの涙からして、彼が慕われていたことも、また間違いなかったと思う。

ただそれはあくまで一面に過ぎなかったのだなと、飲酒とわいせつ罪の不祥事で判明した。テレビ越しでは飲酒が過ぎて収録時でも酒臭いときがあったことも、酔っていたとはいえ未成年の若い娘に力関係を笠に着て迫る人間であることも、わからなかった。酒が人をダメにするのではなく、酒がその人の本性を明らかにするという説が正しければ、そういった無責任さもまた、彼の一部であったのだろう。

彼が起こした不祥事に、というより、そうした面があることが全くわからなかったことのほうに、あの件では戦慄したかもしれない。あの事件のときは、私の最推しはすでに他のアーティストにうつっており、別にこの件が原因で深く傷ついたとか、そういうこともなかったのだけれど。

まぁ、別にこの事例を通してなにかを訴えたいとかそういうのじゃないんですけどね。なんとなく山口くんのことを思い出しただけで。最近TOKIOの曲を久しぶりに聞いたからかな。『Cadence』っていう曲が好き。

別にまた芸能界で活躍してほしいとか、そういうことは特に思わない。ただまぁ、かつて応援していた者としては、せめてアル中からは立ち直ってほしいと思うな。なんでも器用にできていた彼なら、身を立てる術もきっとあると思うから。

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