【ブレスト3箇条】新規事業を検討するにあたって
さて今回は、新規の事業アイデアをブレインストーミングする際の考え方について触れていきたいと思います。完全に新規事業を考える際のみならず、アップセル/クロスセル的に何か事業やプロダクトを考案する際にも参考になると思います。
早速ですが、新規事業立案にあたってよくある問題として、以下のような想いになることはありませんか!?
「アイデアは出てくるが散発的で思い付きベース…」
「ただの雑談で終わってしまい、事業化の可能性などが検討できない…」
「事業化をするにあたって、具体的なアクションプランに落ちない…」
今回は、上記のような事が極力起きないような体系的な考え方のフレームワーク(思考の進め方)をご紹介します。
<ブレインストーミング>
【1箇条】まず考え方の軸を決める(たたき台)
新規事業に関して、いくつかの考える軸を定め、それぞれのテーマに沿ってアイデアを考えていくようにする(以下に”例”を示します【A】~【H】)。
※あくまで考え方のテーマ例を事前準備しておくということです。
【2箇条】事業化にあたっては、以下の点などから客観的に評価を下し、優先順位をつける
1)実現までのタイムラインと実現可能性(難易度)
2)市場の規模感
3)競合の有無
4)自社の他ビジネスとのシナジー
など
【3箇条】アクションプランへの落とし込み
実際、事業化が決まったものについては、必ずその後の具体的なアクションプランについて話し合い、関係各位の合意を取りながら進める(市場規模の調査、ヒアリング調査、他社事例の収集、パートナー企業の選定、など)。
新規事業のテーマ例(ブレストをしていくにあたってのたたき台)
新規事業のテーマ【A】-フリーランス(個人事業者)を集める
●詳細と留意点
・フリーランスを何らかの方法で集めて組織化・ネットワーク化し、フリーランスのリストを入手することが主な目的
・実際のビジネス自体が収益を生まなかったとしても。集めたリストに対して広告を送ったりすることで採用活動等に繋げたり、情報収集の場として活用することができる。
・ただ連絡先のリストを入手するだけでなく、ある一定のトラフィックが見込めることが理想的
●事業の例
・フリーランス(個人事業者)向けに特化したECサイト?
・フリーランスのある業種に特化した勉強サイトやアプリケーションの開発?
・フリーランス関連のニュースやコラムを掲載するポータルサイト?
・フリーランス向けのSNS?
など
新規事業のテーマ【B】-クチコミサービス
●詳細と留意点
・既に様々なテーマでの、クチコミサイトが事業として成功を収め始めている一方、まだクチコミの存在しない分野がまだあるのではないか
・クチコミが成立しうるのは、最低でも月に数回の選択・購買行動が発生するようなものの場合、それ以外の場合だと投稿数や閲覧数が増えない為、うまくいかないケースが多い
・おそらく最初は、サクラとして投稿を頻繁に行うようなコンテンツマネージャーの存在が不可欠
●事業の例
・フリーランスを支援するエージェントのクチコミ?
など
新規事業のテーマ【C】-マッチングサービス
●詳細と留意点
・これまで仲介業や紹介業といったものが幅を利かせてきた業界においては、それを中抜きして直接ユーザーと専門家を結びつけるような”マッチング”といったサービスがITの普及により可能になってきている
・これまでユーザーが直接情報を入手することが困難だったような分野で可能性は大きい
・仲介業よりも安いコストで、労力をかけずマッチングできるようになるのが理想的
●事業の例
・Facebookを活用した転職サイト?
・案件を発注するクライアントとフリーランスをマッチングできるような仕組みづくり?
・フリーランス同士のマッチング?
など
新規事業のテーマ【D】-IOT(Internet Of Things)
●詳細と留意点
・PCをタブレットなどの端末以外の、いわゆる普通のモノをネットワークに接続する、IOTという考え方はもう定着している時代
・通信機能、自動認識機能、自動制御、遠隔計測などが付加されることも多い
・組み込みのようなことが必要になってくる為、実際の商品開発にあたっては他のメーカーとの協力のようなことは不可欠になる
●事業の例
・フリーランスが普段身に付けているようなもの、使用するものに、GPS機能や通信機能を付加して見守りを行う?
など
新規事業のテーマ【E】-事業の輸入・輸出
●詳細と留意点
・アメリカ、中国などで既に成功したサービスを、日本にただ持ってくることで成功を収めるサービスに注目する(現状はアフターコロナのニュービジネスに注目するのも有り(安全と体験))
・逆に、日本でうまく行っているサービスを模倣し、海外で展開するというケースも有りうる
●事業の例
・体調や何か活動記録のデータベース・蓄積型サービス?
など
新規事業のテーマ【F】-リアルな世界で行っているものを、そのままWebへ
●詳細と留意点
・実際に、普段我々が当たり前のこととして行っていることを、そのままWeb上に持ってくるサービスというものも、ビジネスの可能性がある(ECサイトなども、普段の買い物行動をWeb上に移したものだし、ブログも日記をWeb上に移したもの)
・普段何の気なしに行っていることなので、どの行動をWebに置き換えることが出来るのか考えることは、意外と難しい
●事業の例
・Webで完結するお墓を提供するサービス?
など
新規事業のテーマ【G】-ニーズを掘り起こしてそれに応える
●詳細と留意点
・本来は存在していないか気づかれていない、あるいは小さな脅威について、注意喚起などを行っていくことでその存在やそれを克服するニーズに気付かせ、それに対処法を提供する(マッチポンプ的思考も含む)
・現状顕在化していない観点なので、そのように啓発を進めるかがカギとなりうる
●事業の例
・保険や保証書といったサービスなど?
・肉親が今後倒れた場合のサポートサービスなど?
など
新規事業のテーマ【H】-既存事業のセグメントをずらす
●詳細と留意点
・現在、うまく行っているビジネスについて、純粋にそのターゲットだけをスライドさせ、ビジネス化を図る
・どのセグメントを狙うのか、というのを先に定めて、そこにスライドさせることが出来るビジネスを考える、というのも考え方の一つ(例:フリーランス準備中の会社員、起業準備中のフリーランス、高齢者フリーランス、フリーランスの家族、など)
・本当にそのずらした先のターゲットでもニーズがあるかどうかは精査が必須
●事業の例
・フリーランス向けの学習支援サービス?
・フリーランス向けのお見合いサイト(Omiaiのターゲットをフリーランスにスライド)?
など
その他 新規事業を考える際のヒント-キーワード
■金銭感覚がおかしくなるタイミングに目を付ける
⇒冠婚葬祭の際のアップグレードや、車や家など大きなものを買うときのオプション など
■他人に対して、優越感を得られる仕組み。さらに、それが努力とお金の両方で達成できるようにする
⇒ソーシャルゲームなどで、他人と成績が競える仕組み
(有料アイテムを使っているかが他人には分からない)
⇒旅行先の写真をアップしたり、といったSNSの機能 など
■ある程度お金を使うと、辞めるのがもったいなくなるという「サンクコスト」の考え方
⇒パチンコやゲームのガチャなど射幸心を煽るもの など
■タダか安いモノを入手させ、そこにアップセル、継続購入をしていただく考え方
⇒マクドナルドの0円コーヒー戦略
⇒赤字でも販売を行うゲーム機や、インクで継続的に儲けるコピー機 など
■相反すると思われる2つのものを組み合わせることで、話題性を狙う
⇒会いにいけるアイドル、正社員並みのフリーランス など
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次のステップとして、各自上記の新規事業テーマ例【A】~【H】、その他を参考に3~4つ程度ピックアップし、アイデアを考えて皆でブレストする、というイメージです。これが【1箇条】です。
そしてその次の【2箇条】、【3箇条】として、考えたアイデアを自分の中で以下の点について整理し、事業化に向けての懸念材料や必要なアクションを練っていく形となります。
・事業難易度
・キャッシュインまでにかかる時間
・競合の有無、成功しているかどうか
・市場の大きさ、成長性
・自社の他のビジネスとのシナジー
いかがでしたでしょうか!?参考になりますと幸いです。
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メディア出演:https://youtu.be/JCdUpxlxYJU
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公式LP:https://peraichi.com/landing_pages/view/habittracker
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