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積み重ね続けたものだけが、割合を増していく ~Bray me 1st Full Album「DUH」Release Tour Final観戦に寄せて~

Bray meのライブに初めて行った。

凄く、凄く良かった。超・充実の2時間だった。
語彙力が何処かに旅立ってしまって上手くまとまるかはわからないけれど、今感じていることを言葉にしておきたいと思って、慌ててパソコンに向かっている。

最初にBray meを聞いたのは、昨年の夏頃だったと思う。
その頃、新しい音楽との出会いを求めて、インスタのストーリーズやYouTube Shortsで流れてきた音楽系の広告の曲をApple Musicのライブラリに追加する、というマイルールを設けていて、その中でたまたま流れてきたのが「サイダー」という曲だった。

これが当時の僕に刺さりに刺さった。爽やかに駆け抜けるようなメロディは季節にもぴったりで、即座にプレイリスト入りした。
ただ、そこから過去の曲を聞くことはあまりないまま夏が終わり、秋が過ぎて冬になり、プレイリストも冬仕様に入れ替わっていった。

のめり込むきっかけは年明けにやってきた。YouTube Shortsで流れてきた「SEEKER」が、僕のハートを撃ち抜いた。。

歌詞も、曲調もドストライクだった。より遠くへ音を届けようとする意思すら感じられた。
音楽に真に心を掴まれた、初めてライブステージに立った時の気持ちを思い起こさせるようで、その日以来、配信されている過去の曲を全部ライブラリに登録し、毎日繰り返し何度も何度も聞いた。
10年以上のキャリアの中で初めて(初めて!?)のフルアルバム「DUH」(ダーと読む)はまさにマスターピースと言える名盤。1月末のリリース以来、数えきれないくらいリピートしている。

前置きが少し長くなってしまったけれど、そして迎えた今日。

やってきたのはCLUB QUATTRO

実は当初行く予定ではなかったのだけど、当日券の情報を見て衝動を抑えきれず思わず参加した。
結果、凄く良かった。出会うべきものに、出会うべくして出会う日があると思うけど、今日はまさにその日だった。

シンプルで力強く、無骨だけど温かみがあって、どこかノスタルジーを誘うサウンド。
鼓膜と肌を伝ってくる振動も、ライブハウスの熱量も。どこを切り取っても本当に良いライブだった。
めちゃめちゃに楽しかったし、何より演奏している本人たちがめちゃめちゃに楽しそうだった。


Bray meの曲は、過ぎてきた日々と、これから過ぎゆく日々を想起させる。
サウンドから漂うどこかノスタルジックな雰囲気はここに由来するのだと思う。
音と一緒に、日々への渇望や羨望、希望が一緒に流れ込んでくるのを感じる。

ライブの幕開けを飾った「30's」という曲の一節が印象的だ。

今日と明日じゃ自分において一日の割合は少なくなるんだよな

Bray me「30's」

生きている限り、過ごしてきた日々の分母は増え続けていく。そうした分だけ、今日という一日の、人生に占める割合は少なくなって、気づけば時間ばかりが早く過ぎ去ってしまうように思えてくる。
そんな中で、継続してきたことだけが重みを増していく。
(これは何かをし続けるといった具体的な行動だけでなく、思い続けることにも当てはまる気がしている。)
続けることを正義とする、と歌った「SING TO MYSELF」は、そんな日々に突きつける決意表明のようだった。届くまで、続けるのだと。

昨日、今日、そして明日と、続けたことだけが、日々と共に色濃く積み重なっていく。
MCの中でボーカルのこたにさんが、今回のフルアルバムの集大成ぶりに、バンドを続けてきた年数だけでなく、「31年」という言葉を使った。
それだけ、人生かけて積み重ねてきたものの全てが凝縮された14曲だったのだと思う。
いろいろなことがあった。生きていればその分だけ、いろいろなことが起こる。その瞬間の端々に寄り添ってくれるような曲たちだ。

ライブのクライマックスで演奏された「イエスタデイ」はまさにそれを象徴するような曲だった。
何かを選ぶということは、何かを置き去りにすることで。どうしたって「もしもあの時」はチラつくし、後悔は避けられない。
それでも、選んだ今を最後には「これで良かった」と言えるように頑張る他ないのだろう。
日々は続いていく。過ぎていく今日を過去において、連なる想いを背負いながら。

イエスタデイ
置いてきたはずの君がこの道を照らしてる
託された続き この僕に
強くなりたいんだ

Bray me「イエスタデイ」

Bray meの音楽は、続いて行く日々と、続いてきた日々を今歌う音楽だった。
圧巻の22曲!素敵なライブをありがとう!近日リリースの新曲も楽しみ。

Bray meは夕陽が似合う。野外でのライブでも見てみたい


雑記

良いライブを観ると、充実感の傍に一抹の悔しさがいることに気づく。
何かと理由をつけて諦めようとしても、結局諦めきれないんだよな。
今の仕事も、日々の生活も大好きだけど、やっぱりステージに立ちたいなぁ。
もう若さだけでなんでも乗り切ったり、突っ走ったりできる年ではないな、と思ったりもするけど、結局何かを始めようとした時、今後の人生で今よりも若い瞬間はないんだよな、とも思ったり。
必要なのは勇気だろうか、覚悟だろうか。それとも・・・。

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ハヤカワトモヒロ(はまー)
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