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グリーフサバイバーについて

先日の自己紹介で、私はグリーフサバイバーであるとお伝えしました。
しかし、グリーフサバイバーという言葉を聞いたことがある方は少ないのではないかと思い、グリーフやグリーフサバイバーについて紹介させて頂ければと思います。
※私はグリーフの専門家ではなく、記載の内容はあくまで経験者としての私見である旨ご了承ください。


グリーフについて

グリーフ(英・Greif)とは、直訳すると「悲嘆」や「深い悲しみ」を意味します。
転じて、愛する人と死別した悲しみを指すことが多いようです。
グリーフの対象は私のように、配偶者のこともあれば、親や兄弟、子どもやペットなど、自分にとって大切な人であれば誰もがその対象となります。

仏教用語ですが、類似の意味を持つ「愛別離苦」という言葉があります。
愛する人との別れを意味し、仏教で言われる四苦八苦の中でも愛別離苦が最大の苦しみと言われているようです。
つまり、愛する人との死別は人生の中でも最大級の辛さである、と言えるのではないかと思います。

グリーフサバイバーとは、「グリーフ」と生き延びた人を意味する「サバイバー(英・Survivor)」を合わせた言葉で、私は「死別の悲しみの中で生きる人」と理解し、自身のことをグリーフサバイバーだと認識しています。

グリーフの段階

ドイツの哲学者、アルフォス・デーケンによるとグリーフの段階には、以下の12段階があるそうです。

1段階 精神的打撃と麻痺状態
大切な人の死に直面し、頭が真っ白になったような衝撃を受ける段階。

2段階 否認
大切な人の死を認めることができず否定する段階。突然死の場合は、否認が顕著に表れる。

3段階 パニック
死を確信するが、否定したい感情が合わさり、パニックとなる段階。

4段階 怒りと不当感
「なぜこんな目に合わないといけないのか」という不当感と、死に至った原因に対し怒りを感じる段階。

5段階 敵意とうらみ
周囲の人や故人に対して、やり場のない感情を敵意という形でぶつける段階。

6段階 罪意識
「こんなことになるなら、生きているうちにもっとこうしてあげればよかった」と、過去の行いを悔やみ、自分を責める段階。うつ症状や引きこもり、自殺の危険がある。

7段階 空想形成・幻想
故人がまだ生きているかのように思いこみ、実生活でもそのようにふるまう段階。
例えば、「食事を準備する」「故人の部屋の状態を保つ」などである。

8段階 孤独感と抑うつ
葬儀などが一段落し、途端に寂しさが募る段階。

9段階 精神的混乱とアパシー
生活目標を見失い、どうしていいか分からず、関心を失う段階。

10段階 あきらめ‐受容
自分の置かれた状況を受け入れ、つらい現実に向き合おうと努力が始まる段階。

11段階 新しい希望‐ユーモアと笑いの再発見
こわばっていた顔に、微笑みが戻り始める段階。
大切な人の死という永遠に続くような苦しみも、いつかは必ず希望を見出すことができる。

12段階 立ち直りの段階‐新しいアイデンティティの誕生
立ち直りの段階。
悲嘆のプロセスを経て、新たなアイデンティティを獲得する。

アルフォンス・デーケン 悲嘆のプロセス12段階

なお、全ての人がこれらの段階を経るわけではなく、順番を飛ばしたり、行ったり来たりすることもあるようです。

私のサバイバル術(自己流のグリーフケア)

グリーフに対する対処全般をグリーフケア(遺族ケア/悲嘆ケア)といい、欧米を中心にグリーフケアの専門家が様々なケアを実施しているようです。
日本でも、東日本大震災などをきっかけに、グリーフケアが少しずつ浸透しているようです。

私は専門的なグリーフケアを受けた訳ではないですが、私がグリーフと向き合う中で、これはグリーフケアの一環ではないのかな、と思うことを紹介したいと思います。

<私が実施したグリーフケア>

  • 読書(ビジネス/エッセイ/エンタメ)

  • 文字起こし(日記/ブログ/note)

  • リラクゼーション(マッサージ/サウナ/温泉)

  • 旅行(ちょっと良いホテルに宿泊/海外旅行)

  • 新たな挑戦(英語勉強/パーソナルジム/大学院進学)

これらを死別してからの4年間で断片的/継続的に行ったもので、特に効果があったのではないかなと思うものです。
前述の通り、グリーフの中にいると、「生きる意味を失う」、「人と関わるのが億劫」、「グリーフから逃げたい(考えないようにする)」といった状態になります。
その一方で、「グリーフの意義を見出したい(愛する人を安心させたい)」というポジティブな気持ちも持ち、相反する2つの気持ちを凄い勢いで行ったり来たりします。(時に躁うつ病になる人もいるようです。)
私にとっては、気持ちを落ち着かせる時に行っていたのが「読書/文字起こし/リラクゼーション」であり、気持ちをリフレッシュさせる時に行っていたのが「旅行/新たな挑戦」でした。

もし、あなたの周りにグリーフサバイバーがいたら

基本的には「程よい距離で温かく見守ること」、「グリーフ前と変わらない関係を続ける」のが有難いと思います。
気持ちの変化が激しいため、急に連絡がとれなくなったり、約束をドタキャンしてしまうこともあるかもしれませんが、それでも見捨てないで頂けると有難いです。
人と連絡を取るのが億劫になると書きましたが、必ずしも一人になりたい、という訳ではないことが多いです。(もちろん、そういう時もあります。)
むしろ、私は人との関わりの中で温かい気持ちになったことはたくさんあります。
以下は、私が周りの人にしてもらって嬉しかった/助かったことです。(たくさんありますが、いくつか抜粋して・・・)
当人の性格や関係性によって変わるかと思いますが、参考にして頂ければ幸いです。

  • 連絡をしない/連絡に反応しない期間がある程度あっても、変わらず接してくれる(変わらぬ関係を続けてくれる

  • 約束を何度か断る/ドタキャンしてしまっても、声をかけてくれる(気持ちが不安定であることに理解を示してくれる

  • 一緒に妻や子どものことを話してくれる(事情を知らない人に話しにくいことを吐き出す場を作ってくれる

  • 妻の命日やお盆にメッセージやお花を送ってくれる(故人のことを気にかけてくれる

  • 子どもの誕生日などにプレゼントを送ってくれる(私/故人の大切な人を気にかけてくれる

この記事を読んで、少しでもグリーフのことを知ってもらえれば嬉しいです。
なお、重ねてになりますが、私はグリーフの専門家ではないですし、上記はあくまで私の経験/私見である旨、ご了承ください。(グリーフにも色々な形があると思いますので、この記事を読んだグリーフサバイバーの方もその支援者の方も当てはまらない部分もあるかと思いますが、温かく見守ってください。)

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