ブラック・ミラー シーズン6感想
コロナ禍で制作の止まってしまった
Netflixオリジナルドラマの『ブラック・ミラー』、
新シーズン出したなら教えてよ!!!!!!!!!!
昨夜気付いてすぐさまNetflixに再契約して一晩で全部見ました。
四年ぶりの新作最高〜〜〜!!!!!
ブラック・ミラーは、『世にも奇妙な物語』系のブラックユーモアなオムニバスです。
私はこれまでの人生で見たドラマの中でブラックミラーが一番面白いと思うぐらい好きなシリーズです。
というわけで、以下あらすじと感想です。
多少伏せてはいますが、結構ネタバレあります。
・ジョーンはひどい人
自分の日常が、ディープフェイクとAIの編集によりNetflixで配信されてしまい、ちょっとしたパワハラや浮気心が全世界に公開され日常がめちゃくちゃになるお話。
……シーズン6の配信日は2023年6月で、制作期間を考えるとシナリオはもっと早くに上がっていたはずで、
あまりにも現代の問題をいち早くキャッチして料理している様子に脱帽です。
未来見えてます?
ちなみに、『Netflixで配信』と書きましたが、
作中での配信サイト名は『ストリームベリー』。名前かわいい!
で、追い詰められた主人公、どうするのかと思ったら、
『まんま自分の姿を配信してるわけではなく、
自分役を演じる役者がおり、
役者の意志とは無関係に、AIがディープフェイクで再現ドラマを作り配信する』
という部分を利用して、
イカれたチアリーダー姿で
結婚式に乗り込んで
教会で盛大に脱糞し
女優の顔でその様を全世界に配信させました
そんなすてみタックルある!!?????!!??
これにより、主人公も女優も
「この配信を止めさせる」という目的が一致し、
協力することになります。
作中作ではまた別の役者を使っていることや、
まんま流せばいいのに、わざわざ演じる女優がいることなどに少し「何かあるな」とは思っていたのですが…
主人公は『本物の再現ドラマを演じているディープフェイク』であり、『この世界はAIに作られたもの』という真実が明かされます。
つまりこの次元がドラマ!
主人公を困らせた配信は作中作!!!
作中作の中で映るストリームベリーはまた別の役者が演じているため、
何層も何層も『作中作の作中作の作中作の…』と世界が続いている!!!
お、面白いこと思いつくな〜〜〜!!!!
ラストは爽やかに締めてて好みです!
・ヘンリー湖
ドキュメンタリーを撮りにきた大学生カップルが、
「本来撮ろうとしてたのより、この町でかつて起きた殺人事件テーマにした方が面白くない?」と閃き、事件を調べてゆくお話です。
全体的にご想像の通りなんですが、
なかなか独自性や驚きがあって、この手の作品の中では相当上澄みだと思います。
伏線回収がしっかりなされる作品は気持ちがいい!
素晴らしいドキュメンタリーは完成したけれど…………。というオチがブラックミラーらしくていいですね。
・ビヨンド・ザ・シー
これマジで面白いです!
いや他のも面白いんですけど!群を抜いていました。
なんだか古い田舎町で始まった物語なのですが、
主人公が家族や近隣住民と触れ合う姿を軽く描いたのち、
主人公はおもむろに、何やら歯の治療の時の椅子と電気椅子を混ぜたような、謎の機械に座ります。
そして主人公が目を閉じ、開くと、そこは宇宙船の中でした。
『宇宙船で何年も勤務するのは辛いから、必要な時以外は意識を地球に送れるようにするね!君そっくりのレプリカの体で家族と暮らしてね!』
という状況らしいです。
これ、老化の差とか、生身でないこととか、
宇宙船が故障して、酸素が尽きるまでの命をレプリカで過ごすとか、
そういう展開くるのかな!?と思ったんですけど、
なんかね、
「偽物の体で暮らすなんて神への冒涜だ!!!!」という理由で、
カルト宗教に襲われて
主人公の家族、惨殺されました。
えぇ…………!!?
目の前で家族を殺され、
レプリカも壊されたため地球へ戻れず葬儀にも出れなくて、
狭い宇宙船で何年も過ごさなければならなくなった主人公。
どうするんだこれ!と思ったら、
どんどん病んでいく主人公を見かねて、
同乗者の宇宙飛行士が「息抜きに俺のレプリカに入る…?」と提案します。
あ、この宇宙船は二人乗りです。
宇宙飛行士は男性二人です。
つまり、同僚にも奥さんがいます。
傷心の主人公と、それを慰める同僚の奥さん……
何も起こらないはずがなく……。
……と思ったら、奥さんはしっかりしていて、
「私は人妻なのよ!?最低!二度と来るな!!!」と浮気を迫る主人公を宇宙船へ叩き返します。
か、かっこい〜〜〜!!!!!!!!!!
となるとまあ、
『同僚を殺して体を奪い、同僚のフリをし続ける』みたいな方向に行くのかな?と思って見てたんですけど、
──その展開は予想してなかった!!!
いやもう最高でした。
最後に椅子を蹴って「ほら、座れよ」とジェスチャーする姿に痺れてしまった。
あの宇宙船ちゃんと地球に帰還できたのかなぁ…。私はできなかったと思う。
まあ、やっぱり妻に任せずに宇宙船で同僚自身が励ますべきだったと思うよ……。だって主人公が奥さんに惚れる可能性100000000%じゃん。
妻を守るためにも、同僚、お前が惚れられていけ。
・メイジー・デイ
パパラッチが監禁されてる女優を見つけて助けたら彼女は狼人間だった話。何?
これはよくわかんなかったです。
でも最後に自殺する女優に対して主人公がカメラ構えてたシーンは好き。
・デーモン79
「このままじゃ世界滅亡するから
三人の生贄を捧げて世界を救ってくれ〜!!!!」と悪魔に泣き付かれ、
世界のために殺人をしてしまうお話。
『悪魔が世界を救おうとしてる』『世界を救う手段が殺人』というのはなかなか新しかったですね。
で、この手の話って『悪魔なんていない、最初から狂っていたのよ』とか
『救世主はお前以外にもいたから、お前が何もしなくてもあいつが救ってくれてたぜ』とか、
『色々あって運良く救われた!』とかのぬるい終わり方が多い気がするんですけど、
この話は、主人公が最後の殺人をしくじって、
世界滅亡しました。
そんなことある〜〜〜!!!!???????????
最高か?最高です。
悪魔が「しくじった俺は永遠の虚無に閉じ込められるけど、
お前も取調室で世界の滅亡を待つよりは、俺と一緒に虚無に来ないか?」
と主人公の手を引いて、最後は核爆発の光を背負ったまま、
二人で虚無へ歩き出すエンドです。
さ、最高〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!
細かい伏線とか汲みきれていない部分は多々ありますが、大満足でした。
だって、「暗い時代に暗い物語は必要ないから」と制作を止めたブラック・ミラーが2023年にお出ししてきた新シーズンの最後の話が、核爆発世界滅亡エンドですよ!!!!????????
牙を失ってないにもほどがある。
ありがとうブラック・ミラー…!
これからも良い作品を作り続けてください…!!!!!!