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ヲタク人生最後だと思って推してた推しメンが突然いなくなった話
突然ですが、皆さんには「推し」はいますか?
デジタル大辞泉(小学館)によると「推し」とは『他の人にすすめること。また俗に、人にすすめたいほど気に入っている人や物』とのことです。
つまり単なる「好き」を超えて、人に推薦したい、紹介したい、と感じるような対象を指しているのが「推し」と言えると私は思います。
堅苦しいことは置いておきまして、私にも「推し」というものはかれこれ小学生頃からいた記憶です。YouTuber、アニメキャラ、男性アイドル、色々な界隈を転々としてきていましたが、私が最後に推すと決めた「推し」が突然いなくなった話をしたいと思います。
長くなるとは思いますが、よろしくお願いいたします。
私が地下アイドルというものを知ったのは5年ほど前です。友人がいわゆる地下アイドルになったのがきっかけでした。数回ライブを見たことしかなかった当時でも、アイドルとして全力で向き合っている友人や他メンバー達がキラキラしていたのを見て今まで地下アイドルに抱いていたマイナスなイメージが払拭されていったのを覚えています。
そんなこんなでTikTokでもアイドルの曲が流行り、"聞いたことある"となるグループが多くなっていった頃です。とあるグループの1人の卒業公演のYouTube配信を切り抜いたものがTikTokで流れてきました。その時切り抜かれた曲の歌詞が今の自分と重なり泣いてしまいました。そこからそのグループを追いかけていくと4月1日新メンバーが発表されました。この子が後に「推し」となる子です。その子は最年少で、グループのコンセプトと合うのか、、?と当時は心配でした。そのグループでは推しを決めていなかったので周年LIVEがYouTube配信されると聞いて、学校帰りの電車でどんなものかと見ることに決めました。その子は前日のライブで喉を潰していましたが、被せがありながらも全力でニコニコと笑いながらパフォーマンスしているのを見て雷に打たれたような衝撃が走ったのを今でも忘れません。「この子だ」となりました。そして私がそのグループに出会った時の曲のラストをその子の素敵な歌声が、私を新たなヲタク人生をスタートさせる合図でした。
そこからの私は単純です。Xに毎日リプをする。というのを2ヶ月ほど繰り返していました。在宅の私にとっては地道に記憶してもらうしかありません。そしてやっと会えたのは6月。その日はドキドキしながら前方3列目くらいにその子のペンライトを持ってただ呆然とLIVEを見ていただけでした。その子は私に気づいてくれ何回もレスをしてくれました。やっと初めましてできた特典会では「会えて嬉しい!」とお世辞(?)ながらも全力の笑顔で対応してくれました。そうしてすっかり沼にハマってしまった私は月1ペースほどで通うことになるのです。
私を「人生最後の推しにしよう」と思わせたのはその子の生誕祭ライブが行われるとのポストを見た時です。その日は私のテストの日そしてテスト前日でした。地方の為迷いましたがご縁があり行くことになりました。生誕祭当日テストを30分で切り上げ(点数は過去一悪かった)全力で新幹線に飛び乗り、渋谷の駅から会場まで全力疾走し前物販終了20分前に滑り込んだのを今でも忘れません笑。汗だくの私を苦笑いで受け入れてくれたその子はLIVE本番でも全力で最前にいる私や他のヲタクにレスしていて、「あぁこの時間がずっと続けばいいのに」「来年もまた見たいな」と思わせてくれました。その生誕祭を経てこの子を最後の「推し」にしようと決めました。
8月にはツアーや9月には野外ライブ、そして10月にはグループ最大規模のワンマンがありました。またまたご縁があり◯万円の最前チケットを譲っていただき最前で見守ることができました。登場して最初の一曲目連番していた友人と私に嬉しそうにレスをしてくれたのを今でも忘れません。そしてライブが進み私が1番大好きな曲では普通に号泣してしまいました。初めてその子を見たYouTube配信からの成長を改めて感じて、母のような気持ちで見ていました。そのライブ後の特典会でも「これからも大きな会場で見たいよ」も伝えたところ「もちろん!」といってくれました。
そして迎えた11月この月からリリースイベントが始まり、人生で初めてアイドルのリリイベというものを経験することになるのです。その日は2回しだった為まずお昼頃に挨拶をしてからリリイベに向かうわけですが、撮影可能でスマホを必死に動かして追いかけていた私の画面にレスを納められたのはめちゃくちゃ嬉しかったです。特典会はぼったくりだな〜と思いつつも「推し」にお金を払ってしまうただただ単純なヲタクの私がいました。
そして12月にも遠征してくれることが決まっておりチケットも取っていたある日のことです。その日の前日からその子が休んでおり珍しいなと思っていた日でした。
今でも忘れません。
「お知らせ」この文字を通知で見た時冷や汗がしました。前々から某掲示板でその子についての情報が出ていましたが、そんなわけないと思っていたことが実現してしまいました。"脱退"その言葉を見た時素直に受け入れることができませんでした。きっと、何かの間違いかもしれない、そんなわけない、と自分を落ち着かせていましたが、現実は他担さんからの厳しい意見、メンバーさんからの悲しい言葉。あぁいけないことをしてしまったんだなと。
ワンマンの時連番をしてくれた友人と1時間ほど電話をしなんとか落ち着くことはできましたが、その日はフワフワとした気持ちで眠りにつきました。次の日は学校の友人と遊ぶ予定でしたが、その日はずっと上の空で友人には申し訳ないことをしたと思っています(;_;)
その日の夜毎日自撮りを上げてくれていた推しメンのポストが更新されなくなったのを見て、やっと現実として自分の気持ちと向き合うことになりました。止まらない涙と裏切られた悔しさともう応援できない自分の感情がぐちゃぐちゃになり、2時間ほど泣いていました。やっと落ち着きその子に向けていわゆるお気持ちツイートをすることになります笑
私はアイドルとして間違ったことをした子をもう応援することはできません。しかし、その子が見せてくれた景色、レスをしてくれて特典会でも話してくれた事、笑顔に嘘はなかったと信じたいです。しかし、全部嘘だったのかもしれません。もう信じることはできません。
段々と増えていくペンライト、長くなっていく特典会の列全部が思い出で簡単には嫌いになれない自分もいます。しかし、アイドルとして間違ったことをした彼女のことは今でも許すことはできません。
今まで他のグループで脱退したメンバーのお知らせは見ていましたが、実際に自分が体験してみるとただただ悔しい思いでいっぱいです。他のメンバーのヲタクさんからは今でも厳しい意見がありその通りだなと思うと同時に申し訳ない思いになります。これまでメンバーさん達が守ってきた歴史に傷をつけてしまった彼女は今後も許されるべきではないと思います。
こうして私は最後の「推し」を推すヲタク人生に幕を閉じました。突然いなくなるというのは心にポッカリと穴が空き、現実が夢と感じるくらい不思議な感覚です。
今でもその子の亡霊をされている方をよく拝見しますが、私は正直未練はないのでグッズは全てお譲りしてアカウントも捨て、のんびりとこの界隈を眺めています。
ここまでが1人のヲタク人生の最後です。
後悔ばかりが残り後味は悪いですが、1つ思うのは「推しは推せる時に推せ」いう言葉は意外と真理なのかもしれません。
拙い文章ですが、ここまでお読みいただきありがとうございました。
ここまでお読みいただいた皆さんのヲタク人生が素敵なものになりますように。