理学療法の進め方について

一言に理学療法といっても、その中には、物理療法、徒手療法、運動療法、装具療法、日常生活指導、住環境整備など、様々な介入方法が存在します。

どの時期に何をするかは、対象者によって変わるため、一概には言えないが、理学療法をデザインするにあたって考えておかなければならないことを記載していきます。


理学療法士が対象とする者の多くは、患部を中心とした局所的な生体組織に、何かしらの異常が生じています。骨折や靱帯損傷のような組織の損傷では、受傷部に炎症反応が生じ、発赤、熱感、腫脹、疼痛といった症状が出現します。

ですので、理学療法士は、骨折によって筋力低下したから、ただ筋力訓練をする。というのではなく、患部の状態を考慮したアプローチが必要になります。

患部を動かせる状態に整える、そして管理しながら、運動などの不可を徐々にかけていく。というようなことが必要です。

患部を整えるために物理療法が行われることがあります。物理療法は創傷治癒の促進、炎症の軽減を図ることができるためです。患部の状態が安定してくれば、モビライゼーションや関節可動域訓練、ストレッチ、筋力訓練などの徒手療法や運動療法を追加していきます。

よりアクティブに動けるようになれば、姿勢改善やバランス練習、より実際的な運動療法を行っていきます。基本的な動作から応用的な動作へ、そして、生活を意識して、日常生活動作指導や住環境整備を行っていきます。


ただ、このプロセスを考えるうえで注意しなければいけないのは、患部の状態が安定しないうちは、いつまでも動作練習をしてはいけないわけではないですし、基本的な動作や応用動作をメインとしながらも、患部の管理や局所へのアプローチも必要になるということです。

今、どの程度の負荷をかけられるか、どのような運動が適しているか、そして、目標に対して、何をすべき時期なのか、対象者やその周辺状況を考慮した上での理学療法プログラムのデザインが必要です。


(参考文献)

・障害別理学療法学の基礎と臨床実践 金原出版株式会社


いいなと思ったら応援しよう!