明確なチャンスでしょ
こんにちは。Nimbusのボーカル、TAMAです。この前ミニマリスト気質な友達の誕生日に、ゆるキャン△の15000円くらいするフィギュアを送りつけてやりました。これがオタクだ。怖いか?
さて、バンドをやっていると「若手にチャンスがない」という嘆きを聞く事がありますが、いやそんな事なくね?って話をしたいと思います。
結局は人と人との繋がり
人との繋がり、要はコネクション。これに尽きます。キャリアと実績のあるバンドと対バンできる、所謂「いいライブ」は明確なチャンス。ですがある日突然出演オファーが来るわけではなく、基本はコネクションありきです。
結局それかよ!というご唱和、ありがとうございます。
しかし僕は言いたい。そもそも「繋がり」について話している人達、何か勘違いしている気がするんですよね。
人間関係においては、人のつながりは二種類あります。
一つは「友達」「気が合う」「義理人情」等が基準となる"ウェットな関係"。一般的に、人間関係というとこちらを思い浮かべるかと思います。
そしてもう一つは「メリット/デメリット」が基準となる"ドライな関係"。
基本的に人間関係はこの二種類で成り立っています。ただこれは「Aさんと私はウェットな関係、Bさんとはドライな関係」みたいに区別できるものではないです。
「Aさんは気が合うしいい友達。でも仕事において組む上ではメリットがない」というような、1人の人間関係の中にウェットとドライが内包されています。
冒頭のライブオファーの話に戻して少し解像度を上げましょう。
基本的にライブイベントの目的は多々ありますが、多々ある中でも話題性・集客というのは100%含まれます。
「話題にならなくていいしお客さんも来なくていい」なんてイベント、聴いた事ないですよね?むしろあったら行ってみたい。
仮にあなたがイベントを主催するとしましょう。
プライベートで友達ではあるけどイベントに出てもらっても話題性は獲得できないバンド
と、
"面識はあるけど"プライベートで関わりはない。しかし確実に話題を獲得できるバンド
が居たとしましょう。あなたはどちらを選びますか?
冷たい話ですが、多くの人は後者を選びます。詰まるところ、話題性を獲得できるような実績を積む事ができれば、それだけ多くチャンスを呼び込む事が出来ます。
仲良くなるだけではなく、実績をガンガン積んでいきましょう。
しかしながら、新参のバンドにそのような実績を積めというのも大変な話。
いや、方法は色々ありますが、それを実行する上でリソースが足りないバンドもいると思います。
絶望するのは早計。上であえて強調した通り"面識の有無"というのも非常に大切です。
面識さえあれば、その人が自分のバンドをチェックしてくれ、自分でも気づかなかったメリットを相手が見出してくれる可能性もあります。次項では、その面識について話していきましょう。
阿修羅になろう
さて、前項で話した面識の話。結論から言うと、阿修羅になりましょう。え?どう言うこと?と思った方のために、大まかに三つに分けてお話ししましょう。顔を三つ用意してお読みください。
①SNS阿修羅
まずはSNS。様々なバンドやイベンターをフォローする。これは三つの手段の中で最も簡単な方法です。
相手のSNS使用頻度にもよりますが、フォローさえしていれば相手のタイムラインに自分の投稿が流れる確率が上がります。
自分がアップロードしているライブ動画やMVを、相手がチェックしてくれる可能性が生まれるわけです。
そして、相手がコンテンツ(新曲やライブ動画等)を投稿した際、積極的にコメントをする事。アーティストとしての性なのか、僕は基本的に曲やライブ動画、noteなんかに纏わるコメントや感想等は全てチェックしてます。
そして何より、コメントしてくれた方のSNSアカウントはもちろん印象に残ります。
リアルで会った際「○○にコメントした者だけど〜」と自己紹介していただくと、一瞬でその人の事を覚えられます。
しかしこれは相手のSNS使用頻度にかなり左右されるのも事実。僕みたいな廃人であればいいですが、そうじゃない人もいますので。
この方法はお手軽ではありますが、あくまで主体は相手側に依存しますので、効果としてはピンキリです。
②ライブハウス阿修羅
百聞は一見にしかず、と言うように、そもそもSNSでどれだけ頑張ってもリアルでの面識には敵いません。
リアル、つまり実際にライブハウスに足を運び、挨拶をして面識を作る方法です。
古典的だって?ノンノンノン。
最も効果があるからこそ、古くから今の今まで採用されてきたんですよ。
知ってる人は知っていると思いますが、Nimbus結成から今日まで、僕は数々のイベントに足を運んできました。新宿ANTIKNOCKのスタッフさんから「住んでる?」と言われるレベルで。
友達と談笑し、お酒を飲んで楽しむという目的はもちろん大きいです。しかしそれと同じくらい、様々なバンドと面識を持つという目的もあります。
実際にこの方法で繋がったイベンターやバンドから、イベントのオファーをいただいた数は10とか20では足りないぐらいです。
何より、Nimbusのライブに遊びに来てくれ、面識を持ったバンドに出演オファーをする事も多々あります。
コロナ禍も落ち着きつつある今、ライブハウスには多くのバンドがひしめいています。今こそ積極的に、ライブハウスに足を運ぶべきでしょう。
③出演オファー阿修羅
三つ目の手法はかなりのパワープレイな方法です。正直、諸刃の剣すぎるので積極的な活用はお勧めしません。が、使い所によっては非常に有効的です。
あなたがイベントを開く際、ダメ元でもいいので繋がりを作りたいバンドに出演をオファーするという方法です。たとえ断られたとしても、相手側には上二つの方法より確実に印象に残ります。
オファー後、ライブハウスに遊びに行き「あの時出演オファーした……」と挨拶すれば確実に面識が持てます。
なにより、条件次第では出演してくれる可能性もあります。どうしても一手打ちたい場合、試してみてはいかがでしょうか。
さて、ここまで三つの手段を書きましたが、どれか一つだけをやっても効果は出ません。基本は三つ全部やりましょう。顔が三つ、腕が六本。
阿修羅です。阿修羅になりましょう。
しかしそもそもの話、欲しいコネクションの理想が高すぎて実現できない場合もあります。なんの実績も無いバンドが、いきなり200〜300規模の箱にcoldrainを呼べるわけないですし。
Paleduskと繋がったからとて、即刻ツアーに出れるわけないですし。
え?ここまでの話は無駄だったのかって?
いえいえ。ここまでの話は長期的な目標を見据えての話です。次項では"今すぐにでも掴みに行けるチャンス"についてお話ししていきます。
本当の"明確なチャンス"
①INNOCENCEというイベント
ここで敢えて明確な名前を出します。
東京、神奈川を拠点に開催されるイベント"INNOCENCE"。思えば、僕がバンドを始めてから二回目のライブがINNOCENCEでした。
それ以降お互いの節目節目で何度も出演させてもらい、ついこの前7周年を迎えたそう。おめでとう。
それだけ何度も出ているだけあり、主催のTakumiとは公私問わず色々と関わってきました。
時には馬鹿みたいに遊んだり、時にはじっくり酒を飲みながら、真剣な話をしてみたり。
そんな中で、彼が常に口にしている事が"若手バンドにとってのチャンスの場を作りたい"です。7年も続けている彼ですが、そのスタンスは一切ぶれていません。
実際僕はINNOCENCEを通じて様々な先輩と面識を獲得し、同世代と友誼を結び、イケてる新進気鋭の若手バンドと繋がってきました。
そして何より、彼と話して常々思うことがあります。
「こいつどんだけ出演バンドに真剣に向き合ってんだよ」と。
いや、他のイベンターが出演バンドを蔑ろにしているとかではなく、彼が異常なまでにINNOCENCE出演バンドと真剣に向き合ってるんですよ。
出演した若手バンドからの悩みを聞き、膝を突き合わせて同じ目線で、一緒に頭を捻って悩む彼を僕は何度も見てきました。
彼自身も常にライブハウスに身を置き、様々なバンドと繋がりを作ってきた人間。だからこそ若手バンドの悩みは痛いほど分かるんだと思います。
なんだかんだで彼が慕われ、節目には様々なバンドが集っているのは彼のそんな人柄故。もしチャンスを掴みにいきたい人は、是非一度彼に連絡をしてみてください。変な奴だけど。
②平日ブッキングに隠れた大きなメリット
そもそも、今の若手バンドに必要なのは"実績"ももちろんですが、それ以上に"横のつながり"だったりします。つまり、キャリアや年齢的に同じ目線のバンドとのつながりですね。
何はともあれ、実績を積んだりチャンスを掴むためには場数を踏む事が重要です。先輩バンドと繋がるより、同じ目線のバンドと繋がった方が企画に呼ばれたりする回数が増えます。
お互い企画に呼び合う事で、周囲からは「あの二バンドが組めば何か良いシナジーが生まれるかも」という目線を集める事も可能。
そして何より、キャリアが近い者同士、お互いの活動を見ながら自分たちのバンドを見直す、客観視する機会を得る事ができます。
そんな横のつながりを得る最適な手法が、何かと話題な"平日ブッキング"です。なんかこれが悪い例の槍玉に挙げられてるとモヤモヤするんですよね。俺たちNimbusは、確実に平日ブッキングからの叩き上げですし。
平日ブッキングは基本的に同じ目線のバンドが集まりやすい特徴があります。上述した横のつながりも、平日ブッキングから生まれる事がほとんど。
何より、平日ブッキングで集客を成功させ、コネクションを作ろうと動き回ってる姿をライブハウスのブッカー等が見れば、土日のイベントのフックアップ枠に捩じ込んでくれる例もあります。
皆さん見逃していませんか?それ、明確なチャンスですよ。
そうして懇意になったライブハウスでイベントをひらけば、次回や今後の展望についてのフィードバックをもらえたり、対バンしたいバンドとイベントを組んでくれる可能性もあります。
まあ、その為には相当駆けずり回るレベルで頑張る必要がありますが、その頑張りが出来ない人はそもそも長くバンドをやる事に向いてないと思います。
便利な時代になったね
ここまで色々と偉そうに書きはしましたが、今の時代は効率よく実績を積んだり、勢いをつけるノウハウは沢山インターネットに出回っています。しかしながら、そのノウハウはバンドによって合う合わない等あったり、時代がそもそもマッチしてなかったりする場合もあります。
最初から強い状態でスタートを切りたい気持ちは分かります。そしてそれが理想なことも。
ですが、結果が出るかも分からないノウハウにリソースを割きまくり、本業の活動もできず、結果が出なくてモチベーション低下を招いては本末転倒と言うもの。モンハンの炭鉱夫を思い出せ。
結果が出ないのならば、ノウハウが思いつかないのならば、一度基本に立ち返り、地道に積み上げていくのが一番の近道なのではないでしょうか。
地道に築き上げた土台は、"必ず"あなたの強みになります。
では、今日はこの辺で。
現状noteは無料で更新を続けています。感想のシェア、コメントが励みです。是非お願いします。じゃないと月額8000円とかにします。
今から僕はコネクションを増やすべく、Dragon ForceにNEW BLOOD出演のオファーを送ろうと思います。
全ての若手バンドに幸あれ!
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