ダレル・ロイヤルの手紙(テリー55日目)
今年の3月からストリートファイター6にハマり、無謀にもマスターランクになることを宣言した。
格ゲー初心者の自分にとってはとんでもなく困難な道になることは覚悟していた。
なにがあってもあきらめないつもりでいた。
今までどんなに連敗しようと、たとえ怒り狂うことはあってもストリートファイター6を辞めようと思ったことは一瞬たりとも無かった。
しかし最近の負けっぷり、しかもダイヤ2に昇格してからの負けの多さに混乱し、もはや何をすれば勝てるのかが完全にわからなくなってきていた。
そして昨日。
ついに自分の頭の中にとある感情が芽生えてしまった。
「もうこのゲームやめようかな…」
心が折れた。
そこからは次々とネガティブな感情が押し寄せてくる。
「全然面白くない」
「マスターランクなんかになったってなんの意味もないじゃん」
「こんな自分に向いてないことやって時間の無駄だよ」
「そもそもたかがゲームになんでこんなに必死になってるんだよ馬鹿馬鹿しい」
さんざん負のエネルギーを出し尽くした後、ふっと脳裏によぎったのはタイトルの手紙の文章である。
それを知ったきっかけはアイシールド21という自分のお気に入りの漫画だ。
以下がその内容である。
ダレル・ロイヤルの手紙
諸君が常に自問自答すべきことは、
打ちのめされた後、自分は
何をしようとしているのか、
ということである。
他の人を非難し、
ただ落ち込むだけなのか、
それとも、情熱を燃やし、
再び立ち向かっていくのか、
ということである。
フィールドでプレーしたことのある者ならば、
誰でも屈辱を味わったことがあるはずだ。
負けたことのない選手など、
いまだかつて存在したことはない。
だが、一流の選手は、
自分のそれまでの努力に報いようと、
全てを尽くして
すみやかに立ち上がろうと努める。
並の選手は、立ち上がるのが少しばかり遅い。
そして、敗者はいつまでも
フィールドに横たわったままである。
打ち負かされること自体は、
何も恥ずべきことではない。
打ち負かされたまま、
立ち上がろうとせずにいることが
恥ずべきことなのである。
テキサス大学フットボールチーム「ロングホーン」ヘッドコーチ
ダレル・ロイヤル
ああそうか。
この言葉を思い出すってことは
自分は今の自分を恥ずかしいと思っているんだ。
まだあきらめたくないんだ。
意味とか価値とか理屈じゃなくて、ただこのまま打ちのめされている自分が許せないんだ。
本気で何かをやり遂げる自分になりたいんだ。
改めてマスターを目指す。
これから先何回も絶望するだろう。
でも何度だって這い上がる。
やっぱりストリートファイターが好きだから。