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「サラリーマン」忌野清志郎の言葉。
(忌野清志郎の言葉43)
「サラリーマン」、忌野清志郎が1994年にリリースしたソロシングル。「ぼくの就職」というドラマの主題歌でもある。そのドラマには清志郎自身も出演。おそらく出演とともに主題歌の依頼もあったのだと思う。ドラマに関しては、あまり印象にないので、それほどおもしろいと感じなかったのだろう。しかし、主題歌は違う。はじめて聴いたときから、心に刺さりまくり。いまでも、歌詞を追うだけで、わけもなく目頭が熱くなる。
清志郎は、弱者にはやさしいまなざしを注ぐ。サラリーマンは決して弱者ではないが、社内でも社外でも上の立場の人からの圧力を受けながら生きている。この当時は、ハラスメントなんて、日常茶飯事だったと思う。この曲は、そんなサラリーマンたちへの敬意と愛にあふれている。
サラリーマン経験のない清志郎は曲づくりのために、自らサラリーマンたちに取材したそうだ。その時に、自分の知らなかったいろんなドラマを感じとったに違いない。サラリーマンのドラマは映画のように甘くない。日々、悩み、傷つき、顔を使い分けながら、生きているんだ。そんなメッセージが、働く人たちの心に刺さる。
サラリーマン 作詞:忌野清志郎
サラリーマンのドラマ 君に見せてあげたい
映画のように すぐには終わらない
遠く 遠く 続く このドラマ
印象に残るのは、二、三、四と数字が増えていく次のフレーズ。
サラリーマン 子どもじゃなければ誰でも 二つ以上の顔を持ってる
サラリーマン 心の傷三つ四つ あてもなくさまようだけ
主人公はサラリーマン。映画のようにうまくいかない不器用な生きざまを
君にも知ってもらいたい。君だけに見てもらいたい。その長く長く
続いていくドラマを、一緒に見ていってくれないかと呼びかけた歌。
君とは、毎朝、見送ってくれるパートナーや子どものことだろう。
まるでドラマを見てるかのような気分になる曲だ。
この曲のことを、とあるミュージシャンがブログに書いているのを見つけたので、リンクを貼っておきます。