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大好きなカメラを持てることの幸せ

皆さんこんにちは、みずきです。
突然ですが、皆さんは大切な瞬間をどのカメラで収めたいとお思いですか?

フィルムカメラ?
はたまた最新のデジタルカメラ?

私はデジタルカメラを長年使ってきましたが、ここ二年の間にフィルムカメラの沼に浸かっています。新しいデジタルカメラを購入したばかりの時は流石にそのカメラの使用頻度が高まったのですが、必ずフィルムカメラに戻ってくるというくらいにはフィルムが好きになりました。

最近、購入したデジタルカメラへの愛着が少し薄れてきていて(使っているとやっぱり慣れてくる)、いつも通りフィルムカメラに回帰しそうなタイミングなのですが、ふとこう考えてしまうのです。「デジタルカメラ・フィルムカメラのどちらか一方しか持ち出せないとなれば私はどちらを選ぶ?」と。

別に日常的にこの選択をしなければいけない場面はあまりないのですが、海外旅行などを例に挙げてみると急に真剣に考えてしまいます。人生で同じ場所に旅行するのはかなりの確率で低いのではないかと私自身は思います。海外旅行すら頻繁に行かないのに同じ国や地域だけに行くのはなんだか勿体無いと考えてしまいそうで…。話を戻すと、そういう旅行の機会にあなたはデジタルカメラorフィルムカメラのどちらを持っていきますか?

この問いを私自身に問うてみるとおそらく両方持っていくと言いと思います。いや必ず。人生に一度しか訪れないであろう旅先での美しい景色をフィルムで収めたいと考えることは想像に難くありません。これに関しては普段フィルムカメラを使っていない方でももしかすると考えることかもしれません。簡易的に写ルンですなどでも良いです。ただ私の中には同じくらいにデジタルカメラでも撮影したい気持ちがあります。というよりRAWデータを残しておきたいというのが正しいです。誤解を招いてはいけないので詳しく説明します。

私はかれこれ七年前から写真を撮っています。もちろん初めの頃の写真は世に出すことが恥ずかしいくらいのものですが。そして当時から私が写真を撮り続けていく中で楽しさを抱いていたのがRAW現像(レタッチ)です。これが私の中にあるデジタルカメラを使い続けている大きな理由です。

私のデジタルカメラでの撮影フローは

撮影→PCでの読み込み→RAW現像(ここが一番楽しい)

という具合でした。撮影と同じくらいに帰宅してからPCに向かう時間が私にとっては何より重要でした。撮影したデータを自分好みの色味やトーンに編集していく。この作業がとにかく好きで、一時期はこの作業がしたいがために写真を撮っていることもありました。また、理想の編集ができるようになるまでの試行錯誤の時間も私は好きで、ああでもないこうでもないと頭を悩ませながら作業していたことも懐かしい思い出です。

ここまで見ていただけると私にはどちらかを選ぶということは無理なのではないか?とお思いになられる方もいらっしゃるかと思います。もちろん無理だと思います。しかし、もしもの時に備えて思考しておかなければいけないと思ったのです。

私のnoteを見て頂いているなら知っている方もいるかもしれませんが、私は今年の三月にヘルニアを患ってしまいました。そこから歩行困難・坐骨神経痛(お尻から脚にかけて痺れや痛みが伴う)などの症状がありましたが、数ヶ月間の安静とリハビリのおかげで今では歩行はまともに行えるようにまで回復しています。

ただ、罹患前の体に完全に戻ったかというとそうではなくて、今でも強めの痛み止めを服用していますし、重いものは持てません。歩行も一般的な人よりもかなりゆっくりです。今残っている症状が少しずつ軽減していくのか、それともこの先も付き合っていかないといけないのかは正直分かりません。再発して初期のような痛みがまた襲ってくる可能性もあります。

そういうことを考えながら日々過ごしていて、ふと思ったことがあります。「大好きなカメラを持てなくなったらどうしよう」と。
しかし実際にこういうことは現時点でも起きていて、私が初めてフィルムカメラで撮影してみたいなと思わせてくれた大好きなPentax67。購入して一年半ほど経ち、その後も様々なカメラを購入してきましたが Pentax67 だけは私の中では一番で、今でも私のメインカメラです。

しかしかなりの重さのカメラなのでヘルニアになってからは持てなくなりました。正確には持って撮影できるのですがこの重さのものを持ち歩くことができないのです(持てないというより、無理して持ってヘルニアが悪化することが怖くて持てないが正しい)。なので今年の撮影枚数は0枚。私はこの悲しい現実から目を背けるように次々と新しいカメラを買い、ついにはデジタルLeicaにまで手を出しました。

このような出来事があり、いつ大好きなカメラが持てなくなるか分からないと真剣に思うようになり、今回のようなことを考えているわけです。それほどに今年患ってしまったヘルニアは私の人生の中でとても大きな出来事となりました(皆さん腰は大事に)。

ではなぜ私が題名にも書いてあるようにフィルムカメラ一本化を目指しているのか。上記ではデジタルカメラで撮影したデータを弄るのが楽しく、そのためにRAWデータを残したいと思っているとまで書きました。しかし私はおそらくデジタルカメラ・フィルムカメラのどちらかしか持ち出せないということになるとフィルムカメラを選ぶ気がします。他人事のようですがおそらくそういう行動を取ると思います。その理由を詳しくみていきます。

M10P / Summilux 50mm f1.4 1st

この記事を書いている間にもカメラを持ち出して出かけていました。愛用のデジタルカメラLeica M10P。フィルムカメラだとLeica M6を。妻と二人で出かけているある日、ふと気づいたことがありました。M10Pを持っている日は隣を歩く妻にフォーカスすることはなくスナップばかり、M6を持っている日はなぜか自然と妻にカメラを向けているのです。本当に無意識のことだったので気付いた時にはとてもびっくりしました。皆さんはこのような経験はありますでしょうか?

私はデジタルカメラもフィルムカメラも使う時に差が無いようにとLeicaのカメラを所持しています。見た目も似ている、ファインダーも似ている、操作性もほぼほぼ同じです。違うのは光を受け止めるものがセンサーかフィルムかだけ。であるのに被写体には違いが出ています。これはなぜなのでしょうか。少し考えてみました。

①出てくる画の違い 

おそらくこれらを考える時に、デジタル・フィルムの違いから掘り下げていけば良いのだと思います。まずは撮影後の出てくる画について考えます。

皆さんがフィルムカメラを使う理由ってなんですか?おそらく様々なことが考えられますが、大きい理由の中にフィルムならではの写りがあるのではないでしょうか。デジタル・フィルムに関係なく私はこの場所で撮影したら出てくるの画はこんな感じかなという風に想像しながらシャッターを切っています。その場合、デジタルの場合は自分の力量にもよりますが撮影後のプロセスでどうにでも写真のトーンや色味を転がせてしまいます。なのでここで撮ったらこんな感じに仕上げられるかも!という風な撮影になります。

一方フィルムは撮影後の写真を想像するのはかなり難しいものがあります。(難しいというより、想像しきれないと言った方が近い)レンズ・露出・フィルムの種類・光の入り方・時間帯によるホワイトバランスの変化…などが起因してその時撮影した写真は自分が想像していたものを遥かに超えてくる可能性があります。これがフィルムの醍醐味ですよね。この不確実性にハマる方も多いはず。

これはあくまで私自身がデジタル・フィルム、双方のカメラ使って感じた見解なので個人差があり、全然異論は認めます。

②撮影体験の違い

①では撮影された写真にフォーカスを当てましたが、次は撮影時にフォーカスを当てたいと思います。大きな違いでいうと撮影してすぐにデータとして確認できるか否かということですね。帰宅してデータをすぐに確認できるということではなく、撮ったその場でカメラ内で確認できるできないということです。私はこれに関してはとても大きな違いだと思います。

デジタルカメラの多くは背面モニターがあり、撮影したその場で写真を確認できるということがとても便利とされて来ました。一方フィルムカメラはというと、フィルム現像の後データ化をして初めて見ることができます。この事が撮影時にどのように影響してくるのか。考えていきます。

私が所持しているデジタル機Leica M10-P。このカメラは以前から持っていたフィルム機のLeica M6と同じような運用方法で手軽に写真を楽しめるようにと購入しました。同じレンジファインダー機ということで比較的モニターレスで撮影ができます。しかしやはりモニターが有るということはそれに頼ってしまう部分も出てきてしまいます。なのでデジタル機を使う際はその場所で納得のいく写真が撮れるまで数回撮影してしまうなんてことを行ってしまうのです。(ピントがしっかりきているのかどうかを執拗に気にし始めてしまう)

フィルムカメラでは撮影するときにおそらく露出の設定とピント合わせくらいしか要することがありません。しかしデジタルカメラだとそこにモニターと睨めっこというテンポの悪い動作がどうしても入ってきてしまうのです。

この事をどのように捉えるかは人それぞれですが、私自信、家族を撮るときはネガティブな印象を持ってしまっています。例えば妻と二人で出かけているときにある場面で不意に妻を撮りたくなったとします。フィルムカメラを持っていた場合、露出・ピントを合わせて撮るだけです。要している時間はほんの僅か。

一方デジタルカメラを持っていた場合、露出・ピント合わせまでは同じですが、その後撮れた写真をモニターで確認し、もし納得がいかなかった場合はもう一度撮らせてと思ってしまうこともあるかもしれません。そうなってしまうとかなりの時間妻を待たせてしまうことになります。私はこの時間を作るのにかなり抵抗があるため、デジタルカメラを持ち歩いているときにはあまり妻にカメラを向けようとは思わなくなりました。

妻を撮るために街に行こう!みたいな目的のために出掛けているのであればそれは問題ないと思いますが、日常的な買い物などのシーンで撮影しようと思うとフィルムカメラのテンポが落ちない撮影の方が私は合っている気がしています。そして不思議とフィルムカメラを持ち出している時は妻に積極的にカメラを向けがちです。

①で語った不確実性によるものと、②で書いた撮影体験によるテンポの違いを無意識に理解した上でデジタルカメラだと妻にカメラを向けず、フィルムカメラだと積極的に妻を撮りたくなる。という現象が私に起こっているのだと思います。皆さんはこのような経験はあるのでしょうか?

Leica M10P / Leica M6

ここまで掘り下げてみて、フィルムカメラではどうして家族を撮りたくなるのかが自分なりにわかってきた気がします。皆さんも一度このようなことを考えるのも良いのかも知れません。

私の周りでフィルムカメラをメインで使っている友達も、数人ですがデジタルカメラだと家族を撮る気がしないと言っていました。少なからず同じような方はいるんだなと思いました。

まあこんな感じで大きいお題を掲げてつらつらと書いてきましたが、結局各々の好きなカメラで写真を撮影できることがその人にとって一番幸せなことなんです。それだけは断言できます。ただ、いつか自分の好きなカメラで撮影ができなくなるかも、と頭の片隅に置いておいて日々の撮影に取り組んでいただけると私がこの記事を書いた意味があるというものです。

単に脅しているということではなく、今あなたが好きなカメラで撮影ができていることを幸せなことなんだなと認識してもらえると、カメラや写真に対しての姿勢がより良いものになっていくのではなかと私は思います。

最後の方は偉そうに語っていますが気持ち半分で読んでいただければ大丈夫です。長々とお付き合いいただきありがとうございました。

それでは。


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