#3|心療内科を予約したはなし|

来週、心療内科に行く。
たぶん、メンタルクリニックに行くのは8年ぶり四度目。

暗い気持ちに支配されていた3ヶ月前のわたしが取った初診の予約日が、いよいよ目の前に迫ってきている。


幼少期から心身のバランスを崩しやすかったわたしは、幼稚園から帰れば毎日お腹を壊し、小学校低学年から保健室登校になり、中学に上がるころにはすっかり不登校の引きこもりオタクになっていた。
初めて受診したのは確か中学のスクールカウンセラーさんの勧めで、何度か通ったけれど明確な診断名がつくこともなく、結局すぐに行かなくなった。
当時のわたしは放っておけば平気で丸3日くらい眠り続けていたので、病院が開いている時間に行動して予約の日時を守って通院することができなかった。

二度目の受診のことは、何も覚えていない。
というか、そもそも「10代後半の自分が何をしていたのか」本当に何も覚えていない。
飲食店のバイトやアイドルの追っかけをしていたはずなのに、この年代の記憶だけがすっぽりと抜け落ちている。

三度目の受診は、たしか23歳のころ。
バイトから少しずつステップアップして自信をつけて、初めて正社員として就職できた会社を、2年で退職した。
月80時間のサービス残業とハラスメント上司に潰され、少ないお給料のすべてを酒とタバコにつぎ込んで2時間だけ眠ってまた出勤する生活に、わたしのひ弱な体はついていけなかった。
休職にあたり診断書を貰うために心療内科を受診して、初めて自分が10kgも痩せていたことに気づいた。

振り返ってみると、途中で病院に行かなくなるから、いつまでも自分との付き合い方がわからないんだろうなあと思う。
どれだけ落ち込んでも数ヶ月経つころには元気になっていたりして、なんとなくやり過ごしているうちにここまで来てしまった、という感じ。

今の旦那と知り合って、転職して、地元を出て同棲を始めてから6年。
ここ数年は、実家の家族と物理的な距離をとれたこともあり、自分の人生においては精神的にはかなり落ち着いていた期間だった。
(それでも何度か縋る思いでメンクリに電話したことはあったけど、初診予約のハードルの高さを突き付けられて諦めていた。)

今回は、一度平穏を知ってしまったからなのか、今まで知らなかった深くて暗いところまで来てしまった気がしている。
クリニックの受付から電話越しに「初診は3ヶ月待ちです」の現実を突き付けてくるお姉さんに二つ返事で予約お願いしますと言えるくらいには、あの時のわたしにはそこから抜け出せる未来が見えていなかったし、実際3ヶ月間をやり過ごしてきた今の自分もそれなりに人生に絶望しているので、予約しておいてよかったな…と思う。


行き場のない不安と過去の記憶を書き出して自分の気持ちを探ってみた結果、たぶん今わたしは「3ヶ月待ったのに救われなかった」という未来を恐れている気がする。

いい先生だといいなあ。
「取り返しがつかなくなる前に適切な相手を頼る」という選択ができた今の自分を認めながら、この先の自分のことも大切にできますように。

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