オーバーフェンス
前回書いた記事に続く今回。
アイデンティティーを見失ったこの頃に、たまたま観た映画。
オダギリジョーと蒼井優主演の「オーバーフェンス」。
離婚を機に北海道へ移り住んだ男と、昼は遊園地、夜はホステスとして働く女の出会いは劇的ではなかったけれど、何もかも平行線だった日常に突如訪れた、朝日のような優しい出会いから物語は始まる。
家庭を「壊して」しまった男と、自分自身を「壊れている」と評価する女。互いを埋め合うように惹かれていく二人の姿は自然現象のようで美しかった。
自分自身を認識しながらも、どうしてこうなるのか、解らずに苦しむ二人の姿にすごく共感ができた。
その他にも過去のトラウマや周りと馴染めず葛藤する人間など、アウトローだが、実は現実世界で多くの人が大なり小なり抱えている問題を色濃く映していると感じた。
私もそうやって誰かと埋め合うように生きていきたいと思ったし、いくつになっても経験を積んでいけば(長く生きるほどに?)その都度葛藤と出会うのだと思った時に、私の今のこのターンは変革期なのか?と少し前向きに捉えることができた。