天国について
小さい頃から寝る前などにふと自分が死ぬ時のことを考えて、怖くなったり取り留めもなく不安になることがあります。
考えても自分がどんな死に方をするのか分からないし、何時まで生きるかなんて正直運次第なので、そんなアンコントローラブルなことに思い耽る時間は勿体ないのですが、やはり気になります。
まぁどんな死に方にせよ、分かっていることは天国or地獄のどちらかに行くことになるということです。
地獄のことはあんまり考えたくありませんので、今回は天国について書きます。
大学時代、ユートピアについて研究していたのですが、天国とか楽園思想が多分に現れたユートピアも宗教や文化の中に意外とあります。桃源郷とかニライカナイとか、アーサー王物語のアヴァロンなんてのもその類です。
理想社会とか現実になったらいいのですが、たくさんの人がいて、それら全ての総意としての楽園なんてものは存在しえないので実現は難しいと思っています。だからこそ死んだ後くらいは楽しく、自分の理想が叶えられる明るい場所にいたいと思うのかもしれません。ある意味、現世は地獄なのかもしれないということです。
楽園を求めることはすなわち、今生きている世界は自分の考える楽園では無いからという、ないものねだりな訳で写鏡的な思考なのです。ポジティブな理想の裏には暗い事実がある訳です。
その気持ち、わたしもこれまでは例に漏れずだったのですが、最近は違います。死ぬのは怖いですが、薄く長い人生は懲り懲りなので、死ぬ時が来たら死んでやると思って生きています。当然、現状がわたしの理想か、死ぬ時なのかと言われるとそうではないので、ある程度満足出来たら死にたいのですが。
そう考えるようになったのは、別に現実をユートピアに変えようとかそういう飛んだ思想に至った訳ではないです。世の中が不条理なのはこの四半世紀生きて充分理解したので、もしかすると死後の世界も同じなのかもと、天国に対する明るいバイアスが薄れてきたからです。
考えてみてください。あの世で生前のことをあれこれ裁かれた後、これまで生きてきた世界が実は天国だったことに気づく可能性を。そのくらいの不条理は天国にもあって当然だと思った方が変な期待もせず後悔せずに済むのでクレバーだと思います。
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