起業家の夢とVCの金稼ぎとMOROHAの其ノ灯、暮ラシII
はじめに
あんまりnoteを書いてなかった。そういう時期だったかもしれない。暑いし。嘘で、ちゃんと気持ちが高まって泥酔一歩手前じゃないと書けないだけ。
MOROHAのDVDをフラゲして、3時間のDisc 1と、今Disc2のライブ動画を見て流れてきたセリフ
「音楽は金じゃないんだ。そういう言ってたやつから金が理由でやめていきました」
ふと思う。VCも金じゃないのかな。
最近はツイッターでとにかく叩かれる。(これはどこかで書こうと思うんだけど)、ただでさえ、VCは多くの起業家にとっては断る仕事だと思っているので、それだけ嫌われるし、俺においては事業もやってないやつが判断するなよ的なのもおっしゃるとおり。若いから何を知っているんだもおっしゃるとおり。叩かれるすべてを背負っているなと思う。
この業界に入って、VC以外の人がVCをずっと褒めてることあんまり見てない。自分の仕事がツイッターで1日1回叩かれてるのもなかなかないよ。でも、仕方ない。
今日はその中で、火中の栗とまではいわないが、10分入ったサウナの中で汗を拭うような、そんな気分で、VCのお金に対する話を書きたかった。
DVDのMOROHAは米という一番好きな曲の演奏を終えてエリザベスという曲に移っていた。MCのアフロはイントロの間に言う。
「世の中金だって思うことができたら、どれだけ楽なことでしょう」
俺たちVCはお金がほしい。リターンをくれ。
やっぱりここから逃げるのはフェアじゃないと思う。俺たちはNPOじゃない。金融だ。お金を大きくする仕事である。きれいにいうことは簡単で、そういう人を結果的に騙す(とくにシード期の若い人)ことになりそうなのもちょっとはわかっている。
だから事前に言う。
僕はリターンのために、お金のために働いている。
リターンのために、常に起業家の夢を応援することはできない。
僕も独立系VCとしてLPの方からお金をお預かりしている。
僕が起業家に投資する株主になるように、ぼくも誰かの株主になっている。
TLMでは、お世話になった大先輩や、大きく成功したIT系企業から、(おそらくもっと大きな金融の方から頂いてるVCもいる)お預かりしている、大事なお金なのである。
VCが起業家の方に投資するお金は俺からすれば、どこかから魔法で生み出した、湧いてきたあぶく銭じゃない。そのVCを信じて、数多くあるVCからの選んだ中の、しっかり責任のあるお金をお預かりしているだけ。
少なくとも、(そんなに読まれないと思うが) 僕に「投資してください!」と時間を割く方はそれで胸に、来てほしい。君の未来も応援はする、がVCが投資のためにはリターンが大事。お前はファンドというビジネスをやっているやつと会っているんだ。99%において投資をうけたら、IPOやM&AというExitをしないといけない。
もしTLMの投資先でこれを見て、返す気がないなら、今すぐ等倍でいいから返そう。ここで返さないなら、あとX年後に揉めるんだ。今揉めたほうが幸せだとは思う。
でも、大きく成功すれば全部が正解
俺が大好きで、とにかくお世話になっていて、同時に結果という差で死ぬほど悔しさを感じる上場企業の社長がとあることを言っていた
「未上場時からお世話になっていたVCさんにリターンをお返しできました!」
伸びれば、全部が正解なのである。自分の夢のために、僕らを満足させてくれるのであればVCもなにも不満を言わない。彼がそれを体現していて、本当にすごいと思う。
そしてこの伸びを作るためには、起業家の強い夢がないといけないことももちろんわかっている。何年も粘り強くやった結果、いろいろな人、なんなら成功した起業家、すら彼らをバカにしていた(そして今手のひら返ししている)上で、戦い続けるためには、そんな夢が大事なんだろうなと思う。
事業の未来を達成する、かもしれない。XX社を超える、かもしれない、個人のキャッシュインとしてX億を得る、かもしれない。名声を得る、なんでもいい。全部が事業を介して達成できる起業家の夢だと思う。投資をしたVCとしてはリターンが大きければ、その夢に対して何も言うことはない。
もちろん、その起業家の夢に対して、その軍資金としてお金が必要かもしれない。そのときにVCを頼ることは、なんら間違いじゃない。僕らはそれにリターンをつける。株式なので金利よりひどい。融資や助成金のほうがいいケースがある。全ては判断である。
VCの「起業家のために100%やります!」はフェイクでエゴでPR文句だと思うし、もっというと、起業家の夢と投資家のリターンは大きくならないと相反するかもしれない。
ただ、ここまでドライに言っておいて、僕は、やっぱり起業家としての夢を見てしまう。リターンは出してほしいが、それで起業家として自分のやりたいことをやってほしい。ことシード投資なんて、なにもないところからすると、ロジカルに語れることも大事だが、そういう夢も大事な要素だとは思う。合理論であればもっといいVCになったかもしれない。
終わりに
んでまあこういうことを書くと、
「お前らVCはリスク分散をしているのに起業家にそういうことを言うのか、オールインしろよ」
的なことは思われがちであり、それを全く否定しない。これに対する答えは多分俺もない。「俺たちの何十分の一の事業は、彼らにとって一分の一の事業である」というのは100%同意する。
ただ、個人としての理想論でいうとやはり何十分の一のリスク分散を、いかに自分ごとにできるかどうか、そして自分事で応援できるかというのはある。
そして、一般解としてのVCはわからないけど、TLMに投資してくれるLPの方にはVCはTLMしか投資されてない人もいる。起業家に向き合うところのみピックアップされがちなVCだけど、LPに向き合うと、彼らにとっては僕は金融商品として、VCとしては1分の1のときもある。その事実に、本気で向き合いたいと思う。
「胸に花束 手には札束 万券掴み 殴り込む明日」
ちょうどこれを書き上げるタイミングでちょうどライブDVDは終わった。2枚で4時間38分。おれ、暇かよ。今日も最後にMOROHAの宣伝。Amazonリンクはアフィにしないからnoteに還元されてほしい。ただ、MOROHA(とこれを作ってくれたエリザベス宮地さんに)ちょっとでもお金が入ったらいいなー。
おやすみなさい。
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