謎解きイベントのソロプレーについて

【前置き】この記事にネタバレは含まれていません。

1.

 昨日、タンブルウィードのルールオブルールという謎解きに通常4名で1チームとなるところを、チケットを4枚購入して1名で参加してくるという頭のおかしい挑戦をしてきた。
 サイトはこちら。当日券も若干出ているようだし、また再演も何度も行われると思いますので、もし未プレイの方がいたら是非。私は相当好きなタイプの公演。
https://www.tumbleweed.jp/rule-of-rule



そもそも、本当は年明け1月の公演時に参加を検討していたのだが、油断している内にSOLDOUT。今回の再演で、そそくさとチケットを取得したものの、チケットを入手したことを暫く忘れていた。
そういう意味では、FGOのZeppツアーのチケットを6名分購入したものは早々にコロナの影響で払い戻しになったので油断していたともいえる。

思い出してメンバーを集めることも考えたが、メンバー集めに動くことが面倒であることもさることながら、既にプレイ済みの友人に聞いてみたものを集約すると以下の回答。

・まず、ルール的に1名プレイだとプレイできない構成ではない。(一番大事)
・私(タケやす)なら一人でもクリアできる目がある。
・私(タケやす)に合いそうな公演(なので課金してがっかり。。。ということにはならなそう)

 初演で全日程全回チケット瞬殺公演だと、躊躇もするんだけど、再演だし、空き回もあるし・・・ということで、4枚のチケットを1人で使うことに決めた。この公演は、当初は6枚1チームだったようなのですが、コロナの影響で4名1チームとなったことも、当てもないのにチーム分のチケットを躊躇なく購入した。ということもある。

 会場で受付時におそるおそる「4枚チケットを持っているので、1人で挑戦したいんですけど・・・」と伝えたところ、スムーズに席まで案内してもらえたのだが、明らかにスタッフが集まって相談をし始めたところを遠目で見ながら、席で注意事項を眺めていると「この公演、これまで1名で挑戦する人がいなかったので確認なのですが・・・」とスタッフからのヒントの出す量とタイミングとすり合わせがあり。
 ああ、4年前ぐらいにスタッフのヒント出し過ぎ問題と満足度が話題になった奴か・・・とノスタルジーに浸りながら、(これから何があるかわからないので)ヒントは状況見ながら出してもらって構わないです。むしろ、ください。とお願いすることに。スタッフの中に顔見知りの方はいなかったから
 『粋がった人が一人で来て(粋がっているのは否定できないけど)、全然ステップがこなせなくて不愉快な気分になって帰ることは想像に難くないので、少しでも楽しく過ごしてもらえるようになんとかサポートしなきゃ』と思ってるのかもしれない。あー、もうざわざわさせて申し訳ない。
 という気持ちでスタート。

結果はこの通り。
https://twitter.com/ino1000tkys/status/1286223968668532736

2.

実は、先月にも同じく一人参加の謎解きを行なっている。
TMC 5Fの9rooms。
次の謎解きの開始を待たせていたというプレッシャーもあっての成功だけれど、こちらも36:07というタイムでクリアしているが、こちらは純粋にこの物量を一人で解いたことを欲しいのだけれど、そんなことはまあ謎解きを早く解いた。という普通の範囲を超えない。
ルールオブルールを一人で解いたということを通して、もう少し多次元的な気づきや要素を感じたので、アウトプットすることにした。

3.

そもそも、謎解きについては、チームの最適人数が多すぎる。
「謎解き」は経験則の積み重ねなので、謎解きをある程度やっている人であれば、身内で固めて6人といった超大人数で参加することは各自の出力に制限をかけてしまう、つまり「我慢」が発生してしまう。
 制限時間内に規定問題数を解くセンター試験と違って、終わりまでのボリュームが指定されていない(予想は出来ても)謎解きでは、「抜く」(少なくとも自分の範囲外のことはしない。何かに気が付いても自分の中だけで留めておく)のが相当難しい。
  昔、早期クリア至上主義的な時期があったものの、大変反省していて、至上主義でなくても私が謎を解いてしまうことで、一緒に参加する人が楽しくないんじゃないか。という怖さに襲われて、自分から一緒に謎解きしようというのが怖くなってしまって、(予定が読めなくて謎解きのために予定を開けておくということが困難になったのもある)「ソロ参加」して同席した人にすることに楽しんでもらうことを第一に考えて参加することが多くなった。

 ちなみに、これは、あれだけ一緒に謎解きに参加した嫁からあとから「謎解き」好きじゃない(色々な意味や状況があるにせよ)って言われたことが相当引きずっている。そりゃ、常に人間性を保てなかったこともたくさんあったたと思うよ。

4.

「6人」と「5人」、「2人」と「1人」は同じく1名少ないだけだが、比率が5/6倍になる(1名当たりの負担が1.2倍になる)のに足して1/2倍になる(1名当たりの負担が2.0倍になる)といった単位人当たりの比重差では比較できない程、異なるゲームになる。

 謎解きをするのに必要なことでよく言われている「役割分担」「情報共有」ということをよく言われているが、それは複数人数でプレイするときの前提であって、一人でプレーする場合、「役割分担」と「情報共有」は必然的に不要になる。
 また、10名の部屋系でありがちな、物量で時間を消費させて、次のステップに進むための必要条件は集まっているが残りの条件も一応解けるまで待っている。ということを許可を取ることなく躊躇なく判断できる。物流はこれでカバーできる。(もちろん、その時点で頭の使い方が余力で未解決の問題を回収するモードになるんだけど)

 私も謎解きは可能性総当たりをするタイプのプレイヤーなので、総当たりを共有しないで頭から試せるということもある。チームプレーだと、今何やってるの?という話になってしまう。

 謎解きの構造上、「複数人」でプレイするときに発生する情報の齟齬やコミュニケーションコストの裏を突く謎解きの構成もあるので、一人プレーするときにその面白さが享受できない可能性はある。
 つまり、一人プレーを行った場合、極端に難易度や満足度が低下する。ということは十分にあり得る。

 また、過去の別ブログの記事にも書いたことがあって、謎解きは参加する人によって満足度が大幅に変わるという話を書いた記憶があるのだけれど、謎解きの醍醐味としては、チームメンバーのみでしか共有できない物語や後読感というものが重要な要素だと思う。基本的には謎解きは「ネタバレ禁止」となるため、感想戦は基本的には一緒に参加した人と出なければ出来ないし、出来たとしても限定的なものになる。

 「1名」で謎解きを行うことと、「ソロ参加」して、初対面の人と一緒のチームで謎解きをすることは似ているようで対極にある。

 だから、個人戦が前提の遊園地なんかの大会場型は喜び勇んでソロで挑戦する。俺は体力(競歩のスピード)には自信があることもあり、あれは、どう考えても一人で参加した方がみんなが幸せだ。

5.

考えるより総当たり。
手を止めて考えている時間がないため、少し考えればわかるトライなんかも躊躇なくトライしに行ったことで、プレイヤーの自分もスタッフの方も普通にするより物語の世界観にマッチしたのでは?
だって、普通の世界では「団体戦」じゃなくて「1人」なんだから。
何だよ、全員で一人の人間ですって違和感のある設定。(今回の話じゃないです)

6.

結局、一人で成功したことで「流石に誉めてくれてええんやで!!」と書いたけれど、字数制限があるのでもう少しここで詳しく書くとこうなる。

(褒めてほしいこと)
・一人で挑戦しようとバカみたいなことを実現したこと
・恥をかくのを覚悟で、有言実行してちゃんと成功したこと
・各チームに先駆けた進捗率を見える化出来たことで、開始後からはスタッフの方をハラハラさせなかったこと
・適切に目と脳と出力を一人用のプレイングにアジャストできたこと
・一人ならではのスタッフの方と楽しい時間を過ごせたこと

(褒めるに値しないこと)
・4人一組想定の物量のゲームを1人で解いてクリアしたこと

(反省すべきこと)
・事前に一人で参戦するつもりであることを(南さんに)伝えておかなかったこと


7.

一人参加の甘い蜜の誘惑は、零狐春の「絶望観測デスゲエム」を常春君初め4名の製作者観測付きオプションでクリアしたところから始まってると思う。

一人プレーでクリアするというのは確かに快感ではあるが、完全に違うゲームだし、(お金の無駄遣いではあるので)やり過ぎないように気を付けないと・・・と改めて自戒。こういうことをアウトプットするとまた誘ってくれる人いなくなっちゃうんだけど、それはそれで仕方ないんだよな。。。
情報の処理能力を競いたいだけなら、センター試験の数学の過去問でも解いてりゃいいんだよな。何かしらの物語や感動を紡ぐために謎解きしてるのだから、またそういった体験が出来ること、空間を作れることを感謝して生きていきたいと思う。

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