配信1年目の自分へ:マイクを増やすと環境ノイズは増幅すること
今回のテーマは音声です。配信一年目の自分をイメージしながら、これまでの学びを伝えたいと思います。
今回は中でも、マイクが増えることによる環境ノイズへの影響についてまとめたいと思います。
思い返した時、一年目の自分は全く理解していなかったことでした。今回はその背景や対策などについて、自分の理解をまとめたいと思います。
配信1年目の自分に伝えたい
今回は配信1年目の自分に伝えたい内容として、音声についてまとめたいと思います。
イベントの配信で出演者が増え、同時に使うマイクが増えていくと、様々な対応に追われることになります。その一つが環境音ノイズへの対策です。
当時を思い返すと、自分はそのデメリットを理解していませんでした。今の時代、いい感じに処理されるものと思っていた気がします。
今回は当時の自分に伝える気持ちで、マイクが増えることと環境音のノイズの関係についてまとめたいと思います。
私の1年目のイメージ
配信を始めて何も知らなかった当時、自分が音声のミキシングに抱いていたイメージを表すと、このような図になります。
例えが4人が話しているとします。もちろん話している人のマイクからは音が入りますが、話していない人のマイクからは音が入らないイメージです。
全く入らないというと極端ですが、今の時代ならノイズ除去機能がいい感じにやってくれると思っていた気がします。
しかし実際には、話していない人のマイクからも音が入っています。
例えば会場の環境音です。空調の音や会場参加者の音が他のマイクにも入っています。また、話している人の声も遠くなりながら入りますし、手で持っていればハンドリングノイズも入ります。
よく考えれば当然のことですが、最初はその感覚もありませんでした。最終的に配信ソフトなどでノイズ除去を使うこともありますが、これは今も昔も変わらないことでした。
環境ノイズが増幅する
これは考えてみれば当たり前ですが、配信の音響操作に大きく絡んでくる重要な要素です。なぜなら、マイクが複数あると、この環境音が増幅してしまうからです。
複数の出演者がマイクを持っている場合、それぞれのマイクからは同じ環境音が入ることになります。これはミキサーでミックスされるため、ノイズが合わさり増幅することになります。
4本あると4倍という訳ではありませんが、本数が増えるほど最終音声に入るノイズは確実に増幅します。
ピンマイクだとより影響は増す
この環境音の増幅は、ピンマイクだとより影響が増しやすいです。
ピンマイクは常に口の近く固定されていて、よりピンポイントに音が取れるイメージが無いでしょうか。少なくとも、配信一年目の私はそんな誤ったイメージを持っていました。
実際には、ピンマイクとハンドマイクを比べると、ピンマイクの方が広く音をとっていて、環境ノイズもより多く・大きく入ってきます。
これは大きな要因として、ピンマイクの指向性が関わっていると理解しています。
殆どのピンマイクは「全指向性(無指向性)」で、マイクの角度や方向に関係なく音を取り込む特性があります。ハンドマイクは指向性があることが多く、範囲が狭まることで環境音も少なくなります。
また、ハンドマイクは感度の低い「ダイナミックマイク」を使うことが多いと思います。「コンデンサーマイク」のピンマイクだと、それも影響するのかなとも想像しました。
余談ですが、音を取り込みやすいピンマイクはハウリングや反響感にも繋がりやすいです。他にも服装や取り回しなど注意点も多く、実はピンマイクの運用が難しいことも、一年目の自分に伝えたいことです😅
どのように対策すれば良いか
ピンマイクに比べれば、ハンドマイクで入る環境ノイズは少ないです。しかし、ハンドマイクなら絶対に大丈夫というものでもありません。
例えば登壇者が口から遠い場所にマイクを持つと、音量を上げて対応しなければいけません。そうなると、当たり前ですがノイズが増幅していきます。また、本数が増えるほどそういったリスクや影響は増えていきます。
では、どのように増える環境ノイズへ対応すれば良いのでしょうか。シンプルに言えば、話していない時はボリュームを下げることです。ミキサーならフェーダーを下げる操作です。これでノイズを減らすことができます。
ただ、話す度に上げ下げするのも限界がありますよね。それを補助してくれる機能に「オートミキサー(オートミキシング)」があります。
オートミキサーは、複数のマイク入力がある時、ミックスした音量感が一定になるよう自動調整する機能です。話していない人の音量は下げてくれるため、ノイズの減少にも繋がります。
オートミキサーはRolandのスイッチャーにも搭載されている機種が多いです。お持ちの方は、ぜひ一度試してみてください。
またオートミキサーの効果は以前にもまとめたことがありました。ぜひ併せてご覧ください。
最後に
環境ノイズはOBSのようなソフト配信ならノイズ除去機能を使うのもありかもしれません。しかし、ハードウェア機材の配信だとノイズ除去は意外と難しい処理です。
また、今回は環境ノイズにフォーカスしましたが、この話はハウリングや反響感にも関わる内容です。ノイズ除去だけで解決しないこともあるので、前段階で対応が必要になるシーンもあるはずです。
そして、元々音周りに関わっていなかった人にとって、こういった内容の感覚はないと思います。これは自分だけでなく、同じような立場の初心者と話していても感じることです。
今回は初心者にも伝わりやすいかなと思い、環境ノイズの観点でまとめてみました。音声畑の方からすれば当然かもしれませんし、また一面的なまとめ方かもしれません。
まだまだ自分も学ぶべきことは沢山なので、気になることなどあればアドバイスいただければ嬉しいです!