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32bit Float、大声の録音を3機種で比較する 〜ZOOM F2・ RODE WIRELESS PRO・TASCAM DR-10L Pro〜

今回のテーマは32bit Floatの録音機材について。

音割れがしづらい録音方法ですが、大声で録音をしてみるとどうなるのでしょうか。

更に今回は、3つの異なる機種で違いが現れるのかを検証してみます。

検証の結果からは、機種ごとに録音品質に違いがある可能性があり、また比較した中ではRODE WIRELESS PROがより優れている可能性が見えてきました。

その検証結果を紹介させていただきます。

32bit Float録音とは

最近、録音機材に「32bit Float」という録音設定が広まっています。

32bit floatは、基本的にレベル調整をせずとも音割れの心配がない録音設定です。これは従来の24bitよりも広い範囲の音を録音できることによります。

録音データを編集ソフトなどに入れると、一見音が割れているようにも見えます。しかし、レベルを下げると音の割れていない波形が現れてくるのです。

そのため、基本的には録音レベルを気にする必要がなく、手軽に運用できるのが32bit Floatの魅力です。

個人的なイメージですが、当初はZOOM社のオーディレコーダーに積極的に搭載されていき、段々と色々なメーカーに広まってきた印象があります。

自分も「ZOOM F2」というピンマイクレコーダーを愛用しています。最近のZOOM社の製品はより一層32bit Float搭載機種が増えていますね。

最近で言うと、新製品の「LUMIX GH7」というカメラにも32bit Float録音が搭載されました。

今後はオーディオレコーダーだけでなく、カメラにも搭載が広まって行くのがトレンドになっていくのかもしれません。

引用:https://panasonic.jp/dc/products/DC-GH7/feature.html#32bit

大声マイクレベルで比較をする

この32bit Float録音については、以前にも機材を比較して検証を行ったことがありました。

この時に分かったのは、ラインレベルの音声を入れると、機種によっては音割れが起きるというものでした。

マイクレベルの機材にラインレベルで音を入れると、流石に音割れする可能性があるのは学びであり、個人的には「そりゃそうか」と納得感のあるものでした。

では、声の場合はどうなのでしょうか?

ラインレベルではなく、マイクレベルの音声でも本当に音割れの可能性はないのか。また、それは機種によっても同じなのでしょうか。

ということで、今回は3つの機種でマイクレベルの音割れリスクを比較してみます。

比較する機種

比較したのは、ピンマイクレコーダーであるこちらの3機種です。

ZOOM F2 約16,000円
RODE WIRELESS PRO 約62,000円
TASCAM DR-10L Pro 約23,000円

RODE WIRELESS PROが頭2つほど高いのですが、これはワイヤレスピンマイクであり、録音以外にも使えることがあります。

ZOOM F2とDR-10L Proにワイヤレス機能はなく、録音専用機となっています。その意味では、この2機種の方がRODE WIRELESS PROよりも品質は高いのではないかというのが、自分の予想でした。

しかし、先に結論を書くと一番品質が良かったのはRODE WIRELESS PROでした…!

どう違ったのか、検証内容を紹介していきたいと思います。

検証結果

今回の検証では、3機種で私の大声を録音してみました。

マイク部分で差が出ないように、各機種同梱のマイクではなく、「ZOOM LMF-2」というピンマイクに統一しています。

その録音がこちらです。

自宅で近所迷惑にならないかヒヤヒヤしながら、私の最大声量で録音した様子をお聞きください笑

音を聞くと、明らかにTASCAM DR-10L Proは音が割れていることが分かります。

一方で、RODE WIRELESS PROとZOOM F2は目立った音割れはないように聞こえました。

しかし、編集ソフトで音の波形を比較すると、そうではないことが分かります。

こう見ると、ZOOM F2は音の波形が滑らかではないことが分かります。

割れてないように見えて、実はリミッターのような挙動で抑えているような感じ?

一方のRODE WIRELESS PROには、特に指摘する点が見つかりません。実際の音を聴いても、一番自然な音なようにも感じました。

補足

以上の結果から、32bit Float録音とは言え、大声の録音は機種によって違いが出ることが分かりました。

そして今回比較した中では、RODE WIRELESS PROが最も品質良く録音ができるように思われます。ZOOM F2も個人的には気になりませんが、比較するとRODEの方が良いなと。

逆にTASCAM DR-10L Proは予想以上に悪い結果でした。しかし、注意が必要なのはDR-10L Proは設定を追い込んで検証はできていません。というのも、他2つに比べてDR-10L Proは設定できる項目が多いです。

ゲイン設定もでき、今回は3段階の真ん中「MID」に設定していました。もしかすると、「LOW」に設定すれば今回のような音割れは回避できた可能性があります。

そのため、ある程度参考程度に今回の結果は見ていただきたいです。


とは言え、機種によって違いが現れるのは間違いありません。

その点では、設定を気にせず本当に音割れを気にせず使える意味では、今まで以上にRODE WIRELESS PROの評価が上がった検証となりました。

これまではワイヤレスマイクの遅延の少なさを評価していたのですが、今後は録音機能も積極的に使っていきたいと思いました。

レンタルのススメ

今回検証したマイクはパンダスタジオ様より貸出支援をいただきました。

パンダスタジオさんではいずれのマイクもレンタルで提供されています。気になった機種があれば、まずはレンタルで試されてみてはいかがでしょうか。

▼RODE Wireless Pro
https://bit.ly/4ciDo6c

▼ZOOM F2
https://bit.ly/3T9xn4K

▼TASCAM DR-10LPro
https://bit.ly/3X7OCon

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ご利用の際は、ぜひこちらからご利用いただければ幸いです!

過去に書いた記事

RODE WIRELESS PROは以前にも記事を書いているので、検討中の方は併せてご覧ください。

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