ライブ配信用カメラこと「Hollyland VeniusLiv Ⅱ」を触って感じたこと
今回のテーマはHollylandの新しいカメラ「VeniusLiv Ⅱ」について。
HollyLand社が昨年からライブ配信用カメラとして新たに販売を始めたシリーズです。
今回はレンタルして触ってみたのですが、カメラとしての性能というよりも、新しい操作感・コンセプトのカメラだなぁと感じました。
中国メーカーからもカメラが出始めている中で、こういったカメラも増えていくのかもしれません。そんな新しさを感じたポイントを紹介させてください。
Hollyland VeniusLiv Ⅱとは
Hollylandの新しいライブストリーミング用のカメラです。日本では2024/8/22発売、販売価格は165,000円前後。
海外では昨年既に第一世代が発売されており、今回が第二世代にあたります。日本で発売されるのは第二世代からになります。
カメラのセンサーサイズは1/2サイズ、レンズは光学ズームで2.8倍(35mm換算22~62mm)、更にデジタルズームで2.0倍(35mm換算値62~125mm)のズームができます。
ライブ配信を主目的としたカメラですが、本体ストレージに録画することも可能です。本体ストレージまたは、SDカードのスロットを搭載しています。
手ブレ補正を搭載しているかは不明ですが、筐体は手で持ちやすい構造ではないので、三脚などに載せて使うのが前提だと思います。
率直に感じるのは、今までの一般的なカメラとは前提が色々と異なるカメラということです。
縦型をベースとしており、これからこういったカメラも増えるのかなぁ、と感じさせられます。
縦横の切り替えができる
このカメラで一番印象に残るのは、縦横がスマホのように回転で切り替わることです。
一般的な写真用・ビデオ用のカメラでは、あくまで映像は横向きだと思います。動画編集や配信のソフトで縦横を変えられますが、カメラでは横向きが基本です。
このカメラの基本は縦型に合わせて作られています。それでいて、横向きでも使えるというのうが、今風だなぁと感じました。
スマホライクな操作感
VenuisLivはAndroidをベースにした独自OSで動作しています。それもあって、操作感はスマホのようです。
アプリ的な見た目もそうですし、キーボードも非常に軽快です。これは、個人的には良い印象を覚えています。
ただ、全ての操作は設定画面からタッチパネルで調整することが前提になっています。本体には調整用のボタンなどは殆どありません。
そのため、業務用カメラなどに慣れていると、都度メニューに入って調整するのは手間を感じるポイントのようにも感じました。
とはいえ、このカメラのターゲットはそういった人々ではなく、スマホで撮影してきた人たちなのだと思います。
豊富なインターフェイス
一方で、入出力のインターフェイスは意外にも充実している印象です。
出力はHDMIとUVCが用意されています。UVCで直接出力できる当たりが今風だなぁと思います。
また、音声入力も3.5mmのマイクインに加えて、USBの入力が可能です。音声もUSBで入るのも今風だなぁと思います。
手元のRODE Wireless Proで試したところ、実際に音を入れることができました。
HDRが標準
個人的に印象的だったのは、このカメラはHDRが初期値がONになっていました。
それに紐づいて、ISOやシャッタースピードはマニュアルでは変更ができません。HDRをOFFにすると、マニュアルでも設定できるようになります。
自分の中でHDRはオプション的な存在だったので、最近は当たり前になりつつあるのかと驚きました。
直接配信の機能
VeniusLiv Ⅱには直接配信の機能が搭載されています。
YouTube、facebook、Instagram、Tiktokといったサービスへの配信が可能です。
ただ、アカウントでログインする連携ではなく、自分でRTMP配信のURLやキーを入力する方式のようです。
一応、入力画面では配信先を切り替えられますが、どのサービスも入力するのは同じでした。裏側の細かな設定などが変わっているのかもしれません。
ちなみに、配信先の情報はQRコードからスマホなどでも設定が可能でした。
この方法、Rolandのスイッチャーにも搭載されていますが、なかなか良いです。このあたりも今風だなぁと思います。
実際に使ってみた。
最後にVeniusLiv Ⅱで撮った映像サンプルを掲載します。
これは初期設定の1080p30fps 10Mbpsで撮影した動画です。HDRのオン・オフを比較してみました。
また、縦型でセルフィーな配信も行ってみました。こちらも1080p30fps 10Mbpsで配信しています。
こちらは色々な設定を試しながら行ってみました。
私はセルフィー配信な経験が浅いのであまり比較はできないのですが、大きな画面で映像を確認しながらの配信は良い体験でした。
これがスマホだと、画面を見ながらやるには内側の広角カメラになると思います。それに比べると、画角をコントロールしながら絵作りに拘って作れるのは大きなメリットなのかもしれません。
また、スマホだと有線LAN・電源・外部マイクを付けると、USB-Cハブに集中するのでリスクを感じます。それに比べると無理なく装着できて、熱暴走の怖さもないのはやはり信頼性向上につながります。
また、実際に使ってみると、HDRやビューティ設定などは「盛りやすい」と思いました。
こうやって、トーンや彩度を上げながら配信するのが、今風なのかもなぁと思わされました。
音周りの調整は少し弱い印象
音声周りはグラフィックイコライザーやリバーブが搭載されており、意外にも調整できる幅が用意されていました。
ただ、ノイズキャンセリングは違和感のある抑揚が生まれてしまい、微妙な印象を受けるものでした。あまり自然ではない印象です。
また、個人的に不満なのはレベルメーターの確認が、設定アプリでテストをしないと分からなかったことです。
しかも、これは配信や録画中には確認ができないはずなので、カメラのモニターで手軽に音声レベルが確認できないように思いました。
もしかしたらどこかの奥まった設定にあるのかもしれませんが、私は見つけられませんでした。
こういったあたりから、私の印象としては音声面はもう少し良くなると良いなと感じる面でした。
映像面は色々と良い機能があるので、それに比べると弱い印象を覚えました。
以上、Hollyland VeniusLiv Ⅱを触ってみて感じたポイントの紹介でした。
結論としては、個人的にはこのカメラが欲しいとは思いませんでした。というのも、やはり縦型が基本なところに不便を感じるところもあったからです。
本体も横向きでは床置き字に傾いてしまったり、コールドシューの位置も使いづらさを感じます。今までの横型カメラを元に考えると、不便な点が目立ちます。
ただ、これまで縦型を基準に撮ってきた人からすれば、これはより便利な存在なのかもしれません。そういった縦型の波、またSNS配信が当たり前の世界を間近に感じた機会になりました。
今後はこういったカメラも増えるのかもしれないですね。自分の感覚もアップデートしていきたいです。この学びが皆さんにとっても、ご参考になれば嬉しいです!
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今回検証に使用したHollyland VeniusLiv Ⅱはパンダスタジオ様にてレンタル支援をいただきました。
気になる方はまずレンタルで試されてみてはいかがでしょうか。
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