ATEMスイッチャーを便利にする「MixEffect」を紹介 〜使い始めて1年が経ちました〜
今回のテーマは、ATEM miniを操作するサードパーティアプリ「Mix Effect」。
これまでも何度か紹介してきましたが、使い始めてから1年が経ちました。
実践経験を重ねて理解も深まり、また新しく活用を始めた機能もあります。
今回は改めて、そんなMix Effectについて紹介をしたいと思います。
Mix Effectとは?
ATEMスイッチャーを操作できるサードパーティのiOSアプリです。
ATEM miniシリーズは、PCソフト「ATEM Software Control」から操作ができますが、あれのiPhone・iPad版と言えるアプリです。実際に触ってみると、驚くほどに機能が充実しています。
価格は買い切り¥8,000(2023/4/16時点)。ある程度お値段はしますが、Mix Effect独自の機能も搭載されており、私はお値段以上の価値があると思います。
できることの概要
Mix EffectはATEM Software Controlとほぼ同じ操作が可能です。
オーディオ、マクロ、画像、合成、配信…各機能のタブが用意されており、大体のことは操作ができます。
オーディオメーターはリアルタイムに振れて、画像も添付でき、解像度やフレームレートの動作モード変更もできます。大抵のことはできて本当にすごい。
大前提として、MixEffectはネットワーク経由でATEMと接続します。「ATEM Software Control」のようにUSBケーブルでの接続はできません。
ATEMと直接LANケーブルで繋ぐ、またはハブやルーターを経由して接続する必要があります。
もちろん、「ATEM Software Control」と同じく複数台からの同時操作も可能です。
私の使い方①:スイッチング操作
私は普段、大きく2つの用途でMixEffectを使っています。
一つはスイッチング操作です。配信中の映像スイッチングをMixEffectから行なっています。
MixEffectは操作画面のカスタマイズができ、必要なボタンだけを配置することができます。
ATEM Software Controlでは画面遷移が必要な操作も、同じ画面からワンタップで行える拡張性が便利です。
私の使い方②:SuperSource
もう一つの使い方は「SuperSouce」の活用。これがまた非常に便利なんです!
SuperSourceはATEM mini Extremeから搭載が始まった強力な合成機能です。4つの映像を合成でき、更にアップストリーム・ダウンストリームと組み合わせれば最大11の映像合成が可能です。
そんな強力なSuperSourceの弱点は設定の手間。ATEM Software Controlでは、一つずつ数値の調整が必要です。
お世辞にも直感的で分かりやすい設定とは言えません。
MixEffectはこの設計作業が簡単です。ピンチ・スワイプで直感的な設計ができ、もちろん数値での微調整もできます。
SuperSourceの独自機能
MixEffecにはSuperSourceの独自機能が他にもあります。これがまた、大変便利なので紹介させてください。
今回は私が使っている4つの機能を紹介します。
レイアウトパターン保存機能
まずはレイアウトパターンの保存機能です。
標準機能ではパターンの保存ができず、わざわざマクロを作成する必要がありました。MixEffectでパターンを作ればワンタップで切り替えが可能です。
ソース切り替え機能
更に、パターンごとに使う映像を切り替えることも可能です。
SuperSourceは4つの映像を合成しますが、標準機能ではどの映像ソースを使うかは固定です。切り替えには都度設定が必要になります。
レイアウトに合わせて自動で切り替わると、表現の幅が格段に広がります。
マクロ自動実行
映像の切り替えだけでなく、マクロの自動実行も可能です。これも中々に汎用性が高いです。
例えば、パターンに合わせてテロップや音声をON/OFFするような設定をしたことがありました。
マクロの実行タイミングも切り替え前/後の2種類があり、中々に細やかな印象です。
アニメーション機能
最後は独自アニメーションです。MixEffectを使うとSuperSourceにアニメーションを加えることができます。
これが中々に良い感じで、映像に動きを加えてくれます。乱用するとうるさくなりますが、うまく使えば強い味方になってくれます。
安定性・信頼性は?
1年ほど使ってきて、MixEffectは私の配信に不可欠な存在となりました。
私はSuperSourceを使うことが多く、事前準備の手間を省きつつ独自機能が使えるMixEffectは非常に便利な存在です。
使っていると、事前設定では動作が怪しいこともゼロではありません。ただ配信中の操作としては、きちんと実行されていて信頼性は高い印象です。
それよりも、キーになるのはネットワーク接続です。Wi-Fiでは接続が途切れることも少なくありません。確実性を求めるなら、有線での接続が安心です。
SuperSourceの独自機能は、MixEffectの接続が途切れるともちろん使えません。この辺りは、ボトルネックになるリスクを感じました。真面目に考えると、バックアップとしてもう一台あった方が安心できます。
開発者の姿勢が好印象
今の所MixEffectに感じる不安さは、先述の時たまある怪しい動作だけです。それも本番には影響がない範囲なので許容しています。
それ以上に、開発者の積極的な活動が好印象です。開発はもちろん、YouTubeやfacebookグループ、コミュニティなど様々な媒体で発信されています。
私も応援の意味も込めてサブスクのコミュニティ参加しており、そこでも質問にすぐ回答してくれました。
この辺りも含めて、これからもMixEffectを活用していきたいと思います。
今回は概要的な紹介でしたが、次は具体的な配信イメージも紹介をしたいと思います。
どうぞご期待ください。