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大切な仲間たち

私の、コロナ禍前のモンテディオ山形の現地観戦と言えば、基本的にはソロ参戦。

行くところは関東近辺のみで、パッと行って試合を観てパッと帰ってくるのが基本で、またそれを特に何とも思っていなかった。

スタグルコーナーで和気あいあいとサポーター仲間同士でお酒を飲んで楽しんでいる方々を見て、
「ああいうのも良いなぁ」
なんて思ってはいたものの、かと言って
「僕も仲間に入れてもらえませんか!!」
なんて飛び込んでいくのも不審者過ぎるし、現地観戦の醍醐味にエンターテイメント性はなく、より臨場感をもって試合を観られるツールくらいの扱い。

それが変わったのは2022年のアウェイ千葉戦。
家から比較的近いこともあり早めに行って列に並んでいると、SNSで繋がっている(であろう)方の名前が聞こえてきた。

当時はSNSでよくある「今度ご挨拶させてください!」のコミュニケーションは言葉通りの社交辞令としてしか捉えていなかったので、リアルで誰かに声をかけたりなんてことはなかった。

しかしその時初めて“その行為”をしてみた。
そしてその流れから、彼がいつも一緒に観戦している場所へと誘ってくれた。

その男こそ、アウェイであればどこでもいる、この人はアウェイのゴル裏をホームのゴル裏と勘違いしているのではないかと錯覚するような彼である。

後に、プライベートでBBQや新年会やサウナ合宿、遂に自分の家や山形の実家にまで呼び合うようになるような関係性を築く仲間たちとの出会いがの一丁目一番地が、ここ。

このサポーター仲間というのは実に居心地が良い。

仕事や親戚のような利害関係のあるような密着度ではない分気軽だし、一方で全員「モンテディオ山形」という太くて固い絆がそもそも備わっているため、基本的に”話が通じない“ということも起こらない。

これは多分お互い様で、私が年上であっても上司ではない。
だからこそフラットに付き合える。

キャラクターも年代も職業も居住地もライフワークもバラバラ。

ちょいと紹介しようか。

たまたま不幸にも互いの実家が数キロしか離れていないことが発覚したばっかりにいつも振り回されながら嫌な顔一つしない庄内の友、

岩のような肩の筋肉で、肩組みKBHの時は両サイドのサポーターを壊しかねないが、中身はとてもきめ細やかな新米パパ、

「新潟は関東」と言いながら、異常なフットワークの軽さで東京での飲み会にも駆けつけてくれる誰よりも優しい心の持ち主のナイスガイ、

最初会った時は大人しいお嬢さんのイメージからいつの間にか1人で鹿児島行きの航空券まで予約していた成長NO.1の女の子…

全員書ききるといつまでも終わらないのでこの辺にしておくが、誰がどこで、ということもなく、輪が輪を、円が円を呼び、いつの間にかいつも試合を一緒に観るメンバーが増えていった。

とは言え、私は23年までは家庭事情もあり積極的に現地遠征するほどの状況ではなく、23年までは年間10試合現地なら「かなり行った方」。
現に22年、23年のホーム参戦は「1」ずつ。

そこに来て自分の““仲間の輪”をグッと一段拡がるきっかけが出来た。

渋谷ダウンタウンの出現である。

今更他己紹介も不要だが、モンテディオ山形のOB、中山夢歩さんが経営しているBARで、渋谷のど真ん中にありながら試合日はPVとして開放してくださっている。
まさにそこは「渋谷区山形」。

最初は前述の仲間の誰か行くかな、行くなら俺も、よーし確認してみるか、くらいから、
行けばどうせ顔見知りばかりだし、そもそも夢歩さんいるから行こう、となり、
今では試合のない日にもふらっと立ち寄ってボトルキープまでしているのだから我ながら面白い。

兎にも角にも
「現地に行けない日はダウンタウン」
という強烈なスポットを手に入れた。

ユニフォームを着て渋谷に向かい、カップルだらけの道玄坂の賑わいには目もくれず、夢歩さんの「いらっしゃい!!」目がけて繁華街を突き進む。

こうして、輪が拡がっていく。
ダウンタウンで出会った仲間とスタジアムで応援したり、仲間が繋がっていた仲間は、いつの間にかNDソフトスタジアムで乾杯するような自分の仲間になっていく。

年齢を重ねていけば、友人が増えるきっかけもなくなる。
というより、高校、大学、社会人の時の友人も、徐々に疎遠になっていき、連絡も取らないままにお互いがお互いの人生を送っていく、それが普通。

そこにきて、モンテディオ山形と関わったことで、繋がったことで、この年から友人が増えていった。

都合の良いことに、会う・繋がる・関わるきっかけは、モンテディオがなくならない限り、あり続ける。
わざわざこっちが繋がり続ける理由を工面しなくても、モンテディオが存在すればそこに集まるのだから。

シーズン中はスタジアムで、ダウンタウンで、毎週のように顔を合わせていた仲間とも少々ご無沙汰になる冬。

それが多少寂しく感じるほどには大切な仲間たち。

また一緒に喜怒哀楽を共にする季節まで、あと少し。

2025年 元日に。

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