政治のドン ~新潟県の自民党に思うこと
新潟県の自民党が世間を騒がせている
自民党の泉田裕彦衆議院議員は、さきの衆議院選挙において、星野伊佐夫新潟県議から「裏金を要求された」と告発した。これに対し星野県議は、泉田議員の告発を真っ向から否定した。政治とカネの問題として、世間を賑わせている。
このニュースが分かりにくい要因は、自民党の組織構造の複雑さにあると思う。告発した側の泉田さんは、新潟県第5区支部長で、つまりは選挙区支部の人間である。一方、告発された側の星野さんは、長岡支部所属で、つまりは市町村支部の人間である。つまり、立場的には泉田さんのほうが上のはずなのだ。しかし、実力的には、長岡に強い影響力をもつ星野さんのほうが上なのであろう。
お互いの主張が真っ向から対立するいま、この事態を解決するためにより上位の人間が出てくることが求められている。双方にとって上位の組織である新潟県連は、なぜかこの問題について静観する姿勢を見せている。より上位の組織である自民党党本部はなおさら静観の姿勢を見せている。
私利私欲の政治家に期待できるか?
このニュースについて私が注目したのは、自民党地方組織の腐敗っぷりだ。星野さんら長岡支部の老人は、私利私欲にまみれて政治の本質を見失っているのではないか。
驚くべきことに、星野さんら長岡支部は、泉田さんについて「愛党精神」が欠如しているとして、第5区支部長を解任することを新潟県連に求めた。
政治とカネの問題は難しい。表金と裏金を区別することは難しいし、選挙にはさまざまな人の協力を仰がなければ勝てないのも事実だろう。しかし、お金を配ったり要求したりすることは、建前的にはアウトなのである。にも関わらず星野さんらは、告発をした泉田さんを解任することによって、臭いものにフタをして逃げおおせようとしている。
政治家は自分よりも全体を意識して仕事をしなければならない。星野さんらの行動は、はたして全体を意識しての行動だと言えるだろうか?今回のケースで、星野さんらがすべきだったことは、潔く腹を切って騒動を自民党の一部の問題として食い止めることだったろう。星野さんらの潔の悪い行動によって、政治に対する疑惑の目が他の自民党地方組織にまで向けられる事態になっている。自民党組織のことも考えられない人間が政治を牛耳っている現状、市民のための政治なんかが期待できるだろうか?次の参議院選挙における新潟県民の行動に注目したい。