多くの家庭で使われているサラダ油や菜種油がヤバいワケ
家庭でも普通に使用されるサラダ油、または同類の油を摂り過ぎた場合、体にどんな悪影響があるのでしょうか。
かなり厳しい現状と、それに対する改善策を提案します。
(記事の文末に動画を貼っています)
そもそもサラダ油とは一体何なのか
サラダ油は、菜種、大豆、ひまわりなど、JAS日本農林規格で定められた9種類の植物油のことです。
2種類以上を使っている場合は、調合サラダ油と言います。
日本で流通しているサラダ油でもっとも多いのは、大豆油と菜種油を混合した商品です。
サラダ油はn-6系(オメガ6)
油の分類をサラッと学習します。
飽和脂肪酸は、バターやラード、パーム油など、常温では固体の油です。
それ以外を不飽和脂肪酸と言いますが、不飽和脂肪酸はその構造から3つに分かれます。
上の図ではn-○系と表記されていますが、カッコ内のオメガ○系と呼ばれることの方が一般的です。
サラダ油はオメガ6です。
オメガ6には、
サラダ油、コーン油、ゴマ油、大豆油、
菜種油、ひまわり油、グレープシードオイル
などがあります。
ゴマ油はオメガ6に入っていますが、正確にはオメガ6が約半分、オメガ9が約半分です。
オメガ6だけとか、飽和脂肪酸だけという油はなくて、上の図にあるように、実際にはいろんな油の混合です。
その中のウエイトが多いものを取って、こういう分類分けをしています。
オメガ3とオメガ6はアクセルとブレーキ
サラダ油が属するオメガ6は、
血中コレステロール値を下げる
皮膚障害を予防する
など「適量は」体に必要な油です。
「適量は」という所がポイントです。
ここで重要なのは、オメガ6とオメガ3とのバランスです。
オメガ6とオメガ3は、よく車のアクセルとブレーキの関係に例えられます。
オメガ6がアクセル、オメガ3がブレーキです。
オメガ6とオメガ3の拮抗関係はこちらの表をご覧ください。
オメガ3は
アレルギーや炎症、血栓の生成を抑制して
血管の拡張に働きます。
オメガ6は
アレルギーや炎症、血栓の生成を促進させ
血管を収縮させるという真逆の働きをします。
それ以外にも、
オメガ3は
免疫力向上、ガン予防、生理が穏やかになる
うつ症状の緩和などの効果があります。
一方のオメガ6は
免疫力低下、ガンの促進、生理が不調、
うつ症状の促進などが挙げられます。
これだけでも、オメガ6に傾いたらヤバいのは容易に想像がつきます。
では、現状を見ていきます。
オメガ3とオメガ6のバランス 現状は?
オメガ3とオメガ6の理想的なバランスは、1:2だと言われています。
それに対して現状はというと、1:10以上であると考えられます。
資料によっては、1:50と書かれているものもあります。
ひどい場合は、1:100という人もいるに違いありません。
もう絶望的な数字です。
そうなる理由は、オメガ3の摂取不足とオメガ6の摂取過剰。
それしかありません。
オメガ3(魚介類)を意識して摂る
オメガ3の代表的な油は、EPAとDHAです。
魚の摂取量は、この20年余り一貫して減り続けています。
オメガ3を増やすには、貝類やイクラ、タラコを含めて、魚介類を毎日食べることです。
オメガ6をいかにして抑えるか
ここでサラダ油が出てきます。
右側、家庭での食用油をサラダ油やコーン油、大豆油、菜種油などオメガ6を避けることから始めてください。
その代わりは、オメガ9に属するオリーブオイルが適していると思います。
オリーブオイルは、オメガ3とオメガ6のバランスには影響を与えず、熱に強く酸化しにくいために、炒めものなど加熱料理に適しています。
オリーブオイルについては、2本の記事を公開しています。
サラダ油をオリーブオイルに代えることで問題が解決するかというと、まだまだです。
オメガ6の過剰摂取は、家庭での調理用油よりも、それ以外の食材や加工食品が大きな原因です。
牛肉、豚肉、鶏肉、玉子、バターにも、オメガ6はしっかりと含まれます。
家畜の餌に使われる大豆やコーンにオメガ6が多いからです。
加工商品と揚げ物がオメガ6過剰に傾ける
オメガ6超過剰摂取を引き起こしている最大の原因は、加工食品です。
あらゆる加工食品にオメガ6の油が入っています。
冷凍食品、レトルト食品、インスタント食品
カレーやシチューのルー、菓子類 etc.
挙げればキリがありません。
原材料表記に
「植物油」「加工油脂」「食用油脂」
の表記があれば、間違いなくオメガ6です。
極めつけは揚げ物です。
天ぷら、コロッケ、トンカツ、
フライドポテト、フライドチキン、
ドーナツ、スナック菓子、
インスタントラーメン etc.
すべて揚げ物です。
そこにもっとも使われる油は、オメガ6です。
その理由は単純で、価格が安いからです。
スーパーでサラダ油の値段を見れば、それは一目瞭然です。
このように、私たちの体内には知らず知らず大量のオメガ6が入り込んで、オメガ3とのバランスが1:50とか1:100になってしまいます。
とりあえず 1:4 を目指しましょう
前半で、オメガ3とオメガ6の理想的なバランスは1:2だと書きました。
が、書籍や資料によっては、1:4の表記もよく見かけます。
これは、現状を鑑みて1:2は無理だ、非現実的だと言うことです。
あくまでも理想値は1:2ですが、まずは1:4を目指しましょう。
先ほど挙げた食品を、意識して少しずつ減らす努力が大切です。
もちろん、並行して魚介類からオメガ3を摂ることも忘れないでください。
まとめ
不飽和脂肪酸3種類のうち、
サラダ油
コーン油
ゴマ油
大豆油
菜種油
ひまわり油
グレープシードオイル
はオメガ6に属します。
オメガ6の摂取が過剰になると、
アレルギーや炎症
血栓の生成促進
血管の収縮
免疫力低下
ガンの促進
生理が不調
うつ症状の促進
が起こります。
オメガ3とオメガ6の理想的なバランスは1:2です。
しかし、現状は1:10とも1:50とも言われます。
1:2に近づけるためには、オメガ3を増やしオメガ6を抑える以外にありません。
オメガ3を増やすには、魚介類を毎日食べることです。
オメガ6を抑えるには、
①家庭での食用油をオメガ9に属するオリーブオイルを使うこと
②オメガ6が多い加工食品、揚げ物を減らしていくこと
以上2つが重要です。
この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。