ビタミンB1不足の重大リスクとお薦めサプリ
ビタミンB1はエネルギー代謝の
キーポイントとなる栄養素であり、
さらに中枢神経系や末梢神経系の
機能維持を司る重要な栄養素です。
ビタミンB1が不足すると、健康面で
大きくリスクを背負うことになります。
この記事では
ビタミンB1の役割
ビタミンB1の欠乏症
ビタミンB1の必要摂取量
ビタミンB1を含む食べ物
ビタミンB1を浪費する要因
ビタミンB1のお薦めサプリ
以上6点について解説します。
ビタミンB1の役割
冒頭でも記した通り、エネルギー代謝に関わりますが、ビタミンB1はその中でも糖質(炭水化物)のエネルギー代謝の重要な箇所で働きます。
糖質のエネルギー代謝は、(上図)ザックリ見ると
解糖系➡️TCA回路➡️電子伝達系
の3つの経路があります。
ビタミンB1は、解糖系からTCA回路に入る箇所、(下図)解糖系の最後
ピルビン酸をTCA回路の最初アセチルCoAに変換する場面で補酵素として働きます。
ここでビタミンB1が不足していると、
ピルビン酸からアセチルCoAに変換できず
行き場を失ったピルビン酸が乳酸に変わります。
乳酸は酸性物質であることから、蓄積すると筋肉がパンパンに硬くなって、肩凝りや全身の疲労感につながります。
もっとも糖質のエネルギー代謝に関わるのは、ビタミンB1以外にも、
ビタミンB群残り7つ、マグネシウム、
鉄、コエンザイムQ10などさまざまです。
が、その多くは解糖系の次のTCA回路で働きます。
つまり、TCA回路に入れなければ、それらの栄養素も出番が回ってきません。
その意味でもビタミンB1の役割が重要になります。
ビタミンB1の欠乏症
よく知られているのが脚気です。
脚気になると、まずは
イライラ、倦怠感、食欲低下
などの症状が現れます。
そのあと末梢神経や中枢神経に異常が生じて、手や足の先に
痛みやしびれが出るようになります。
さらに進行すると、筋力が衰え感覚障害が出て歩行が不自由になります。
同時に(エネルギー代謝が滞るので)心臓機能が低下して、
心拍数の増加、手足のむくみ、胸水が溜まるなどの症状が現れます。
ビタミンB1欠乏の症状が脳で起こると、ウェルニッケ脳症の可能性があります。ウェルニッケ脳症は、脳の奥の方の部位に微小な出血が起こります。
それにより意識障害や記憶障害、あるいは失調性歩行(ふらつき)などが現れます。
ビタミンB1の必要摂取量
厚生労働省が示す推奨量は
1日 1、1〜1、5mgです。
この摂取量は、欠乏症を予防するための最低限の量です。
この量を満たす食べ物は・・・
ビタミンB1が含まれる食べ物
上の図を見ると、
ウナギ、小麦胚芽、落花生など、あまり日常的ではないものが目立ちます。
ご飯が玄米食であれば楽にクリアできますが、
玄米は私は推奨しないことを、下の記事で解説しました。
となると、豚肉がポイントになるのではないかと思います。
牛肉が好きで牛肉ばかり食べている人がいますが、豚肉の方があらゆるレシピで使えてビタミンB1が摂れます。
このように、現代でも食べ物に偏りがあれば、ビタミンB1不足になる可能性があります。
ビタミンB1を体内で浪費する要因
一つは暑さ、この夏の猛暑。
ビタミンB1は水溶性なので、汗を大量に出すと、それと一緒にビタミンB1も排出されます。
お酒の飲み過ぎも油断大敵です。
アルコールを代謝するためにビタミンB1が消費されるからです。
アルコールだけではなく、
糖質たっぷり、砂糖たっぷりの食べ物、飲み物も、その無駄に摂った糖質を代謝するためにビタミンB1を浪費します。
とくに、スポーツドリンクや冷たい清涼飲料水、スイーツ類、アイスクリームには大量の砂糖が含まれますので要注意です。
ただでさえビタミンB1不足の人にこれらの要因が重なると、いよいよビタミンB1欠乏の可能性が出てきます。
その先にあるのが脚気などの欠乏症です。
ビタミンB1のサプリ
それを避けるために、まずは食事から摂ることが先ですが、不足分はサプリで補充します。
ビタミンB1をサプリで摂取するポイントは、まずはマルチビタミンから摂ることです。
私が飲んでいる
Life Extension[TwoPerDay]
または同じ内容の
CaliforniaGold Nutrition[Two A Day]
この2つには、
1日当り75mgのビタミンB1が含まれています。
通常の予防レベルであれば、これで十分です。
が、ひどい倦怠感など症状が現れている時は、プラスαが必要です。
ビタミンB1サプリは、とくに選ぶポイントはありませんが、かなりこだわる人にはお薦め商品があります。
BenfotiamineとはビタミンB1誘導体という意味。
チアミンはビタミンB1の化学名。
Benfotiamineは脂溶性のビタミンB1です。
Benfotiamineは水溶性のビタミンB1よりも吸収率がよく、吸収したあとの血中濃度も長く維持できます。
水溶性の場合、ビタミンB1を大量に摂っても、その血中濃度が高くなるのは大体3〜4時間です。
それに対して脂溶性のBenfotiamineは、8〜10時間くらい血中濃度を維持できます。
1日に何回もサプリを飲んでいられない人は、
Benfotiamineを朝に飲んで、さらに夜もう一回飲めば、概ね1日中ビタミンB1濃度が高い状態を維持できます。
Benfotiamineは、
Life Extension
CaliforniaGold Nutrition
DoctorsBest
SourceNatural
など各メーカーから販売されています。
[補足]
ビタミンB1を体内で活性化させる栄養素があります。
マグネシウムです。
ビタミンB1(チアミン)が活性型のチアミン2リン酸に変換されるためには、補酵素(捕因子)としてマグネシウムが必要です。
ちなみに、B1と並んでビタミンB群の中でも大切なビタミンB6がありますが、このビタミンB6を活性化させるのは、亜鉛です。
マグネシウムと亜鉛は超重要なミネラルだと、このnoteでは度々強調していますが、ここでもマグネシウムと亜鉛が大事な場面で顔を出しています
まとめ
ビタミンB1の主な役割は、
糖質のエネルギー代謝、および
中枢神経系や末梢神経系の機能維持です。
ビタミンB1の欠乏症は脚気、
脳で起こるとウェルニッケ脳症があります。
ビタミンB1の必要摂取量は、厚生労働省の推奨量では
1日当たり1、1〜1、5mgです。
ビタミンB1を含む食べ物は、
豚肉、玄米、うなぎ、小麦胚芽、
たらこ、昆布、枝豆など。
ビタミンB1を浪費する要因は、
暑さ猛暑による発汗、または
アルコールや糖質たっぷり、砂糖
たっぷりの食べ物、飲み物です。
ビタミンB1のお薦めサプリは
吸収率と血中濃度維持に優れた、
脂溶性のBenfotiamineです。
ビタミンB1を活性化させる
マグネシウムの摂取も重要です。
この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。