特集「あれは怖かった!」――高橋照美の「小人閑居」(53)
高橋照美(以下、照)投稿中の物語、一発勝負でいきなり書いてんだよね。どうですか。僕はいい調子で飛ばしてるなー、と思うけど。
嶺生四郎(以下、四)はあ。
照 「はい」じゃなくて「はあ」とは。本人「いい調子じゃなーい」と思ってるわけね。
四 全力投球はできとる。まるで、山ン中を何かから逃げながら走っとるような。ぜえぜえはあはあして。
照 そんなんなってんの!? ええと。気分転換に、「本でみたアレ、小さいころ怖かったよ特集」。
ちなみにこれは、茉莉花堂さんの「冒頭からザセツしたお役立ちマンガ」からヒントを頂いてます。
四 怖いやつ? 気分転換になる?
照 いやなんないかも(笑) まず僕が怖くて、写真の出てるページを指で触れなかったのが、甕棺墓の屈葬の骨。指で触れなくてページ開けないの。
※冒頭の写真は、夢に出ないように骨のみえないやつです(爆)
四 骨いややね。俺、児童書の怪談モノ全滅。トイレの花子さんとか全部。
照 えー四郎怖いの平気そうじゃん。
四 無理。お化けも骸骨も無理。
照 よくあんなキャラ設定耐えられるな!
四 自分的に限界っぽい設定に挑んでみました。
照 同情できない。
四 俺小学校四年のとき『楢山節考』うっかり読んでまってさあ。怖かった。
照 やばいと思ったら、読むのやめりゃいいじゃん!
四 いや、親父が常々、「始めたことは途中でやめるな」言わっせるもんで。当時、真に受けて。というか今も無意識にぶっこまれたまんまかもしれん。お前のいう「埋没費用(サンクコスト)」「損切り」の考え方にあまりにもなじめん。
照 あわれな。
四 六年でうっかり『肉体の門』読んでまって、それも。
照 お前のうっかり読んで系は同情できないな! しかも「怖かった」外れてる。
四 ごめん脱線した。ある意味おののいたけど。
あれ怖かったなー、ミイラの写真。エジプトのと、インカのと、楼蘭(ろうらん)のと、第三永久屍と……あと別の本で、「カトリックの聖遺物箱の中身」がこわかったー。世の中怖いもんばっかや! てって思ったー。
照 マニアックなのばっか読んだんだねー。小学生でしょ?
四 あれもうっかり手にとって、親父の言いつけをうっかり真に受けて……
照 味わわなくてもいい恐怖を味わったと。
四 他人の言いなりになる人生は返上しようと思います。
照 気分転換になってんのかな!
四 どうやろ……
照 今夜、夢に出ないといいです。
四 いややん夢に出そうやん。
照 トイレついてってあげるよ。
四 やめて!