デザイン調べ_2 : KIRIN_世界のKitchenから/アートディレクター_福岡南央子氏
当noteは様々なプロダクト/サイト/サービス etc の中で見えてくるデザイン仕事を調べ、「デザイン」って何なのか を考察しよう、という内容です。
今回は第2回目となりますが、前回調べた「世界のキッチンから」を引き続き考察します。
俯瞰的にコンセプト/考え方を調べた前回の内容より、今回は細部に寄ってラベルデザインの要素を検証します。
(サイトデザインの考察は次回に、また、当商品考察は次回で終了予定です。)
2017年5月2日にリニューアルし、またパウチ・圧縮タイプも5月16日にリニューアルとなった「キリン 世界のKitchenから ソルティライチ」のラベルデザインを見ていきます。白色を背景に浮かぶ紺色〜水色の装飾が爽やかです。
リニューアル前のラベルデザインと比べると要素がスッキリとしてより爽やかな印象を受けます。
塩を使用している商品だと認知されてくると、前ラベルデザインの塩のイラストは蛇足となるのかもしれません。
使用しているフォントを調べたのですが、私の力不足により発見出来ませんでした。
「沖縄海塩ひとつまみ」「タイ・チェンマイの知恵から」の部分のフォントは「丸明オールド(砧書体制作所)」に「すずむし(モリサワ)」っぽいユニークさを加えたような、可読性がありながら、手書き感のある筆跡で柔らかく印象的なフォントです。
(どなたかご存知の方いらっしゃったら是非教えていただけないでしょうか…?)
真ん中の大きな「ソルティライチ」の部分は、多分ですが、字形が「丸フォーク」に似ているので、このフォントに楷書の様な筆跡の形をデザインしたものなのではないかと推察されます。
一応、以下に再現してみました。
視点を変えて、背景枠のひし形が連なっているような紺色〜水色のモチーフについてですが、こちらはどうやらタイ・チェンマイの寺院/仏塔の装飾をパターン化して表現したデザインかと思われます。
単純化させたり、目に涼しい色に仕上げたりしつつも、取材地域の個性/形を活かしたデザインになるようにしているのかもしれません。
また、フォントにおいてもカチッと決め過ぎない/堅くなりすぎない/親しみのもてるような処理をし、商品の雰囲気を演出していることが読み取れました。
という訳で、「単純に見える細部には意図がある」というのを、今回のデザイン調べの教訓とさせていただき、次回「世界のキッチンから_サイトデザイン編」も是非、ということでどうぞよろしくお願い致します。
お読みいただきありがとうございました。
以下参照/引用元-----------------------------------------------------------------