【勝因】『主導権を掌握する疑似カウンター』~プレミア・リーグ第31節チェルシーVS~

試合結果

2022-23 プレミア・リーグ 第31節
4/15 23:00K.O. @スタンフォード・ブリッジ
チェルシー(1-2)ブライトン
13分 コナー・キャラガー
42分 ダニー・ウェルベック
69分 フリオ・エンシソ

スタメン

チェルシーのプレスを上回ったブライトンの疑似カウンター

プレミア・リーグ第31節。フランク・ランパード暫定監督の初陣を白星で飾れなかったチェルシーはリーグ戦4試合未勝利の中で、今節こそ本拠地で勝利をつかみたい。対する、ブライトンは勝点46の暫定7位と、欧州コンペティションへの出場権を狙える位置に付けている。一つでも順位を上げるべく、敵地でも勝利を目指した。

青く染まったスタジアムでキックオフを迎えると、大声援を受けたホームチームが前線からのプレスを仕掛けていく。ラヒーム・スターリングとコナー・キャラガーがCBに、デニス・ザカリアとエンソ・フェルナンデスがダブルボランチにマンマークする形で、ブライトンのビルドアップに圧力を加えた。

一方のブライトンは、ボランチのパスカル・グロースとモイセス・カイセドが激しいマークに遭いながらも、臆することなくCBの近くで縦パスを引き取る。奪ったらすぐにショートカウンターを繰り出されて失点するリスクもある中で、チェルシーのボランチをあえて食いつかせる勢いで、CBとダブルボランチで細かくパスをつないでいった。

ブライトンがチェルシーのプレスを難なく剥がしてゴールに向かっていくシーンを作るも、枠を捉えることができないでいると、チェルシーが少ないチャンスを仕留めた。

13分、ピッチ中央で縦パスを引き出したミハイロ・ムドリクがドリブルで一気に駆け上がり、PA手前中央まで進入すると、右前方にボールを送る。後方から走り込んできたキャラガーが右足を振り抜くと、シュートはDFに当たってゴールに吸い込まれた。

先制を許したブライトンだったが、その後も洗練されたビルドアップでチェルシーのプレスを剥がしていき、ゴール前に迫っていく。チェルシーが迫力を出してプレスを掛けてきても、ブライトンのビルドアップ部隊(CBとダブルボランチ)は引き続き冷静にパス交換を行う。自陣中央でパスを出し入れしながら、CFのエヴァー・ファーガソンも斜めに下りることで相手を前におびき出すと、GKロベルト・サンチェスから三笘薫へのロングキック一発でひっくり返して一気にチャンスを作り出すシーンも意図的に作り出していく。

ゴールに向かうことがちゃんと目的になっているブライトンのビルドアップが、前後左右に相手を揺さぶることで完全に主導権を握った。チェルシーは変幻自在なブライトンの展開についていくことが精いっぱいだった。

すると、42分にGKサンチェスから三笘へのロングキックで一気にゴール前に進入すると、最後は負傷交代によって右SBに回ったパスカル・グロースが右サイドから上げたクロスをダニー・ウェルベックが頭で合わせて同点に追いついた。

1-1で迎えた後半もブライトンがビルドアップでペースを握る。チェルシーが57分に4選手を同時に投入して個人の打開力でカウンターからチャンスを作るも、得点にはならず。69分にブライトンが敵陣左サイドで即時奪回を仕掛けると、途中出場のフリオ・エンシソがPA外から右足を振り抜く。ゴール前で伸びる強烈なシュートをネットに突き刺して勝負あり。

ブライトンが敵地で2試合ぶりの勝利を飾り、チェルシーはランパード体制の2戦目で連敗し、リーグ戦5試合未勝利となった。

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難波拓未|サッカーライター
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