白井永地~無尽蔵のスタミナでファジアーノ岡山にさらなる連動をもたらす~
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水戸ホーリーホックからファジアーノ岡山に加入したMF白井永地。彼はどんな選手なのか、何を岡山にもたらすのか。
基本プロフィール
選手名 白井永地(しらい えいじ)
生年月日 1995年9月26日
出身 千葉県千葉市
身長 176㎝
体重 66㎏
利き足 右
ポジション DMF、CMF、RMF
チームキャリア
ユース経歴
実籾マリンスターズ
柏レイソルU-15
柏レイソルU-18(柏日体高等学校)
プロ経歴
水戸ホーリーホック 2014年~2019年
ファジアーノ岡山 2020年~
2ゴールから見るダイナミックな飛び出し
2019シーズンに白井が挙げたゴールは2つ。ゴールを決めたのは、第21節のツエーゲン金沢戦と第22節のV・ファーレン長崎戦だ。この2試合で決めたゴールを分析することで、白井のプレーの特徴を解明していく。
2つのゴールから見る特長はバイタルエリアへの飛び出しだ。サイドハーフがドリブルで縦に運ぶと、相手DFは自陣ゴール方向へ下がりながら守備をしなくてはならない。そして、DFラインと中盤の間にスペースが生まれる。ドリブルをしている選手に遅れることなく、ゴール前に生まれたスペースへ走り込むことで得点を奪うことができた。
白井の縦に突き抜けるダイナミックな飛び出しは岡山でも攻撃のオプションのひとつになり得るだろう。今季はMF仲間隼斗(柏レイソルに移籍が決定)が左サイドを単独突破し、ゴール前まで持ち運ぶシーンが多かった。その時、並走しついていく選手は少なく、人数をかけた厚みのある攻撃を展開できなかった。仲間が退団した来季はどのようなシステムで戦うのか未知数だが、FC琉球から加入するMF上門知樹が仲間と同じ役割を担うことができる後釜の筆頭格ではないかと思う。琉球時代も左サイドからのドリブル突破を見せていたことから、白井が得意とするバイタルエリアに飛び出してシュートを狙うというパターンを見ることができそうだ。
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(図)第22節V・ファーレン長崎戦のゴール
データで比較・考察
2019シーズンの活躍をJリーグ公式のデータを基に、見ていこう。
![白井永地 2019](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17434561/picture_pc_7f1433a7bf85187550d650f6cd982c4f.jpg?width=1200)
まずは、プレーエリアについて。1試合平均敵陣パス数が1試合平均自陣パス数を上回っていることから、前述のように相手ゴール方向への飛び出しなどダイナミックさを伺える。また、DFラインに下がり、ビルドアップに積極的に関与するタイプではないと推測できる。
1試合平均シュート数が1.3ということは出場すると必ずシュートを1本は撃つということが言える。中盤の選手がフィニッシャーになることができれば、攻撃に深みが出てくるのではないか。FWが裏に抜ける動きをすることで、相手DFラインを押し下げる。FWのフリーランで生まれたライン間をボランチの白井が使うという新しい攻撃のオプションになるかもしれない。
白井のデータを岡山のボランチでプレーした選手と比較していく。比較対象はMF上田康太、MF喜山康平、MF武田将平(ヴァンフォーレ甲府に期限付き移籍が決定)。
![2019 ファジアーノ岡山 ボランチ データ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17433809/picture_pc_051b9783931ea96d49e719b7e702f95c.jpg?width=1200)
白井以外の選手は全員左利きだ。左利きの2人がボランチでコンビを組むので、どうしても左回りでボールが動くことが多くなってしまっていた。右利きの白井の加入により、パスの循環や相手のプレスのかけ方、パスコースの切り方などに来季は岡山にとって良い意味で影響をもたらすのではないか。
1試合平均チャンスクリエイト数も上田に続いて2番目の数字を残していることから、ぼんやりと持っていた「守備の人」というイメージは払しょくされるはずだ。
被ファウル数ではトップの数字を記録。敵陣で白井がファウルを受け、岡山が得意とするセットプレーの機会が増えると総得点も増加できるに違いない。
出場試合数は40試合、出場時間は3217分とダントツの数字で継続的に試合に出場できるケガをしないタフさと、フルタイム出場が28試合で試合終盤になっても交代しないでよい無尽蔵のスタミナを兼ね備えていることがわかる。
終わりに
惜しくもプレーオフ進出まであと一歩だった7位の水戸ホーリーホックから主力で活躍していた選手の引き抜きに成功したことは大きい。主力を引き抜かれる立場にあった岡山だったが、来季に向けての補強では立ち回り方に良い変化が見えた。左利きばかりだったボランチに右利きの選手を、ボランチからコンバートされ戦術理解度の高さと豊富なスタミナを生かして右サイドハーフで”バランサー”の役割を担っていたMF関戸健二の代役にもなれる選手の獲得は怪我人が続出した岡山に厚みをもたらすはずだ。
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