映画:ゾディアック
March 1, 2024
Zodiac (2007)/ゾディアック
金曜日の夜、旦那とどんな映画を観ようかと、ネットで探していて、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジがジャケットだったZODICACが目に入った。監督はデヴィッド・フィンチャーということで間違いないだろうと見ることに。
実話を元にしたストーリーとのこと。
未解決事件をテーマにしているため、殺人シーンなどに注力しているわけではないにも関わらず、犯人の不気味さにものすごい怖い感じがした。実際に殺人が確認されたのは5人で、生き残った人も多数。その結果、証言が取れるにも関わらず、犯人が捕まらない。
もちろん時代が時代であるため、今のように迅速な情報共有ができなかったり、データを簡単に送ったりできないため、とにかく情報の共有のミスだったりが多い。それに加え、同じカリフォルニア内でも管轄が違うと(これは日本もそうなのかもしれないが)、全くもって互いの状況がわからない。
主人公は新聞の記事に添える漫画を書いているのだが、実際に、この犯人についての捜査の本を出版したようだ。ただ、元々は、この事件をずっと諦めず追っていた、自分の同僚ポールに本を書いたらと勧めていた。自分自身も「だれも他にやらないから」といことで、事件が風化しようと、世間が忘れようと、離婚する結果になろうと、何年も追い続けた。
映画自体は面白かった。史実として未解決事件なので、エンディングで犯人が捕まるといった完全解決になるわけでも、「セブン」のように追い詰めて行くと同時にじつがターゲットとされている主人公も崩壊していくといった捻りがあるわけでもはい。それでも、刑事でも記者でもない主人公が事件を解決しようとしたり、ヒヤッとするところまで足を踏み込むシーンはさすが、という感じ。
情報が現在のように瞬時に正確に伝わらないことで、さまざまな見逃し、ミスが起こるところも描かれていて、未解決事件はそういうところから生じてしまうのだと感じた。とはいえ、現在の技術だと、DNA鑑定一つとっても、感度も正確さも大きく違うだろう。防犯カメラなんかもあるし。
観ていて危ういと感じるのが、事件解明にのめり込んでいく主人公の、犯人を決めつけようとする描写。のめり込めばのめり込むほど、自分の仮説に執着してしまう。とうのは、研究者でもあること。やはり、捜査を客観的に見るためにも、複数の目をもつということは大切だと全く違う話を考えてしまった。
映画の途中で一人の犯人説が挙がるが、警察は追い詰めることができなかった。主人公だけが、捜査打ち切り後も、状況証拠を集め、私たちに犯人は誰かを訴えかけて終わる。解決かと思いきや、映画の最後に、後日談として実際はDNA鑑定から犯人でないということとなり、またその人も死んでしまい、もう自供させることもできない。正真正銘の迷宮入りとなってしまった。
少し長めではあるが、スリラーとしてはのめり込むことができるストーリー展開だった。解決しないというところで、完全にスッキリはしないが、それも事実ということで納得。
(終わり)
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