オメでたい頭でなにより(バンド)のオメでたい頭でなにより2(アルバム)リリースに寄せて
皆さん心と体は元気ですか。成人の方はほどほどに飲酒してますか。様々な形でお仕事している方、お疲れさまです。学生の方は登校できずに自宅で課題などを進めているのでしょうか。お友達にも会いたいですよね。このご時世、うちに、内に、家に、という状態なのでアウトプットが必要。
今回、自分の好きなバンドがアルバムリリースというタイミングだったので、せっかくだから色々と書き連ねたいと思います。
「オメでたい頭でなにより」というバンド(以下、オメでた)について。
活動当初から、応援しているバンドのために自分ができることは何だろうと考えて行ったのはブログやライブレポなど、言葉で彼らを知ってもらうということでした。今はアルバムリリースのタイミングですが店舗回りもできない異例の事態。ラジオ出演やインタビュー公開、タイアップ決定というお知らせはありますが、きっと本来であればもっともっとたくさんの形で知ってもらえる機会があったんだろうな。
2月からワンマンツアーが始まり、2公演実施したところで残りの公演はすべて延期が発表されました。きっと今回リリースされた新曲達もツアー中に少しずつ解禁してライブで育って、晴れて音源が放たれるはずだったと思うんです。私は新曲初解禁がライブ、というスタイルが大好きで。音源で聴き込みたいというのもあるけれど、ライブで聴いたときの印象ってものすごくインパクトが強烈でずっと記憶に残るから。その場でしか聴けない音と声と熱量といいましょうか。それが今回できなかったのは本当に残念ではありますが、ネガティブなことをそのままにせずポジティブに変換してくれるバンドなので、自分も原点回帰。頼まれなくても勝手にプロモーター気分です。メンバーがそれぞれ自分の担当パートを名乗るように、我々は「オメでたい頭でなにより(Flo.)←フロア担当だったり、(Pro.)←プロモーター担当だったりするわけです。学生の頃好きだったアーティストが、「ファンのみんなもメンバーだ」と話してくれていました。ファンも自分も「メンバー」だという自覚が芽生え、各々勝手にプロモーションを始めるんですよね。それがとても楽しくて、一緒に作り上げていく感覚。オメでたも「ファンも含めてメンバーである」と良く話してくれるので、そのときの感覚が蘇るようでした。自分にできる方法で好きなものを広める。何でもいいと思うんです。友達に好きな音楽を聴いてもらったり、ライブに誘ったり、とにかく「好き」になるためのキッカケはいろんなところに転がっているので何がキッカケになるか解らない。一人でも多くの人に知ってもらいたい、誰かのキッカケの一つになれたら、という思い一つです。
さて今回リリースされたオメでたい頭でなにより(バンド)の「オメでたい頭でなにより2」というアルバムですが、楽曲についてはご本人の言葉を聞いてほしいのでインタビューや配信などでご確認ください。公式に情報が潤沢に掲載されているので、誤解なく届くように、お時間がありましたら是非そちらをチェックしてみてほしいです。ここでは私の個人的な印象や感じたことを書きます。
【頑張っていきまっしょい】
頑張れという言葉が辛い、言葉なんか何も解決しないという声を多く目にしたのは2011年。その頃から赤飯さんが話してくれてたと思うけど、「上手くいくように願ってる、祈ってる」という意味での「頑張れ」。向き合う対象は時代ごとに変わるけれど、その都度「こんなところで負けてたまるか」精神でプラスにアウトプットしてきてくれたバンドの、決意表明のような印象を受けました。イントロも間奏もアウトロもギターがエグエグのエグ。音色としては少ない分、言葉やメッセージがどストレートに伝わる。
この曲は楽曲制作に赤飯さんがメインで関わったそうで、今まではある意味お任せ、ある意味無関心だったとインタビューで話していたけれど、それはメンバーへの信頼の表れだと思うのです。これはオメでたの他の曲でもそうだけど、ぽにきがコーラスだけではなくツインボーカル並みに歌うようになったり、ラップだけではなくきちんとボーカルを支えてくれて「ギターボーカル」であることを常に見せてくれるようになったのも大きい。安心して背中預けられるって、バンドである醍醐味だと感じているのでそういうのもっとください。パートごとに完全分離というバンドもあると思うけど、自分のパート以外にも意見を反映できて、それを制作側がGO出してくれる環境っていうのが素晴らしいなと。「これやりたい」ってなっても「いや、それはないでしょ」で終わっちゃうこともあるじゃないですか。もちろんいきすぎたものはメンバーやスタッフさんがストップかけてくれると思うので安心してますがwその辺のバランスが柔軟で、臨機応変に動けるのはバンドの強みじゃないかなーって今回改めて感じました。
この曲では今までの活動で繋がった縁のあるアーティストの皆さんがコーラスで参加してくださったというのも、熱いものがありますね。その場限りの縁だったらここまでこれないでしょ。お互いさま精神というか、持ちつ持たれつというか、お互いに手を差し伸べられる関係性って素敵。
【今いくね】
待ってましたインスト!!インストガチ勢ですどうも!個人的に、アルバムの頭と最後にインストが入ってるの大好きなんです。導入と余韻。これライブでもとても大事だと思っていて、私はツアー初日の松阪で聴いたけど、このインストがライブのオープニングを飾るんです。メンバーそれぞれの見せ場をガッツリ聴かせてくれる。ドラム、ベース、ギター、ボーカル、そしてフロアへ、まるで架け橋のように。フェスでもそうだけど本編に繋ぐインストって登場するときに「このバンドこんな感じなのか!」ってガッツリ高めてくれる導入の役割だと思うので、そこで掴めるかどうかでそのバンドの印象が決まると言っても過言ではないと思うんです。音もなくぬるっと出てきてストイックに演奏するバンドもあると思うんだけど、私はこの「これからやったるで」が見えるインストをこれからも聴き続けたい(大声)!
インスト流れで書くと、当時はオメでたという名前ではなかったけど「FREE MOSH LICENSE」というアルバムに入っている「準備運動のテーマ」や、オメでたになってからは「オメでたい後光が射すとき」(これは「ふわっふー」という曲のラスサビ前にもフレーズが差し込まれています。泣きます)、「生霊の盆踊り」という既存曲を「オメコレクション」というまとめ盤に収録する際に新録されたイントロ部分(通称:スカシ→オメでたなのにかっこよくスカシてるからという理由でこの呼び方になったようです)、これほんっとに大好きでまさにこのアレンジはライブで初聴きだったんですがそれがもうとてもとてもかっこよくて…!イントロで尺を使ってしまうのでワンマン以外ではなかなか聴けなくなっちゃったんですが(そもそも生霊自体最近やってない)、是非ともまた聴けますように…。あとは音源化されていないけどライブで「えんがちょ!」という曲をやる前にも、生霊のスカシ同様めちゃくちゃかっこいいセッションが入るんですよ!あとは「ザ・レジスタンス」という曲前にも、その曲のフレーズをモチーフにした登場SEがあったり。
生霊の盆踊りMV
えんがちょ!MV
ザ・レジスタンスMV
メンバーそれぞれの見せ場があって、ライブが始まる瞬間の感情の高まりを誘導してくれるインストが!私は大好きです!是非何らかの形で今までのインスト集を音源化していただきたい…!324さんは、そんなに時間かけて作ったものじゃないから申し訳ないって良く話してくれるけど需要ありまくりですから!届けこの声…!
【踊る世間もええじゃないか】
「今いくね」からの神繋ぎ…!ここホント最高、鳥肌。アルバムを一度取り込んじゃうとシャッフルで聴いてしまうことがほとんどなんですが、ここは絶対この流れで聴いてほしい。赤飯さんのこの歌い方、とても「らしさ」を感じて好き。赤飯さん個人で活動していた頃から和を感じる曲を得意としていたと思うのですが、オメでたの楽曲ではその節回しがとても活きていて、特にこの曲はそれを強く感じます。当時を知っている人は少し懐かしさも感じるのではないでしょうか。でも「~っぽいね」で終わらず、ちゃんと今を感じる。
コール&レスポンスもあり、言わずもがなライブ映えする曲。受けた印象としては、バンド名から感じるネタ要素だけではなくメンバーそれぞれが今まで通ってきた道、音楽を続ける中で受けてきた陽だけではない気持ち、それを経て今、踊らにゃ損損という流れがちょっと涙腺にきます。オメでたの楽曲はネタに振り切れているものも多数ありますが、それができるのは場数を踏んできた演奏力と歌唱力があるからこそだと思うので、オメでたの強みであるその要素の「かっこいい方」が見える曲。あとはラストの心地良いボーカルのロングトーンに絡みついてくるギター!最幸!駆け上がれギター!駆け抜けろギター!
【乾杯トゥモロー】
ただある言葉を言いたいだけの曲に聴こえがちですが、ただ言いたいだけだと思う(?)。ライブではホントに言っちゃう曲。フェスだとモッシュ禁止も多いから、輪を作ってみんなで安全にゆっくり集まって乾杯するというパフォーマンスを提案してくれた、オメでたらしい思いやりの提示も印象的。
この曲は当初輪の周りから見てるだけだったんですが、実際に輪に入って親指立てて乾杯するともっともっと楽しめることを実感しました。隙があったら是非輪に入ってください。以前「さくらんぼ」カバーをライブでやっていたときにサークルグルグルするパートで私はそこには怖くて入れなかったけど、その周りでハイタッチで参加するという方法を見つけてから更に楽しくなったのを覚えています。自分なりの楽しみ方を見つけられるように様々な視点を教えてもらえる場所です。あとは、ライブで知り合った友達とライブ以外でも飲みに行けるようになったのもバンドが繋いでくれた縁なんですよね。そういうのを思い返すと謎の感動が生まれます。cin cin言うてますけども。あ、乾杯の曲なんです。
【God luck-運神-】
これもある言葉を言いたいだけ、と思いきやヘイトがガッツリ。ぽにき作詞で、熱さがストレートに盛り込まれてると思います。伝聞ではなく自分が経験して自分が思ったことを自分の言葉でぶつけてくれていると思うから清々しい。オメでたは基本的にオメでたいことしか表現しないというスタンスでしたが、近年は根っこにあるヘイトも表現してくれるので私はそれ嬉しいなーと思ってます。赤飯さんがオメでたで活動する前は、赤飯さんの作詞曲はもうヘイトの極みだったので重たくて胃もたれしてしまうと良く言われていましたね…w でもそれが当時の赤飯さんが感じていた気持ちの消化の仕方だったと思うのです。オメでたになってからはあえてそういうヘイト部分を出さないようにしていたけど、決してそういう思いがなくなったわけじゃなく、アウトプットの仕方が変わっただけだと。「HELL"O"」という曲はそれが顕著で、おお、オメでたでもこういうの見せてくれるんだ!って。なので、この曲はぽにきがメインでそういうヘイトを出してくれて、赤飯さんが一歩引いて表現しているというスタイルが新鮮でした。これも、根っこにある気持ちがシンクロしていて同じベクトル向いてるからこその信頼なのではないでしょうか。オメヘイト、これからも聴かせてほしいです。
【SIX ON THE PACK】
ライブでは結構長めの小芝居をやってましたw 悔しいけどクセになる、謎の中毒性。MVを見ると解るけど「正しくふざける」というか。ここでも思うけど、ネタができるのは確固たる演奏力と歌唱力があるからだと思っている。でもライブでは演奏しないんですよねこの曲w「P.R.P.」という曲もそうですが、EDM色のある打ち込みガッツリな曲は個人的に馴染みがあって好きなのでこういうテイストの曲もまた聴きたい。この曲はまずMVを見てほしい。一日に一回は見たくなるはず。
【ザ☆キュ~ティクルピーポー】
タイトル見てオマージュに気付いた人はニヤリとしていたのではないでしょうか。この曲に限らず、いろんな楽曲で様々なオマージュを散りばめているオメでた。中にはメンバーも気付いていないようなオマージュもあったりするので、誰にも気付かれなくても貫いてほしいなと思います。キラキラキュルルンしてる部分とヴォイヴォイしてる部分と、さくらんぼカバーをご存知の方は「あの感じ」が伝わりますね。得意分野。でもこれサラッとやってるように聴こえるけどサラッとできないよね?って冷静に。ここまで色々書いてきたけど、同じバンドの楽曲とは思えないラインナップです。これがオメでたです。「推しごとメモリアル」という曲もこのテイストなのでオススメ。ライブではほとんど演奏していません。演奏力のある彼らだからできること(矛盾革命)。
推しごとメモリアルMV
【四畳半フォークリフト】
きました324作詞曲。以前配信で324氏が「自分の気持ちを消化するために作った曲なのに共感したという声があって驚いた」と話してくれたのが印象的。こういう作り手の本音を聞けるの嬉しいです。こういう気持ちで作ったとか、そういうのを話すのは野暮だという意見もあるかもしれません。自分で感じた印象で想像したいっていうのもあるよね。個人的には制作側の意図や思いをしっかり知った上でその楽曲に触れたいので、もしご本人がそういうのを話してくれる人ならどんどん教えてほしい。知った上で向き合った方が深く聴き込める気がしているんです。
これも個人的な捉え方ですが、発信された楽曲はその時点で聴き手のものになると思っています。それぞれの立場や気持ちや状況に置き換えて共感することも多い。324さんが自分の気持ちを消化するために作ったというのも一つの着地で、それを聴いた私達の中で何かが動けば、そこから先はこっちのものという感覚。私は「悩みの種に花は咲かねえ」という部分にかなりハッとさせられたので、そこで感じた気持ちは俺のものです。綺麗な花を咲かせたい(比喩)。
【哀紫電一閃】
歌詞を見て、全部日本詞だと誰が思った?今のメンバーでオメでたとして活動する前にリリースした「FREE MOSH LICENSE」というアルバムに収録されている「大河アッパーカット」という曲でも感じるテイストだったんだよねこれ。タイアップが決まっていたということでその作品に寄せて、という楽曲ですが文句なしに「かっこいい方のオメでた」。ヘビーなサウンドと突き抜けるハイトーン、たまらんです。ライブで聴きたい、とても聴きたい。Aメロからサビに入るまでどんだけリズム変わるのって。余談ですが赤飯さんが「しゃれこうべ」って歌ってるとガタッとなる(一部へ伝われ)。「紫電一閃」という言葉の通り、今のこのいろんなモヤモヤを切り裂いてほしいです。
【週末ゥッッッ★トビマ~ス!!】
なんでそうなるの???いやそれはこっちの台詞です。VIVA!ハピバでは「120ドリフを削ぎ落として70ドリフになった」と話していたけど、この曲の歌詞も「120欽ちゃんを削ぎ落として70欽ちゃん」あたりで落ち着いたんだろうか。ピンとくる人はニヤリとして、世代的に知らない人にはまったく響かないという、これもある意味オメでたあるあるw 伝わらなくてもこれからもそのスタンス貫いてください。私のTL調べではこの曲が一番人気。ライブでの画が浮かぶなーーー。いっぱい人が飛んでるなーーー。
【ピーマン】
タイトルは某パ〇リカ的なもじりということで合っていたらしい(配信にて324氏答え合わせ)。324作詞曲はこれからもシリーズ化してほしい。赤飯さんもインタビューで話していたけど、ぽにき作詞曲も324作詞曲も、自分にはできない表現だと。楽曲の幅を広げることにも繋がるし、いろんなレンジのボーカルが聴けるのも聴きどころ。この曲の一行目にあるテーマも、それぞれ思い描くことがあって、こうなりたいっていうビジョンも様々で、でもそれでいいよね、っていう。「宴もたけなわプリンセス」という曲を彷彿とさせる大団円ソング。ライブの終盤で聴けるのかな。
【またくるね】
アルバムの最後を飾るインスト。「今くるね」のフレーズから入り、二胡の音色からオリエンタルなチルアウト。配信で赤飯さんが話していたけど、これは「ただの324の悪ふざけ」「ボケなのに伝わりづらい」っていうのはオメでたなのに普通にチルアウトで終わっちゃって!というボケってことでいいですか??w伝わりづらいよww インタビュアーの人にも伝わっていなかったようで・・・w 生霊のスカシガチ勢としては「オメでたのくせに」シリーズ大好きです!!
楽曲ごとに色々と書きましたが、皆さんが聴いて受けた印象が全部正解ですのでこれはあくまでも私の個人的見解です。自分の耳で聴いたものを一番に信じてくださいね。最近はライブができないので、アーティストの皆さんが配信などで楽曲や言葉を届けてくれる機会が増えました。そういうのもキッカケになって、自分が今まで聴いていた音楽を、時代を超えて聴き返しています。パートごとに集中して聴いてみたり。歌詞の考察をしたり。自分の好きなポイントを見つける時間にもなると思っています。そんな中で自分が好きなものへの気持ちを深めたり、感性を磨いたり、取り入れたいものだけを自分のものにできるように。
今私達が置かれている状況は、発信してくれる側の皆さんも同じであるということ。表立って気持ちを出せないのであれば、どこかできちんと発散して吐き出してもらって、またステージで笑っていてほしいです。待てば新曲が聴けてライブがあって新しいグッズが出て、それがどんなに贅沢で幸せで有り難いことなのか実感するこのご時世。我々の知らないところで支えてくれる人がいて、本業で想いを届けてくれて、受け取ることができることがまず奇跡だと思っています。私が好きなアーティストの皆さんはそういう人ばかりなので、ここでも自分が好きである気持ちに誇りを持てる感覚。今はまだ様々なことに見通しが立たない状況ですが、また会える日を願って。ここまで読んでくださってありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?