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グラスの厚みで味が変わる?

街をぶらぶらしながら、なんとなく入った雑貨屋で手作り感のあるグラスや小鉢などの什器を買うのが好きです。特に、ビール党の私がハマっているのが、ビール用のタンブラーです。

自宅の食器棚には、ステンレス製や陶器、プラスチックなど、素材や厚みの違うタンブラーが並んでいます。その日の気分に応じて使い分けているわけですが、なんとなくどのタンブラーを使うかによってビールの「味」も変わるような……。

実際どうなのか調べてみると、確かにグラスの素材や手触りなどによって味の感じ方が変わってくるという研究結果は、これまでにも多数報告されているといいます。

加えてこの5月末には、グラスの「飲み口」の形状を変えることで、味の感じ方が変わってくるという研究結果が報告されました。

実験では、厚みの異なるガラスのグラスを用意。被験者に目隠しをした状態で、緑茶を飲んでもらったところ、厚いグラスで飲んだ緑茶は薄いグラスで飲んだ緑茶よりも甘く,薄いグラスで飲んだ緑茶は厚いグラスで飲んだ緑茶よりも苦く評価されたといいます。

最近、プラスチックストローを廃止して紙ストローを使うお店が増えていますが、研究発表のプレスリリースでは、こういった変更によって消費者の味の感じ方も変わっている可能性を指摘しています。

味覚を認識するのは舌。それだけを考えると、食べ物や飲み物の味は舌と接触する成分によって決まると考えてしまいそうですが、あくまでも舌は「甘い」「苦い」といった刺激を受け取る器官。

私たちが日々感じている物事は、触覚や視覚など、あらゆる間隔を「脳」で統合することによって生み出されているものなのだろうなと、あらためて思いました。


※こちらはBusiness Insiderの無料会員用に用意したコラムです。三ツ村は金曜担当として、日々の取材で見聞きしたことや面白い研究論文などについてさらっと解説しています。
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三ツ村崇志/Business Insider Japan 副編
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