【１日1本エッセイ13本目】急な連絡にろくなことはない

「急な連絡にろくなことはない」。これは、私が長年の経験を通じて学んだことの一つだ。スマートフォンの画面が光り、普段連絡を取らない叔母の名前が表示されたとき、私の胸の内は緊張と不安でいっぱいになった。何もかもが突然に、思わぬ方向へ転がり始めた瞬間だ。

父親は一人暮らしをしている。年齢を重ねるとは、いつか何かが起こるかもしれないという不安を抱え続けることだと理解していた。

しかし、それが現実になるとき、人はどうしても動揺する。父が腰の痛みで救急車で運ばれたと聞いたとき、私の心は混乱に陥った。

けれども、父が安全であるという事実だけでは、心の中の混乱を鎮めることはできなかった。私は心の中で何度も自分に問いかけた。「すぐにでも帰らなければならないのではないか？」と。しかし、こちらはこちらの事情で、それは簡単なことではなかった。

叔母に頼るしかない。その思いが胸に迫る。しかし、その選択も矛盾している。なぜなら、叔母には叔母自身の生活があり、私たち家族の問題を抱え込ませることに対する罪悪感が湧き上がってくるからだ。

「急な連絡にろくなことはない」。それは、予期せぬ出来事が起こったときの混乱や不安、そして、それに対する対応の困難さを物語っている。

しかし、その連絡は、私たちが人間であり、繋がりを持つ存在であることを再認識させてくれる。そして、時には自分だけの力ではなく、他人に頼ることの大切さを教えてくれる。

一方で、このエッセイが語るのは、ただ急な連絡の困難さだけではない。それはまた、遠く離れた家族への思いや、自分の立場と責任についての内省、そして、家族としての役割についての再考を促す。

だからこそ、急な連絡には確かに「ろくなこと」がないかもしれない。しかし、それは私たちにとって、成長の機会をもたらしてくれる。

父ちゃん心配(・~・)💦