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先生は時代遅れ!? ラーニングデザイナー!?
A teacher is outdated
先生は時代遅れだ
冒頭からドキッとする言葉です。
教育者のEli Ghazelさんは、続けてこのように提唱しています。
Here comes the learning designer
ラーニングデザイナー(学習設計者)の時代がきた
現代人が一日に触れる情報量は、江戸時代の人の一年分と言われています。平安時代の人に当てはめると、なんと一生分。
では現代人のあなたは博識で万能でしょうか?
今回は教育者のEli GhazelさんがTEDexで語った内容をまとめながら、ラーニングデザインの重要性をお伝えいたします(意訳、割愛含む)。
・情報と知識の違い
「もし私が100冊の医学書を読んだとして、あなたは私に手術を頼みますか?」
もちろんNoですよね。その理由はシンプルです。
information is not knowledge
情報は知識にあらず
そしてEli Ghazelさんは、情報と知識の違いをこのように言っています。
情報:心の外側に保管されるもの
知識:心に内側に保管されるもの
太古の昔は洞窟の壁に情報が書れていました。現代はガジェットやクラウド上に情報が保管されていています。つまり心の外側です。
しかし知識は心の内側だけに保管されます。
Information can be forgotten.
情報は忘れ去られる
Knowledge is forever.
知識は永遠である
このように定義しています。
・知識への変換
アインシュタインの相対性理論
E=mc2
これは情報か?知識か?
ただ見て、読んで、受け取るだけなら、それは情報です。
take an action or not take an action based on that information, then you have converted that information into knowledge
情報に基づいて起こした行動、もしくは起こさなかった行動が知識へと変換する。
E=mc2を使って問題を解く、何かを比較する、パターンを見つける、分類する。その行動の結果で得れるものが知識です。
下記が知識変換へのステップです。
学習の場では、各ステップでの難易度をコントールすることで、変換能力を育んでいくことになります。
・ “ is learning ” と “have learned ”の違い
「学んでいる」と「学んだ」の違いです。
is learning(学んでいる):知識へ変換する方法を見つけ出している
have learned(学んだ):知識へ変換し能力となった
情報が貴重だった時代は、情報を伝えるのが先生の役目でした。ですが今はとてつもない速さで情報が膨らんでいます。もはや誰にも覚えられないからこそ、先生は情報提供者であってはいけない。限られた授業の時間で“have learned ”の状態にさせる必要があります。よって教育者の役目は、
changed from giving information to helping children convert information into knowledge and checking their ability to do so.
情報を与える役目から、情報を知識へと変換する手助けをする、そしてその能力をチェックすることへ変わった。
このように答えの提示ではなく答えの探し方を習得させ、それを評価するシステムを作る。このようにhave learned(学んだ)の状態へ設計します。
・これからの未来
学校でのテクノロジー活用は、ただの貯蔵システムになってはいけません。教科書の内容をタブレットに移し替えただけでは、情報を生かしているとは言えないからです。
昨今の莫大な情報によって見失われたものがデザインです。これが今後の学校教育のキーになってきます。この先の未来では、情報を知っている人間ではなく、知識を作りだす人間が求められています。
よってラーニングデザイナーは
1. with the precision of an engineer.
エンジニアのような精度で
2. with the creativity of an artist.
アーティストのような創造力で
学習設計を行い、真の知識を持つ人材を育てていくことがミッションとなります。
以上、いかがでしたでしょうか。
割愛した部分もあるので、興味がある方はぜひ動画を見て下さい(英語のみ)。
情報から知識への過程は、今後よりサポートが必要でニーズが出てくる領域だと思います。受け身ではなく能動的に、そしてワクワクする学習体験を通して、人生に寄り添える知識を育んでいきたいですね。
今後も英語学習者のために、試行錯誤を繰り返していきます!