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英語+デザイン。“英語学習デザイナー”になります。
この度、英語学習デザイナーとして活動を開始したTake-sea.Kです。
「また変な肩書でてきたで〜」
という声も聞こえてきそうですが、私は英語学習デザイナーという肩書に決めました。まだ認知度もない、というかこの世に存在してるかどうかも分からないこの英語学習デザイナー。この肩書にした経緯をお話ししようと思います。
・わたしの英語遍歴
2006年に友人と香港、ドイツ、ロンドン周遊が英語に再び向き合うきっかけでした。華麗な英語エリート街道と言いたいところですが、ただただドンクサイ始まりです。
香港で馬鹿騒ぎして、ドイツでW杯を観戦して、いざロンドンへ!と意気揚々とスタンステッド空港に降り立ちましたが、入国審査でドSおばちゃんにあたり1時間ほど足止めをくらいました。スーマリのクッパのようです。そしてその理由は簡単です。
英語がまったく話せなかったからです。
クッパ:“What do you do?(仕事は何?)”
私 :“さ、さいとしーいんぐ!(観光)”
クッパ:“um.... What ! do ! you ! do !(し!ご!と!は!な!に!?)
”私 :“と、とらべりんぐ!?(旅行)”
といったレベルです。普通は入国審査で職業なんて聞かれないのですが、小汚い若造から不法入国の匂いがしたのかもしれませんね。
ジェスチャーと単語をやりくりして、なんとか入国審査をパスしましたが、ロンドン市街に到着する前にグッタリです。なんて優しさのないひどい国なんだ!と国のせいにすらしてました。
そんな友人との旅自体はとても楽しいものでありましたが、同時に絶望感と失望感を感じていました。
「俺なんて日本から一歩外にでたら、何もできない無力でちっぽけな男じゃないか」
帰国した私は一念発起します。
英会話スクールに通い始める(のちにここで働くことになります)
↓
イギリスに2年間リベンジ留学
↓
英会話スクールに就職。英語/英会話講師、エリア統括マネジャーに従事
↓
英語学習デザイナーとして活動開始
という経緯を辿り、今に至ります。
・なぜ英語学習にデザインが必要なのか?
そして今回活動開始するにあたり肩書を考えていました。なぜならこの「英語/英会話講師」という名前に違和感を感じていたからです。
講師=知識を伝える人だとするとGoogle先生の方がはるかに優秀で、わざわざ人間の私が超基礎文法を教えている時間がとても非効率で、生徒さんに申し訳ないとすら感じていました。
たしかにそのような丁寧な対面レッスンを希望する方はいますし、否定はしません。ですが非効率→効率の良い正しい道筋を伝えることが誠実な姿勢ではないかと強く思うようになりました。
もちろん試行錯誤の積み重ねは必要ですし、一見遠回りのような努力も後に大きな意味を持つことがあります。
ですが情報に溢れている現代、それらを整理整頓してあげることでわざわざ通る必要のない道を回避でき、目的地到達へのスピードを加速させてあげることができるのではないか、英語学習者は英語が分からないのではなく迷っているだけなんだと。
「英語が話せるようになりたい」と言ってもネイティブ並なのか、道案内を流暢にしたいだけなのか、外国人の前でプレゼンをすることなのか、その人なりの隠れた定義をまず可視化して、そこに向けてのタスクの練り上げが必要になります。
英語習得の道を先に歩んできた人間として、そして多くの生徒さんと向き合ってきた経験から、そのように「その人にとって必要なものを提示して交通整理をしてあげたい」と考えるようになりました。
このアプローチは、
「知識伝達」の講師であり、
「モチベートして指南する」コーチでもあり、
「相談援助」のカウンセラーも内包したもの
情報/物事を取捨選択し必要なものを必要な位置に配置する。
それって
デザイン
じゃないですかと。
英語を習得したい人の理想、目的、資質、仕事、ライフスタイルは三者三様。既存のメソッドやカリキュラムに当てはめる方が不自然で、その人だけにフィットした学習法を設計(デザイン)して目的地まで責任をもって伴走する。
そのように臨機応変に英語学習者をサポートしていく人、そう「英語学習デザイナー」になりたい。そこからこの肩書は生まれました。
・実際に行っているプロセス
今回活動を開始するにあたり、英語を学習したい起業家・デザイナーのSさんに3週間のモニターになって頂きました。その時のプロセスを簡単にご紹介します。すべてオンラインで実施しています。
1、事前アンケート&レベルチェックテスト
まずは現状把握から。概ねこの段階では「英語が話せるようになりたい」と漠然としている方が多いです。why(なぜ)、how(どのように)、what(何を)を明確化するために情報を収集します。今後はここに心理学のエッセンスを入れることで、学習者の本音や性格・資質を深堀りできるようにしていきたいと思っています。
2、初回カウンセリング・簡単なスピーキングチェック
ここではじめてAさんと言葉を交わしました。1を参考にSさんの成りたい姿を取り出す作業となります。Sさんはご自身で英語の記事を読まれているようで語彙力はありますが、口語表現が苦手な方でした。また以前オンライン英会話をトライしたものの、言いたいことが言えないストレスで中断した経験もあります。
「簡単な英語を使って自分の言葉でコミュニケーションが取れるようになり、ビジネスの幅を広げていきたい」
ここをインサイトとして、学習設計の基盤にすることに決定しました。
3、学習設計
Aさんのスケジュール感・1日の学習可能時間・インサイトを加味し毎日のタスクと量を決定。そして目的地からの逆算で3週間という期間を算出。
タスク一覧
・基礎文法のワーク
・不規則動詞の暗記
・英語でチャット
・LINEで5分電話
・3回のカウンセリング
すべてSlack上で管理しました。後日Sさんからもアイデアを頂き、今後はここの設計部分でロードマップやカスタマージャーニーマップのように、双方が道筋と指標を可視化できるものを作っていく予定です。
4、目的地まで伴走
ここから毎日何かしら英語に触れ、Slack上でのコミュニケーションが始まります。英語チャットではなるべくAさんの実生活や仕事に関連したことを口語表現ベースに組み立てました。単語やフレーズは感情、興味、エピソード(体験)と経由することで定着しやすくなります。素早くオンボーディングへ導き、モチベーションを維持するためにも無理のない自然なアウトプットを意識しました。
文法チェックももちろん行います。
毎日5分のLINE電話で小さなアウトプットを積み重ねます。LINEという日常的なツールを使うことで、英語も日常に溶け込ませるのが狙いです。話せば話すほど上達が感じました。週1回30分より1日5分の方が間違いなく効果的です。また5分という長さがストレスなく継続しやすい長さと感じます。
週1回のカウンセリングでは下記を実施。
・タスクの進捗状況確認
・単語テスト
・chatでの会話を実際に練習
・質疑応答
・状況に応じて軽いレッスン
そしてサポート終了時には、Assessment(評価)シートを作成し達成度を可視化します。
以上が今回のざっくりとしたモニター内容ですが、もっと幅広くその人の職業、ライフスタイル、目的に沿った学習デザインをしていきたいですね。そのためにも私自身の教授スキルもさることながら、キュレーション能力を上げて、より精度の高い設計をする必要を強く感じます。
・今後の展望
とはいえそんな簡単に「デザイナー」と名乗っていいものか、迷いがありました。
デザイナーに多大なリスペクトがある私にとって、その肩書は背伸びと感じたのも事実です。ですがいざイメージを形にしていくなかで「デザイン」が一番適切なワードであったのもまた事実。
またデザインはカウンターカルチャーの要素もあるとするなら、まだ誰も名乗っていない「英語学習デザイナー」の第一人者となり価値を創造する。そんな野望をモチベーションにしてもいいんじゃないかと考えたのも理由のひとつです。
とはいえこれは私の定義であり一個人のマインドです。
講師やコーチという肩書で、既にこのマインドを持って実践している素晴らしい方もたくさんいると思います。ブラッシュアップすべきことはたくさんあり、デザイナーと名乗るのであれば、まだ学習者すら気づいてない問題を発見→解決して新たなバリューの創造がミッションとなります。
今回はその第一歩として、
今自分にできることで精一杯誰かの役に立つ
ここを原点に始めたことであり、このnoteがその原点にいつでも戻ってこられる地図になるよう、決意表明のような形で今回書かせて頂きました。
まだ具体的なアイデアはありませんが、ゆくゆくはより多くの人が素晴らしい英語体験ができるようなサービス、プロダクトを作りたいなぁなんて考えています。
イチから英語をはじめたい方。英語を再度やり直したい方。あなたの為だけに学習法を設計して、二人三脚で目的地までお供します。