Peers Program の紹介
Astar Network のコミュニティの活動の1つで「Peers Program」というのがあります。
この記事では、この Peers Program について紹介していきます。
Peers Program とは
一言でいうと「Astar Network の分散化を高めるための推進プログラム」といったところです。
目的
目的は2つあります。
1つ目はブロックチェーンネットワークの回復力を高めるためです。ブロックチェーンの Astar ノード(Peer)は数多く、さまざまなエリアで稼働していることが望ましいです。
世界中という観点では、まだ Astar ノード が稼働していない地域も多くありました。このプログラムはそういった地域でもノードを実行することを、インセンティブも与えつつ後押しします。
このプログラム提案当初は下記のようなエリアではまだ Astar ノードが稼働しておりませんでしたので、それらでの稼働を期待されていました。
・南アメリカ
・アフリカ
・西アジア
・東南アジア
・オーストラリア
そのため、これらのエリアで Astar ノード(具体的にはアーカイブノード)を稼働をすることを目的としています。
2つ目は、教育の側面です。
Astar ノードを構築するにはそれなりの技術的な知識が必要です。
ブロックチェーンのインフラストラクチャーに関心のある人々はこのプログラムを通じて、コミュニティ内でサポートを受けながら、Astar ノードの構築や運用に必要な実践的知識を身に着け、学習体験を通じながら目標を達成することができます。
現在、このプログラムは2023年1月にフォーラムに提案されて以来、プログラムの更新なども経て1年半ほど続いています。
具体的に何をするのか?
このプログラムの提案は当初 コアチーム bLd氏 から行われ、Raspberry Pi のような小型のARM マシンであっても、アーカイブノードを稼働できるという事をドキュメントや動画を通じて説明していました。プログラムの参加者はそれらを参考に Astar ノードを構築します。
Raspberry Pi は一般的なパーソナルコンピュータとくらべると非常に安価で手に入れることができ、稼働するための電力も小さい小型のコンピュータです。これを使う事で Astar ノードを構築するハードルを下げています。
しかしながら、少なからずプログラムの参加者は自らマシンを用意しなければならないので、そういったコストを負担する意味でもこのプログラムではインセンティブを付与する事が含まれています。
インセンティブについて
始まったときと現在では少し状況が変わっていますが、当初はハードウェアのコストも含めてインセンティブが提供されていました。
現在は、Astar ノードの毎月の稼働率に合わせて ASTR がコミュニティメンバーに分配されています。
これまでの活動
この1年半の間で、期待するエリアでの Astar ノードの稼働を実現できています。
南米、アフリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアなど、さまざまな地域の14人のメンバーのオンボーディングに成功しています。
これらのメンバーはアーカイブノードを運用し、ネットワークの分散化とブロックチェーン履歴の維持に重要な役割を果たしています。
コミュニティ(Discord)上ではコンピュータがそれほど得意でないメンバーや地域特有の環境などの課題にも負けずにとても熱心にノードの構築をしています。
活動プロセス
プログラムへの参加方法
1,下記のページで申し込みます。
Astar Peers Program Candidate Submission (google.com)
2,Astar Network の Discordに参加し、builder-verification チャンネルに移動し、アイコンをクリックして「Builder」のロールが割り当てられます。
3,このプログラムに関連するすべてのコミュニケーションは、#peers-program チャネルで行われます。
条件
・参加資格:
特定の地域および全世界の居住者を対象とし、非技術者も含め、選択は任命されたコミュニティ代表によって主導されます。
・ノードの仕様:
ノードはアーカイブノードで、80% 以上の稼働時間を維持し、Telemetry(https://telemetry.polkadot.io/)に接続され、少なくとも 4GB の RAM を搭載した Raspberry Pi 4 (または同等の ARM マシン) で実行されている必要があります。
アーカイブノード構築手順
Raspberry Pi 5 が昨年末から販売されています。前のバージョンに比べてかなり性能が上がっています。初めて参加する方のために、この Raspberry Pi 5 を使った構築手順を今後公開していく予定です。
以上、
(2024-8-4 更新)
参考
2024/7/15: Peers Program を継続するための提案挙げられており、現在投票中です。
2023/9: 更新された Peers Program の提案
2023/1: 最初の提案