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【40代後半】人手不足は本当か?転職活動を終えて感じたこととは?

本格的な労働から遠ざかり間もなく1年となる。6年ほど勤めた前職を退職した後、妻とずっとチャレンジしたかった国内の旅に出た。特に「やりたいこと」なんて持ち合わせていない夫婦が、数少ない「やりたかったこと」の一つが「長期間の旅」だ。
「後回しにして実現する保証はないよね?」「実現したとしてもアクティブに楽しめる保証はないよね?」。私達は退職を決意した。

40代後半の転職活動は「一応」無事終えることができそうだ。先日いただいた内定を受けることに決めた。実際40代後半(たいして取り柄のない)の転職はどのように着地したのか。結果は「新たなチャレンジは難しい」が「経験ありの業界なら可能」だった。

どうやら「悠々自適な引退生活」なんて、許してもらえない未来が待ち受けている日本。人生100年時代というのも、あながち間違ってはいないだろう。どうせなら、と少しでも「興味がある」「新たに学べる」異業種への転職先を探してみたが、残念ながら叶わなかった。

旅を終え、昨年7月ごろから緩やかに転職活動を開始。3つほど定番転職サイトへ登録し、ポチポチと募集要項をチェックする。最初の壁はやはり「年齢」だ。
「雇用の流動性」「人手不足」なんて言葉をよく耳にするようにはなったが、やはり「キャリア形成のため」という「遠回しに40代後半はお断り」の世界観が広がっていた。わかりやすく2社からエントリー時点でアウト判定をいただいた。

では「中年向けの転職サイトはどうだ?」と覗いてみたところ、当然だが「未経験」が挑むにはハードルが高すぎる。
再び定番転職サイトへ戻り「興味がある」「新たに学べる」という主軸で探してみるが「ですよね・・・」。待ち受けていたのは、自信に満ちた「さぁ!いらっしゃい!」と笑みをこぼす「地雷求人」だ。そもそも40代後半で「未経験歓迎」の求人を出すということは、言い換えれば「条件さえ合えば誰にでもできる」もしくは「離職率が高い」かのどちらかだろう。

  • 休みが少なくても良いよね?⇒歓迎

  • 給料少なくてよいよね?⇒歓迎

  • 新たな学び?なにそれ?⇒歓迎

  • 体力がモンスター級なあなた!⇒大歓迎

  • メンタルが鋼、もしくはダイヤモンドだと⁈⇒歓喜

どこまでいっても世の中はトレードオフの関係で成り立っているなと。そんな愚痴をいまさら吐き出す年齢でもないのだが、ため息を2,3度つくことくらいは許してほしい。

40代後半のおじさんが地雷求人を回避するのは、また一段ハードルが上がる。実は一度、見切り発車で「未経験歓迎」の企業にご縁をいただいたが、自分でも驚くほど社風が合わず続かなかった。

流石にこれ以上の時間をかけるのはまずい。旅では予算をオーバーしているし、予定していた期限も刻一刻と迫っている。頭では理解していた「二人分の税金を払うということ」が、ボディブローのごとく精神と財布に「ズシリ」とダメージを蓄積させる。やはり給料天引きに甘えている、典型的なサラリーマンのようだ。

極めつけは、無職生活が楽しくなってきているのだ。「無職生活に飽きる人がいる」なんて信じられない。無職生活は意外と忙しく充実している。もう一度言う。「無職生活は充実している」のだ。計画的に貯蓄し、予算を決めていたのだが、このままでは予算をオーバーすることは目に見えている。

ということで、泣く泣く「できること」にターゲットを絞った。「興味がある」「新たに学べる」を諦め、経験を活かせる業界への転職へと舵を切った。幸い「経験」に関してはそこそこある。「できること」に切り替えた瞬間、裾野は広がった。

もともと「人手不足」が蔓延している業界ということもあり、一気に流れは変わった。とんとん拍子で話は進み、先日の内定となった。といえども、やはり「プチ地雷求人」を踏んでしまった感触はある。この右足を離した瞬間にどうなるか。だが進むしかない。

大した取り柄のない40代後半のおじさんでも、どうやら転職することは可能のようだ。といえどもやはり「難易度」は高いし、選択肢が限られているのも事実。事前準備は入念におこなう必要性があることは間違いない。転職の軸をブレさせたくないのであれば時間が必要。その時間を稼ぐのは「退職前に準備を進める」か、「十分な貯えを持つ」ことがポイントなのは言うまでもない。

補足すると前職より年間休日は5日減るし、年収も大幅ダウン。これが現実だ。まぁ、これもすべて自分で決めたことだから致し方ない。思い切って退職し、やりたかった長期旅を実現できた経験は、40代後半の私にとっては何事にも代えがたい財産だ。

「やりたいことに囲まれている」なら、むやみやたらに転職という棘の道へと踏み出す必要性は低いかと。しかし「やりたいこと」が限られている、かつ「今しかできない」と判断するなら話は別だ。退職して時間を作るという「普通に抗ってみるのもおもしろい人生だな」と、今回の選択に満足している。平凡な人生に小さく「してやったり」だ。

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