ALTAR BOYZ④~奇跡の起こる場所~

なかなか浄化しない4つの魂を救うべく、必死に讚美歌を歌い踊るBOYZ。しかし全く数字は動かない。
もう1回!と再び讚美歌をやろうとするメンバーを、マシューが何故か制止する。


13、『I Believe』エイブラハム、全員

メンバーが騒然となる中で、マシューは、センサーが示す4のうちのひとりは自分だと告白する。
ソロ契約の話がきてOKしてしまった、俺はチームのリーダーなのにみんなを裏切ってしまったと。
チームを降りると言い、去って行こうとするマシューにマークは「君は悪くない」とすがり、実は自分もクイーンの事務所とソロ契約をしたと告白する。
クイーンて?と聞くマシューに「クイーン知らないの?!」
と、いきなりフレディ・マーキュリーのコール&レスポンス「エーオ!」をおっぱじめるケビンマーク。
「エーー~~~~オ!」(めっちゃいい声)
突然のことに一瞬固まる客席に向かって、え、
早くやりなさいよと「一緒に!」と催促するマーク。めっちゃ参加させてくるやん?

マーク「エーーーオ!」
会場頑張る。
マーク「エエエエ×3、エエエエオ!」
会場頑張る。
マーク「エーーーーーーオ!」
会場頑張る。
マーク「オーライ!」
ケビンちゃん大満足。

万が一知らない方のためにうさぎちゃんのやつ貼っときます➡https://youtu.be/sl_4I7vLLc4


責めるメンバーにマークが言い訳している中、なんとフアンもソロ契約をしたと告白。SMエンターテインメントと。w ケビンちゃんボソッと「ほんと羨ましい…」って呟いていたね?
SMなんて聞いたこともないというイェソンマシュー。え。
フアンはSMに所属している有名グループの曲をダンス付きでメドレー披露。少女時代のgeeやらSHINeeのRing Ding Dongなんかを弾けまくって紹介するんだけど、その中にSJのソリソリが入ってたのが🤣🤣会場大ウケ。ソリソリ言いながら最終的に膝ついて「ミアネ…」に変わっていったのが個人的にツボでした。ナモオッパwww
終始冷めた目で見ているマシュー。ちょっとは反応してあげて?
そんな中ルークもまたソロ契約したのをついさっき思い出したと告白。メンバーがどこと契約したのか聞くと、嬉しそうに「NMB♪」大阪仕様カムサハムニダ

ケビンマーク、またもや「うらやましい…」。もう声が女子。そうだね、ケビンちゃんなら違和感な…あるな。

皆の懺悔が続き、センサーが示している4は自分達だったんだと悟る。

メンバー4人が自ら罪を告白していく中、奥の階段の段差に腰掛けて、俯き背を丸めてただじっと話をきいているエイブラハムの姿が、ただただ切ない。
エイブラハムにも勿論ソロ契約の話がきていたのですよ。でも当然のごとく彼は断った。
ALTAR BOYZにいるより何倍もいい待遇で迎えられる条件だったのに。

「ちょっと待ってください!」とエイブラハムは語り出す。

もうずっと自分がここにいる意味を考え続けてきた。ユダヤ人がカトリックのバンドにいるだなんてありえないことだし、何故ここに導かれてきてしまったのか、なにかの事故なんじゃないか、と。

ALTAR BOYZに入るきっかけになったシーンだけみると、彼はわりと朴訥としていて、この中で生活したらどんな感じだろうなという興味が先に立って、マシューがいいアイデアが浮かばず悩んでいる曲に、僕が歌詞をつけてあげるから入れてよ。ってな軽い気持ちでALTAR BOYZに所属することを決めた感がある。

でも今、4人の裏切りを知った時に込み上げてきたものは怒りでも諦めでもなく彼らへの深い愛情だった。
彼が身を置く社会において受ける人種差別と、ユダヤ教を信じるユダヤ人がカトリックのバンドに所属しているという異様さと、更に、同じユダヤ人の目から彼がどう映るかを考えると、二重三重の意味で彼は周りからはみ出した存在であり、少数派の中の更に少数派という悲しみを知っているエイブラハム。
そんなエイブラハムに生まれて初めて彼の存在意義を見出してくれたALTAR BOYZ。彼は皆を説得しようとするのでもなく、ただ、「みんなと人生で一番素敵な時間を過ごして…僕にとって君たちは本当にかけがえのない存在なんだ」と想いを語る。

ユダヤ人=ユダヤ教徒であり、彼が彼でいる限り、カトリックのバンドに何故いるのかという彼の悩みは解消されない。それなのにALTAR BOYZから離れソロになることなんて考えもしなかった理由とは。
血の繋がりや、人種なんて関係なく、彼らと支え合って過ごす時間の中で、ALTAR BOYZのみんなが彼の中でとてつもなく大きくなっていて既に「家族」となっていたから。

みんな違っても気にしなくていいんだよ、と率先して歌っていた彼が、皆は裏切ったけど自分はソロになるなんて考えもしなかったという「違い」を、またここで目の当たりにし「僕達は一人一人違う人間だって知ってるけど!」って泣きそうになりながら声を張り上げるもんだからもうなんて言ったらいいか…えーい💢4人共そこに正座しなさい!

「僕達は…世界で…一番…素敵な………家族。家族だろ?」一言ひと言、懇願するように確かめるドンウンエイブラハムの表情に、胸がクルシイ…

エイブラハムの何が好きかって、思慮深いからこその芯の強さと、愛情の深さなんだよね。

「マシュー覚えてるかい?僕達が初めて会ったあの日を…」
とエイブラハムはまだ途中までしか詞を書けていないマシューが作曲した『I believe』を歌い出します。

涙をぽろぽろと落としながら歌う姿に、彼にとってALTAR BOYZがどれほど大切な場所なのかということが切々と伝わってきて、涙腺崩壊。

ドンウンさんって涙が頬を伝うんじゃなくて、涙をポロポロ落とすように泣くんだよね。そして泣いているのに歌声がブレないどころか美しい。

エイブラハムの言葉によって、ひとり、またひとりとメンバーがハーモニーに加わっていき、その歌に合わせて、センサーの数字がひとつ、またひとつと減っていき、最後、マシューが歌った瞬間、カウントが「」になる。『I believe』がメンバー全員によって完成する感動的クライマックス✨

エイブラハムは、マシューと初めて出会った日に作詞を頼まれるけど、途中で「芸術のインスピレーションは神様からの贈り物。歌詞の続きはいつ出てくるか分かりません!」とポケットにしまった一枚の紙が、このラストの歌に繋がる大切なアイテムとなることを考えると、彼はこの物語のキーパーソンであり、この作品の脚本構成に感涙✧

ジーザスへの信仰心によってではなく、ジーザスの教えを信仰していないひとりのユダヤ人によって再び絆を結び救済されたメンバーが、最後の最後に「believe in you」と歌う「you」とは何をさすのか。

キリスト教を布教しにやってきた青年たちのお話なのに、最後の最後で「believe」がジーザスを信仰するという意味ではなくなっている?!とハッとさせられるし、ジーザスの教えによって魂を救うという前提がじわじわと崩壊していく奥深さに興味をそそられる。

解釈は勿論、観た人それぞれ違っていいと思います。結末を皮肉と取るか、エイブラハムが特別な優しさや強さをもつ人間だったから解決したんだと取るか、全てが神の起こしているものと取るか。etc.

「I believe~~~~~!」と最後力強く歌うマシューのソロ。
家族だと言ってくれる仲間にこんなにも愛されていて、自分もまた深く愛しているのだと気づき、懺悔によってではなく、仲間の愛によって罪悪の感情が消えた奇跡の中で、もうどんなことがあっても裏切らないと魂に刻むかのようなマシュー渾身の「I believe」と、ALTAR BOYZ5人の晴れやかな表情に、胸が暖かくなるラストでした。

「奇跡」は神が起こすのではなく、人と人との間に、そしてあなたのこころの中に起こるのだ。
あいびりーぶ!

~[完]~

ALTAR BOYZは、歌とダンスのライブ形式で進んでいくので、頭を空っぽにしてショーとして楽しむこともできるし、出来事の背景や登場人物の思考や想いに繊細に編み込まれているものをほどいて、ひとつひとつ丁寧に掘り下げ、私達が住んでる世界についてリアルに考え、皆で語り合うきっかけともなりえる作品だと思います。
楽曲の素晴らしさも相まって何度観ても違った感動がありますね💕

今回初めましての韓国版ALTAR BOYZ、まず見た目がいいし、ナモオッパ以外は全員アイドルだからか、出てきた瞬間からのキラッキラオーラが流石だなと思いました。ミュージカル俳優とはまた違う魅力やトキメキがあり、とっても楽しかったです😇°ʚ✞ɞ°
ケビン、イェソンさん、ナモオッパ、ドンウンさん、ユグさん、そして素敵なダンスを見せてくれたデルターボーイズの皆さん、ありがとうございました!

つづく

次回は、おまけとして本編途中で行われた『お悩み相談コーナ』と千秋楽の舞台挨拶をレポします♪

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