【優勝&準優勝】曖昧な記憶で振り返るカタールW杯2022
ついに優勝国決定!!おめでとうアルゼンチン!楽しかったから、また明日からやろーよー。いーじゃーん、ねーってばー!!
フランス
ペレのブラジル以来の連覇を狙ったフランスでしたが、メッシと一体化した有機体アルゼンチンフットボールマシーンによって打ち砕かれました。ベンゼマ、カンテ、ポグバ、キンペンベ、リュカ・エルナンデス、エンクンク、ディーニュなど負傷者だけで1チームできるんじゃないかくらいに離脱者続出でしたが、蓋を開ければグループステージは余裕でクリア。オーストラリアをボコり、デンマークにタレント力の差を見せつけて1位突破。ベスト16ではポーランドをワンパンでぶん殴り、ベスト8はイングランドと今大会でもかなり高質な試合を展開しながら、ケインのPK失敗もあって、地力で押し切りました。逆に、モロッコ相手にはかなり楽な展開。先制点、ダメ押しと隙なく勝利を収めましたね。死ぬほど苦戦したという試合はほとんどなく、それを考えると決勝で完全にハメ込まれたのは予想外だったんじゃないでしょうか。中盤から先に全くボールが繋がらず、頼みのエムバペまでボールがいかない状態の中、ディ・マリアにしてやられて前半のうちに2失点。デシャンは慌てて前半でジルーとデンベレを下げて、テュラムとコロ・ムアニを投入するも、事態は改善せず。後半25分過ぎには、カマヴィンガを左SB、コマンを右に投入して4-2-4のような「力こそパワー」戦略を取ると、これが的中。エムバペが2得点を決めて延長に。ただ、延長でも決め手はなく、膠着。逆にアルゼンチンに逆転を許すと、またもエムバペのPKで追いついたものの、PK戦で屈しました。60年ぶりの連覇は夢と消えたのです。今まで見た中でも一番面白かった決勝でした。正直、優勝してもおかしくはないチームではありましたし、アルゼンチンとの差はほとんどなかったんではないでしょうか。ベンゼマやポグバの不在というのは確かに戦力的には大きかったと思うのですが、彼らがいないことによって、かえって今回は「エムバペのチーム」というところが強調され、まとまりができた気がしますね。献身的なグリーズマン、利他的なプレーができるジルー、一時的に正気になってるデンベレ、若手最強ボランチのチュアメニ、母親がイカれてるラビオ、ネックレス・クンデなどのサブキャストも充実、途中から出てくるお前は誰やねんコロ・ムアニ、テュラム息子、コマン、フォファナなども多彩でしたね。とにかく、選手層の分厚さは強豪国の中でも飛び抜けてるんので、しばらく優勝候補からは外れないと思います。ただ、8得点あげて、決勝でもハットトリックしてるのに負けたエムバペはかわいそうでしたね。相手が悪かったとしか言えません。最後マクロンに肩を抱いて慰められてましたが、「(うっぜーな、マクロン)」感を出していたのはめちゃくちゃ面白かったです。メッシ・ロナウド時代の終焉で、次はエムバペ王朝の開幕でしょうか。楽しみです。
・気になった監督 ディディエ・デシャン
開幕前から怪我人が続出していた代表をうまくまとめ、決勝まで運んできた鉄の監督です。あまりにも欠場が多いので3バックか4バックも予想しづらかったほどでしたが、とりあえず元気な選手で緩やかに一番マシな方法を選んだ印象です。ただ、それで不満を出さずにまとめたデシャンもすごいし、それでなんとかなる選手層もすさまじいものがありました。決勝に色気を見せてる感じが報道から出てたベンゼマの件をはっきりと否定したり、リーダーとしてのすべてを兼ね備えている監督ですよね。チーム作りもガチガチに戦術を当てはめるのではなく、いる選手で最適感を求めている感じがして、ピッキピキのピーキー戦術で仕上げてきたドイツ・スペインなどの憤死とは対照的でしたね。前回のW杯でも同じようなチーム作りでしたし、短期のトーナメントとしては、やっぱりこっちの方が不測の事態に対応しやすいのかもしれませんね。ただ、EUROのイタリアは割と縛り強めの戦術でしたし、どっちがいいのかってのは状況によるんでしょうが。あと、決勝戦でハメ込まれた時に完全に割り切って、「ザ・暴力」と言ってもいいような中盤空洞化に切り替えた剛腕はすごかったですね。なんだったんだ、あれ。さて、今後はどうするんですかね。世界屈指のタレント軍団もデシャンだからなんとかまとまってると思うので、後任には困ること間違いなし。ジダンくらいでもなければうまくいかないんじゃないでしょうか。ただ、どちらにしてもガス抜きは必要だと思うので、一旦ドメネクを挟んで選手に反乱させてから、ジダンにスイッチしましょう。
アルゼンチン
初戦でサウジアラビアにまさかの敗戦を喫した時には、絶対だめだろこのチームと思いましたが、そこからグループリーグで試行錯誤して、鉄の規律を持つ集団と変化しました。すげえな。初戦はラウタロ・マルティネスとかアレハンドロ・ゴメスとか割と主役にもなりうるチャラめの人材を配置したのですが、うまくいかず。というか、この流れ何度もやってる気がするけど、なんで毎回試すの。ただ、この段階で腹を括って方針を変更し、そこからは「メッシのために死ねる」奴だけを登用したスカローニ監督の決断は
完璧でしたね。気が狂ってるGKエミリアーノ・マルティネス、死ぬまで走るアクーニャ&モリーナ、中盤の武闘派デ・パウル、ベンフィカの新星エンソ・フェルナンデス、死ぬまで走る2号マカリステル、死ぬまで走る3号フリアン・アルバレスなどがスタメンに名を連ね、走らないメッシのためにひたすら走り回りました。そのおかげで、フランスと同じようにこちらも軸がメッシとはっきりしましたね。全盛期をだいぶ過ぎて本当に運動量もスピードも落ちて、だいたい試合中はふらふらしているメッシですが、ボールを持ったら魔法をかけられるのは昔と変わらず。むしろ、衰えたことで、今までの全部自分で攻撃を終わらせるような意気込みがなくなり、逆にいい感じに周りと絡むようになった印象です。スピードはなくてもボールは取られず、急所に走り込んでいく選手にずばずばとパスを出し姿は、晩年のジダンっぽくもありました。特に印象的だったのは、オランダ戦でのモリーナへのスルーパス、準決勝で最強DFマシーン・グバルディオルを体重移動だけで抜き去ってキメたアシスト、そして決勝延長でのなぜそこに走ってたという得点ですね。最後のPKで勝ったのは運も非常にありましたが、もうメッシへのご褒美でしょう。初戦の苦杯からの復活、途中でパレデスがオランダベンチにボールを蹴り込んだりとか余計なことしてたりもしましたが、それも含めて、終わってみたら、今大会はメッシというサッカー選手のハッピーエンドに向けての1つの物語だったような気もします。史上最高の選手が唯一獲れなかったタイトルをゲットしたことは、世界中のサッカーファン(フランスファンを除く)が納得の結末だったんじゃないでしょうか。パレデスは反省してください(絶対反省しない)。
・気になった選手 ラウタロ・マルティネス
今大会のアンラッキー・ボーイとなってしまったラウタロくん。床屋でどういう注文してるのかわからない髪型のインテルのエースは、今大会メッシの相棒としてW杯で得点を重ねる予定でした。ただ、初戦のサウジアラビア戦でひたすらゴールネットを揺らすもすべてオフサイド。そこが運命の分かれ目だったのか、次戦から先発はなし。その後も途中出場を重ねるものの、シュートは撃てども撃てどもゴールネットを揺らすことはありませんでした。いい感じに裏で抜けるんですよね。後、クロスへのポジショニングもいい。さすがインテルのエースとして得点を重ねてきただけあるな、という動きでした。ただ、一向にシュートが入らない。キックミスもあるし、キーパーの好守に阻まれたのもありますが、シュートまでいけてる分、かえって印象が悪いんですよね。決勝ではPKの順番が回ってこないかそわそわしてしましました。今大会のMNS(Most Nukayorokobi Striker)でした(※次点はウルグアイのヌニェス)。ただ、そんなラウタロですが、決勝戦では延長に放ったシュートは防がれたものの、それをメッシが押し込んでいったんは逆転弾となる得点の起点となりました。きっちり最後には仕事をしたと言えるんじゃないでしょうか。次回大会ではエースの可能性が高いので、ぜひがんばっていただきたいものです。
さて、これで振り返りはおしまい!!長々とお付き合いありがとうございました!!!次のEUROあたりで、また!
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