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クッキングパパ1000話を読んで擬音を数えてみた
みなさま、クッキングパパという漫画をもちろんご存知ですよね?
クッキングパパはモーニングで35年以上連載され、今も継続中です。主人公一家の荒岩家を中心としたほんわかクッキングコメディ漫画、それがクッキングパパなのです。1500回を超える連載を誇り、週刊モーニングを代表する長寿漫画と言えるでしょう。
主人公の荒岩一味(かずみ)、すごいアゴをしていて料理がうまい(COOK.121 1p)
さて、そのクッキングパパですが、2月7日までなんとコミックDAYSにおいて1000話一挙無料という暴挙に出ました(正確には、本編993話+うえやまとち先生のクッキングルポ7話)。いくら緊急事態でみんなが暇だからと言っても、1000話無料公開はクッキングパパにしかできない芸当でしょう。
ならば読むしかない。しかし、ただ読むだけでは芸がありません。クッキングパパの特徴はなんでしょうか?ほんわかストーリー?毎週紹介される独創的な料理?時々垣間見えるうえやまとち先生の狂気?
うえやまとち先生の狂気(COOK.523 1p)
そのいずれもが魅力的ですが、私はここであえて「擬音」がクッキングパパの本質だと思うわけです。クッキングパパは非常に擬音の多い漫画でして、その擬音の使い方においては異形の感性を発揮しています。
香港の夜を擬音で表現しています(クッキング・ルポ5 2,3p)
それでは、一体どんな擬音を使うことが多いのか数えてみようと思いました。めちゃくちゃ気になりますよね、クッキングパパの擬音。しかも1000話分。だから調べたんです。なんで?と言われても1000話無料だったからとしか言いようがありません。普通に苦行でしたが、いろんな擬音が見れて楽しかったです。
友人も賛成してくれました
ただ、非常に擬音が多いクッキングパパなので、すべての擬音をカウントしていると死んでしまいます。なので、毎週紹介されるレシピ付きのメイン料理がどういう擬音と共に現れるのかというところに焦点を絞りました。
こういう感じですね(COOK.340 14,15p)
それを1000話分EXCELにまとめました。一番左の列の「COOK」なんですが、クッキングパパでは話数をCOOKとして数えています。さすが料理漫画ですね。オシャレです。
料理のコマが複数ある場合には目立つ方をカウントあるいは甲乙つけがたい場合には両方カウントしています。そう決めました。私しかやってないので、ルールは私が決めます。さて、クッキングパパではどのような擬音が使われたのでしょうか。気になって夜も眠れないですね!それではいってみましょう!
クッキングパパで使われた擬音ランキング
これは完全一致のものだけをカウントしています。つまり、「ぐつぐつ」と「ぐつぐつぐつ」は別カウントです。そう決めました。私がルールだからです。
1位 なし 323回
無音(COOK.503 12p)
なんと1位は擬音がない回でした。その数323回ということで、全体のおよそ32%はメインの料理がばーんと出てきた時に擬音がない回となっています。これはもう擬音なんかいらない、料理の絵だけで圧倒してやるという心意気だと思われます。確かに料理の絵は一番気合が入っていて、非常に丁寧な絵が多いです。ただ、なんとなく虚無を感じますね。なぜでしょう。たぶん擬音に慣れてしまっているから、なんかハズレを引いてしまったような気分になってしまうんです。できればでいいのですが、これからのクッキングパパの料理登場シーンではできるだけ擬音を使っていただきたい、そう思ってしまいます。
圧倒的虚無(COOK.553 14p)
擬音ではなく人が叫ぶパターンも多いです(COOK.539 14,15p)
2位 ホクホク 124回
定番擬音(COOK.183 13p)
やはり料理漫画といえば定番のこのホクホク。その登場回数は1000話中、なんと124回。擬音なしの回を引いた677回のうちの18.3%で登場しています。とりあえずあったかいものが出てきたらこの擬音を出しておけば問題ない。クッキングパパにおける圧倒的な信頼度を感じます。さらに単体だけではなく、「ホクホク」と「ひんやり」を組み合わせるなどの合成擬音としても機能させているんですよね。(※この場合は単体ではないのでカウントしていません)
どっちかでよくないか(COOK.386 12p)
ただ、あまりにも決め球として有効すぎるので、はたしてそれはホクホクでよいのか?という料理にも使ってしまうこともあります。しかし、そこはクッキングパパの勢いでどうにかします。ホクホクで全て押し切るのです。クッキングパパにおける外角に逃げるスライダー。それがホクホクです。
ミートソースにホクホクは正しいのか問題(COOK.270 13p)
3位 ドーン 111回
豪快ですね(COOK.203 14p)
来ました、クッキングパパの真骨頂とも言えるドーンです。クッキングパパでは大人数相手にすごい量を作ったり、素材を生かした豪快な料理をすることが多々あるので、そうなるとドーンの出番です。ドーンと出されるとこちらとしては有無を言わさず「おお!」とか言ってしまいそうだし、実際に「うおーすげえ!」とかモブたちがよく叫びます。このドーンと「うおー!」みたいなものはクッキングパパにおけるコール&レスポンスになっていて、料理の豪快さを際立たせる効果があります。
クッパパコール&レスポンスです(COOK.751 14p)
さらにですね、ドーンでは飽き足らず、ドドーンとかドドドーンとか上級魔法みたいなものも存在するわけです。これらはクッキングパパにおけるメラ、メラミ、メラゾーマと思っていただければ幸いです。
ドドーンていってもチョココロネなんだよねこれ(COOK.624 14p)
最上級魔法ドドドーン、ただその擬音の裏でこっそりポテチ丼という魔導兵器を作っています(COOK.399 12,13p)
4位 ホカホカ 57回
ホクホクの類似品(COOK.384 14p)
2位のホクホクにかなり類似していますが、ホカホカも上位進出しています。ホクホクとホカホカ、さらに6位のホックリを合わせると合計204回となり、擬音がある回のうち30%を占めていることになります。どんだけあったかい料理作ってんだって話です。ちなみに、ホカホカとホクホクとホックリの使い分けについてけっこう考えたのですが、全くといっていいほどわかりませんでした。たぶんうえやまとち先生のその時のフィーリングなのだと思います。ちなみにCOOK.793からCOOK.796までは4回連続でホクホク→ホカホカ→ホカホカ→ホックリというパーフェクトリレーを行いました。いくらなんでも決め球を多用し過ぎなので、肘がイカれている可能性があります。トミー・ジョン手術を検討したほうがいいかもしれません。
いくら(COOK.793 18p)
なんでも(COOK.794 17p)
多投(COOK.795 16p)
しすぎでは?(COOK.796 18p)
5位 ドン 30回
ド迫力です(COOK.178 13p)
さて、5位は「ドン」でした。ドーンとの使い分けに関してですが、自作のAIに調査させたところAIが爆発しました。ので、特に使い分けについてはなさそうです。ドンとドーンを合わせて131回、擬音あり回の約19%を占めています。どれだけ勢いよく出したいんですか。
合わせ技だとぐっとIQが下がりますね(COOK.567 7p)
ドン及びドーンのいいところは勢いよく出せば大抵の料理の擬音として成立することです。どう考えてもドンではないという料理も「ドン」と擬音を打ちさえすればドンになるんですドン。
でも鯛茶漬けは絶対にドンではない気がします(COOK.280 12p)
さて、6位以下は順位と画像だけ紹介します。ジューッとかはもっと使われそうですし、なんで「じじじ・・・」と「ジジジ・・・」で使い分けているのかはよくわかりません。
6位 ホックリ 23回
アドボというフィリピン謎料理もホックリ(COOK.500 15p)
類似品のホックリーッもあります(COOK.465 13p)
7位 ジューッ 19回
こういう鉄板料理はジューッですね(COOK.777 16p)
皿に盛ったゴーヤチャンプルはジューッじゃなくない?(COOK.546 16p)
8位 じじじ・・・ 18回
擬音の字が極めて小さいのが特徴です(COOK.128 16p)
類似擬音の「じじじ」はもっと小さい!(COOK.139 15p)
9位 ぐつぐつ 16回
やはり鍋物はぐつぐつが定番!(COOK.298 12p)
「じじじ・・・」との夢のコラボも!(COOK.4 11p)
10位 ジジジ・・・ 15回
「じじじ・・・」との使い分けは現在調査中です(COOK.831 18p)
時には料理を縦にしてまでジジジを!(COOK.879 14p)
いやー、すごいランキングでした!!これは調べた甲斐がありましたね!!クッキングパパでは毎週さらに擬音が生み出されています。次の2000話ではランキングはどうなっているでしょうか。楽しみですね!
そのまま擬音はいつ現れたのか?
クッキングパパには「そのまま擬音」と私が呼んでいる擬音が登場します。
クッキングパパは擬音の使い方たにおいて異形の感性を持つ漫画であり、それを見つけるために俺はクッキングパパを読んでる pic.twitter.com/c8ddzY0urn
— tkq (@tkq12) October 29, 2015
クッキングパパそのまま擬音シリーズ大好きなので、みんなにも楽しんで欲しい pic.twitter.com/ujqBFqPLmp
— tkq (@tkq12) December 12, 2018
つまり、それが何の料理・何の素材であるかをそのまま擬音にすることで読者によくわからせるというパワープレイ極まりない擬音が「そのまま擬音」なのです。
では、このそのまま擬音は1000話でどう生まれ、発展していったのか?気になりますよね。気になりすぎて、荒岩パパのように「うまいゾ!食え!」(ドーン)と料理を出してしまいそうになりますよね。
初出
おそらく、初出はこのコマです。
長崎皿うどん(COOK.5 5p)
小さいですが、一発で皿うどんだとわかる素晴らしい擬音ですね。ただですね、これって単なるギャグではないことをわかってほしいのです。前後のコマを見てみましょう。
説明レス(COOK.5 5p)
家に帰ると息子のまことが腹が減ったと言っているのです。そこで荒岩父は急いで料理を作り始めます。「今夜は何っ?」というまことの問いに対して荒岩は答えません。そんな暇はないのです。そして、出来上がり→料理の説明→食べる、という普通の漫画だったら1pを使ってやる話をたった1コマで終わらせているのですよ!なんというスピード感でしょうか。1話平均20ページ弱のクッキングパパにおいて、余計なコマを使ってる暇などないのです。適当なことを言いましたが、たぶんそんな気がします。
それでは、ここからは1000話でどのような「そのまま擬音」が使われてきたかを紹介していきましょう。これはメイン料理だけでなく目についたコマを片っ端からチョイスしました。たぶん抜けはだいぶあります。
痩せました(COOK.7 12p)
どっちやねん(COOK.14 5p)
受け身は重要ですね(COOK.44 6p)
はい、わかりました(COOK.56 10p)
ぜんざいですね(COOK.61 14p)
料理以外もあります(COOK.63 2p)
ブラック会社です(COOK.78 8p)
超ブラック会社です(COOK.179 3p)
暇なときもあります(COOK.106 9p)
暴力もありますね(COOK.130 5p)
和気あいあいです(COOK.161 17p)
ちゃんこ鍋ですな(COOK.183 13p)
なんだかわからんのですね(COOK.221 5p)
「だぶ」という料理だそうです、知らんがな(COOK.222 13p)
これでウニ以外はありえないでしょう(COOK.260 14p)
バッテラってなんでしたっけか(COOK.326 13p)
驚異的にケが小さいケジャンです(COOK.328 13p)
この量のおでんが3ページ目でくるって早すぎない?(COOK.334 3p)
ぼんやりすることもありますね(COOK.339 3p)
相撲部出身という豆知識(COOK.352 2p)
さすがに無理があるのでは?(COOK.389 14p)
これ気に入ったのか1000話以降でも使ってるんですよね(COOK.412 15p)
紛れもなく春ですね(COOK.436 12,13p)
いやまあでもこの擬音は危険なのでは(COOK.512 16p)
ついに料理名だけではなく豪華までも!(COOK.543 4p)
確かに白黒だとせんべいだとわからない(COOK.552 16p)
キンカンがメインってすごいですな(COOK.565 14p)
これ微妙に文字が切れてるのなんなんですかね(COOK.627 14p)
これ、そばにフルーツ載せてるんですよね(COOK.634 11p)
おだやかシーズン2です(COOK.674 17p)
ハリハリ鍋って食うとこんな音するんですね(COOK.914 18p)
読者投稿のさんまのハンバーグです(COOK.958 11p)
以上、確認できたものだけでした。もっとあるはずなので、みなさんも探してみてね!!
その他面白かったコマ
クッキングパパの魅力はこれだけではありません、その他擬音なども含めて面白かったコマを紹介しますね!!
・やたらとバリエーションがあるスクーターの擬音
バウーッ(COOK.1 10p)
バルルルル(COOK.5 5p)
バオーッ(COOK.11 10p)
ルルルル(COOK.13 2p)
バウッ(COOK.20 5p)
パルルルル(COOK.35 12p)
・そんな正月の挨拶ある??
あけましてポークソテーでございます(COOK.155 1p)
・もはや説明を放棄した料理レシピ
とにかくうまい(COOK.328 14p)
理由がわからないのです(COOK.492 14p)
これがうまい、て(COOK.510 17p)
IQ52(COOK.530 16p)
IQ22(COOK.587 17p)
IQ2(COOK.588 14p)
IQマイナス32(COOK.597 14p)
・唐突な梅宮辰夫
アンナ!!(クッキング・ルポ7 2p)
・狂気の料理
スターゲイザーサンマ(COOK.100 13p)
・伸ばすところが独特!!
つめ~たい(COOK.230 13p)
ひん~やり(COOK.493 16p)
・独特の歌詞
ジングルベルは一貫してこれ(COOK.153 9p)
以上、料理名も全部メモしたのに何も使わなかったのが悔やまれてなりません!!
クッキングパパは現在も週刊モーニングで連載中!!さらなる擬音を求めてみんなも読もうクッキングパパ!!