見出し画像

【実践編】サッカー観戦未経験者をJ2に連れてってみた【失敗例&成功例】

1年半くらい前に、こんなnoteを書きました。

色んな反応をもらいましたが、多くが「あー、わかる」とかの共感だったり、実際の失敗談だったりしました。総じて、試合を選ぶ、寒暖対策をしっかりするなどの策を講じても、やっぱりちょっとギャンブル性高いよね、って感じでしたね。

まあこういう話もありながら、自分自身、去年から今年にかけて何人か観戦未経験者をJに連れていく機会がありました。これは失敗だったなーという場合もあったし、けっこうみんな楽しんでくれたよね、という場合もあったので、記録として残しておこうかな、と。


失敗例 2023年7月16日清水VS千葉@国立競技場

まずは失敗したパターンです!私以外は、Jリーグ観戦初の人が2人、Jリーグ行ったことある人2人で行きました。全員顔見知りで仲が良く、Jリーグ観戦以外にも飲んだり遊んだりしている面子です。国立で千葉と清水がやるということで、近いし行ってみようということで企画が立ち上がったのですが、これはちょっと大変でしたね。もちろん、壊滅的に大失敗というわけではなかったのですが、中々次に繋がる感じになりませんでした。以下に思いついた敗因を上げていきます。

敗因1 とにかく暑い

晴天すぎるだろ

18時キックオフだったのですが、まあすごい暑さでした。キックオフ1時間前くらいに来ていたのですが、あまりに直射が強くてコンコースに逃げ出さなければいけないほど。ただ、コンコースも人がごった返していました。キックオフの頃にはいったん日が落ちたのでよかったーと思いましたが、なんと国立競技場の隙間から西日再来。いらないよそんなアンコール。もう日本の7月は19時より前のキックオフを禁止したほうがいいかもしれない、と思うくらいの暑さでした。

暑熱対策はいろいろとしてきたんですが(帽子、冷たい飲み物もってくるなど)、焼け石に水。全然頭に試合が入ってこないですね。ただ、これに関しては自分が完全に悪くて、思考停止でバックスタンドを取ってしまったのが原因です。国立に来たの二度目ですし、と言い訳しちゃいますが、ほんとすいませんでした。

追い西日、ほんとうにきつい

敗因2 試合の情報を入れられなかった

5人の都合を合わせて、特に事前に何かをすることもなく、試合会場に直接集合でした。なので、試合の情報を事前にあまり入れることができませんでした。5人並びの席だったために、試合中もなかなか解説することができず、2-2といういい試合だったのに、初心者2人は試合を理解することが難しかったようです。まあ暑さであまり説明しても頭には入ってはこなかったとは思いますが、もう少し考えるべきでしたね。初心者2人は最後まで選手の名前をよくわかっていませんでした。ちなみに、変な野次飛ばす人もいなかったので、席周辺の治安は非常によかったです。

敗因3 試合以外の要素がなさすぎた

試合会場に直接集合は、他の点でもあまりよくなかったですね。国立はJ2だったせいか開いてる売店も少なく(普段からそうなの?)、人もかなり多かったので売店でスタグルを楽しむという感じでもありませんでした。もちろん事前にみんなで軽く飲んだりもしてません。試合が終わった後に飲もうか、という話をしていたのですが、暑さに初心者さん1人がやられて、そのまま帰ってしまいました。

そうなると、初心者さんにとってはこのイベントの印象としては「暑くてよくわからなかった試合」しか残らず、そうなると次に繋げられる可能性ってのはけっこう難しくなっちゃいましたよね。

電気グルーヴのライブもありましたが、電グルをあまり知らないということでそれもフックにはなりませんでした。それからも初心者さんたちとは仲良くしていますが、「サッカーを見に行きたい」とは言われません。

電グルはよかったんだけど


成功例 2024年9月21日千葉VS山口@フクアリ & 2024年10月19日千葉VS甲府@フクアリ 

成功した例もあったので、セットでお知らせします。山口戦は3人で残り2人はJリーグ観戦経験なし、甲府戦は山口戦で初めてJリーグを見た人が1人と、観戦経験ありが1人、20年前に1回見たような気がする人が1人でした。運が良かったのもあり、これはけっこうみんな楽しんでもらいましたね。

勝因1 気候が良かった

9月の夜はだいぶまし

山口戦はナイトゲームで、昼は30度を超えていたのですが、さすがに夜は暑さはだいぶましになっていました。甲府戦も14時キックオフで10月にしては例外的に暑かったですが、途中から曇ったことが幸いして、観戦環境としてはかなりよかったです。やはり、気候ってほんと大事ですよね。そこをコントロールできない屋外競技の観戦ってのは中々にギャンブルなのだなあ、と再確認した次第でした。ラッキー。

勝因2 平和な席を選んだ

2試合ともフクアリでいうSAバック自由席のアウェイゴール裏寄りの2階席を選びました。ここは千葉サポも多いのですが、相手チームのサポーターもいて、けっこう混在しているゾーンです。普段自分が座ってる席もここ。怪しい判定があった際も大騒ぎする人は少なく、野次もほとんど皆無。過去、0-3の負け試合の時の帰り際にピッチに向かって「解散しろー」とぼそっと吐き捨てたおじさんがいたくらいです。応援歌に合わせた手拍子もする人もいたりいなかったりと、まさにお客様向けの席でした。

また、サッカー専用スタジアムに自分以外の全員初めて来たとのことで、その近さと見やすさに感動していました。やっぱりサッカー専用スタジアムは大きなアドバンテージですね。

ゴール裏は遠くから眺めるくらいがちょうどいい

勝因3 試合以外のイベントを作った

山口戦は試合前に「ビールを飲みたい」という友人の意向を尊重し、「潮風ブルースタンド蘇我」を訪れました。

実は行ったことがなかったのですが、とてもいい店でした。自家製のクラフトビールはどれも質が高くて安く、つまみも美味しかったです。特にピザが激うま。あまりにもうまくて写真を撮り忘れました。友人たちも私も大満足して試合に臨むことができましたね。

また、甲府戦は試合後に千葉に行って飲みました。もつ焼きの名店「八角」です。

初めて行ったのですが、とんでもなくいい店でした。新鮮なモツの串がとにかくデカい。大きいだけでなくて、味も最高でした。開店直後に訪れたところ運よく入れたのもよかったですね。店員さんも優しいし、とにかく安いし、最高でした。サッカー関係なく訪れてもいいくらいだと思います。友人たちも大満足で、「今日千葉が負けたとしても、ここに来れたら勝ちだな」とひそかに思ったものです。

最強レバー
最強もつ煮

あとは、当然フクアリではソーセージに並んでみんなに配りました。こういう試合以外の要素があると、試合自体が凡戦で内容がなかったり、観戦環境が悪かったりしても、救われますよね。今回は試合も面白かったし、環境もよかったですが、その場合にも単純にプラス材料になります。

勝因4 めっちゃ説明した

国立での反省を生かし、とにかく思いつくままに千葉と対戦相手の説明をしまくりました。主に説明場所は電車と潮風ブルースタンドです。

「小森がエース、小森がいなくなると終わる」「田中和樹は犬よりも足が早い」「横山はかわいくてうまくて当たりに弱い」「椿はドリブルジャンキー」「岡庭はクロス一代記」「ドゥドゥはサンバ」など千葉の選手の特徴だけにとどまらず、山口、甲府についても「山口は本当にわからないけど、新保は別格ですごい」「前貴之はなでしこジャパン顔」、「アダイウトンは真面目なブラジル人」「ウタカはおでんが好き」「三平はブロッコリー」などと喋りまくりました。

若干うざそうな顔をしてる人もいましたが、そこは気にしません。その結果、ジェフを全然知らん人でも、小森にボールが入れば自然と盛り上がり、新保やアダイウトンがドリブルすればやばいと言い、ドゥドゥが出場したらサンバカーニバルでした。やはり、事前情報を入れることは重要ですね。

勝因5 賭けた(WINNER)

ほとんどの人が知っているかと思いますが、説明すると、WINNERは勝敗だけでなく、得点差をまで予想して賭けるスポーツくじで、試合開始10分前くらいまで買えます。

山口戦で試合前にビールを飲みながらなんとなく提案してみたんですが、これが本当に盛り上がりましたね。サッカーの観戦経験がなく、全く選手を知らなくても、スコアの動きだけはわかるわけです。その行方によって一喜一憂できるのはよかったですね。

特に山口戦では、86分に山口が1点を返したことで2-1になり、ちょうどその点差に賭けていた友人がガッツポーズを取るものの、ロスタイムに3-1になって轟沈し、そのスコアに賭けていた別の友人が勝ちを確信しましたが、最後にPKを貰った時には崩れ落ちていました。蹴る時に「外せ、外せ」って囁いてましたしね。結局3-2に賭けていた私も含めて全員爆沈しましたが、面白かったですね。

甲府戦も結局みんな外れましたが、凡戦と言っていいスコアレスの前半から予想スコアの話で盛り上がりました。WINNERを初めてサッカーで買ってみましたが、これをみんなでやるとめちゃくちゃ盛り上がりますね。初心者を連れていくときにお金の余裕があれば、ぜひオススメです。しっかし、なんでこんなサッカー見てるのに全然当たらないんだよ!笑

まとめ

さて、まとめです。失敗例、成功例ともになんとなく身に覚えのある人も多いんじゃないでしょうか。

結局、運?

天候、試合展開などはコントロールできません。清水戦@国立のように、ある程度考えていっても粉砕されるくらいの天候というものはありますし、対策をするにも限界があります。どしゃぶりの雨だとかだったりしたらどうしようもないですもんね。試合展開もそうですね。今回はたまたまけっこう点が入りましたが、全然内容のない試合もありうるわけです。そこも我々にはコントロールできません。そこは完全な運です。

それでもコントロールできる部分はある

そんなハンデを背負った状況でも、たとえば、私のようにうっかり日差し爆発のバックスタンドを選んでしまわない、という対策はできるんですよね。

あとは、夏場の試合は極力選ばない、とか。夏がやたらと長いんでそれも難しくなっていくわけですが、それでもピークを避けることはできるわけです。また、野次がある席を避けるとか待ち時間を極力少なくするために指定席を選ぶとか、そういうことはできますよね。マイナスは起きるかもしれないけど、マイナスの量を減らすことはできるんです。

試合だけをJリーグの体験にしない

成功例でいくつかあげましたが、試合を体験の全てにしないような工夫が必要だと思いました。たとえば、スタグルとか飲食店っていうのは典型的な付加価値です。情報を与えて、試合の解像度を上げるってのもそうですよね。また、WINNERでみんなで楽しむなんてのも一つの方法です。

とにかくなんでもいいんですが、「不確定要素の多いサッカーの試合だけをコンテンツにするな」ということです。というか、サッカーの試合ってそれだけでは初心者が食いつくほどのコンテンツになりえないことが多いんですよね。上振れもあるんですが、不確定すぎるんです。下に振れた時のために、何かそれ以上の楽しみを重複的に与えていくことが必要なのかな、と。

Jリーグは新しいスタジアムがいくつか完成しているけど、試合以外の要素も楽しめるようなところが多いですよね。これはたぶん試合以外の付加価値を高めていって勝負しようという話なのだと思います。

これはJリーグだけじゃなくて、Bリーグのアリーナもそうだし、プロ野球もそうですね。スポーツ界全体の流れがそうなんでしょう。ただ、そういうことが用意されていない or 用意することが物理的に難しいスタジアムってのはけっこうあるわけで(というか大多数はそう)、そういう場合には、自分からマイナスを減らしていってプラスを積み重ねていくという準備が必要だなと実感しました。

呼ぶ人は選べ

あ、最後に忘れましたが、これは絶対ですね。国立も割と冗談が利く仲間だったので「暑すぎでしょあれ」って笑い話になりましたし、フクアリもWINNERや飲み屋で盛り上がれる面子でした。やはりある程度関係があって、マイナスの事象が起きても関係が壊れない間柄が理想ですね。というわけで、間違っても初デートとかでは行かないでください。そこの結論は変わりません。笑

以上、実体験の記録でした!あくまで個別のケースで、J1とかだとまた微妙に違うでしょうし、他のJ2チームでも違うかもしれません!ただ、ある程度本質は一緒かと思います。参考まで!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?