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CNPJobsをきっかけに自分の職についてガチで考えてみた

私は「と畜場の衛生管理責任者」です。

聞いて、おそらく多くの人が「?」と首をかしげることでしょう(笑)

補足しますと、と畜場で牛や豚が肉になる過程において、食品衛生上の危害が発生するのを予防するために働いている公務員獣医師です。

これでもまだ「?」かもしれませんね。

なぜなら「獣医師」と聞くと、ほとんどの方は小動物臨床、犬や猫の動物病院の先生をイメージするだろうからです。一般の方と接する機会も小動物の先生達の方が圧倒的に多いでしょうし。

せっかく自分の人生、一日の大半の時間を費やす仕事ですから、願わくは多くの人に私の仕事を知ってもらえたらいいなと考えています。

しかし、多くのと畜場関係者は「そっとしておいてほしい」と考えているのかもしれません、実際に尋ねたわけではありませんが。

理由は、動物の命を奪う仕事だからです。

私自身も毎日のことで慣れているとはいえ、目の前で放血死させられた牛や豚をみると、何も感じないわけではありません。

安全な食肉の供給を通じて、市民の食生活を支え、貴重な動物性たんぱく質を供給するという社会貢献の意識が働く上での支えになっています。

私達のような公務員獣医師は、10年以上も前から、次世代を担う若い獣医師がやってこない、後継者不足が課題となっています。

詳細な分析は省きますが、「動物たちの命を救いたい」と多くの学生が小動物臨床を希望する流れは約20年前、私が学生だった頃とそれほど変わっていない気がします。

実際に働いている側からすると、学生たちに対して、待遇面で大幅な改善が難しかったり、人口減により、将来的な畜産における市場規模の縮小が確実なこともあり、「公務員いいよ!」と充分なメリットをアピールできないのが現状です。

この記事があなたにとって、改めて「いただきます」を考えるきっかけになること。さらにスーパーの店頭に並ぶ食肉に、多くの方々の力添えがあることを思い浮かべてもらえたら嬉しいです。


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