車種に関係なく 車中泊に必要なモノ
上で示したステップワゴンなら、寝具や食料を持ち込むだけで車中泊は可能です。
でも車中泊には窓のカーテンとか、夜の照明は必須です。
それら車種に関係なく車中泊に必要なモノを、ステップワゴンを例にして書いています。
1.カーテン類
防犯やプライバシー確保のため、夜は車内を覗かれないようにする工夫が必要です。
これで外から覗かれることはありません。
カーテンの設置方法
運転席と後部の間にカーテンの取り付ける方法には一工夫が必要です。
写真のとおり、殆どの車はBピラーから天井にかけて湾曲しています。
ステップワゴンも同様で、これだとカーテンの突っ張り棒が効きません。
そこで、
① 突っ張り棒を効かせるために、先ず写真のように前・中・後の三つのアシストグリップを連結するように面ファスナーで丸棒(1920mm×20mmΦ)を取りつけます。
② 丸棒のBピラーの位置に、突っ張り棒でカーテン(下記参照)を取り付けます。
③ 運転時は、カーテンを端に寄せ、まとめて2列目昇降用グリップに面ファスナーで固定します。
走行中も突っ張り棒が落下することは無いので、出発前に取り付けておけば、現地ではカーテンを広げるだけです。
この長い丸棒は突っ張り棒を効かせるための土台ですが、例えばハンガーパイプのように使って、日帰り入浴で使ったタオルを乾かしたり、ハンガーを使って洋服を掛けることもできて何かと便利です。
窓用の遮光シート
写真から作り方が想像できるように、8mm厚の折り畳み式レジャーマット(下記参照)を窓の形にカットしたものを窓枠に嵌めこんでいます。
(昼間は、折り畳んだマットを伸縮式バンドでまとめ、ベッド下へ)
カットするときにはちょっとコツがあって、窓枠より少し大きめにします。(マット自体の弾力を利用して窓枠に押し込むというイメージ)
同じ大きさだと使用中に剥がれるし、大きすぎるとマットが膨らんできて結局外れてしまいます。
アルミ蒸着面を内側にしているのは、車内照明の効果を高めるためです。
2.換気扇
車の中で煮炊きしなくても、快適に車中泊するためには換気扇は必要と思います。
その理由が二つあります。
一つ目は、翌朝のフロントガラスなど付く大量の結露を防止する。
二つ目は、現地に到着してからの車内の熱気排除のため。
です。
車中泊では中の人間の呼気によって、外気温に関係なく朝になるとフロントガラスが結露し、それが大量だと拭き取りに時間がかかります。
(他の窓ガラスは遮光シートで覆っているので結露は殆どありません。)
一方、それまでエアコンで室内が快適温度に保たれていたとしても、現地に到着してエンジンを停止すると、その熱気等で室温が上がってきます。
(排熱しようと窓やドアを開けると、夏場なら蚊や蛾が入ってくるのでうかつに開けられません。)
作製上の考え方
① 排気と同時に外気の取り込みを行う。(中と外の 温/湿度差を無くす。)
② 窓に簡単に装着でき、防犯も考慮する。
③ 取り付け易い2列目の窓に取り付ける。
換気扇の構造
上の写真で、この一体型換気扇のおおよその大きさが分かると思います。
二つの黒い出っ張りの下には吸気と排気のPCファンが取り付けられています。
その断面構造を下のポンチ絵で説明します。
絵の上と下に車のガスケットと窓ガラスがあって、その両者でこの一体型換気扇を挟み込む形です。
黄土色の内板はガスケット(上と両サイド)の溝に嵌っていて、ベージュの外板は内板より下のほうに大きくなっていて、二枚が強固に貼り合わされていることで、外部から力が掛かっても外れません。
その内板と外板を張り合わせた板に穴を開けてファンを取り付け、一体型換気扇としています。
次に、この2枚の内板と外板の寸法です。
ステップワゴンの2列目の窓の形は、下の辺が少し前に出ている平行四辺形なので、注意が必要です。
内板はガスケットの溝の分を大きくして、外板は窓枠の形(下の方は内板より5cmほど長く)に合わせた平行四辺形にポリカーボネート製プラダンをカットし、プラスチック用強力両面テープで貼り合わせます。
適当な位置にPCファンが入る大きさの穴をPカッターやカッターで開けて2連のPCファン(下記参照)を、一方が排気用に、他方が吸気用になるように向きを変えて配置します。(適当なスポンジゴムを板とファン筐体の間に嵌めこんで、ファンのガタ付きを防止します。)
この一体型換気扇を組み上げ、実際に車内側から見たのが下の写真です。
以前の遮光シート作製のところで示した右窓用の一枚ものは、極寒や大雨で窓を完全に閉めるときに使い、通常はこのように換気扇を取り付けた状態で車中泊します。(稼働させるかどうかは気温や雨の程度で決めます。)
この状態を車外側から見ると、下のようになっています。
(この写真では分かりにくいですが、ファンの外側の面に網戸のアミを切って取り付け、虫よけにしています。)
このままだと、ファンが回ると回転部分から車内が覗けるようになるのと、ファンがにわか雨で濡れて故障する問題があるので、2mmの発泡ポリプロピレンシートを折り曲げ加工してプラ用強力両面テープで貼り付け(上部側だけで問題なし)ました。
取り付け方法
実際にこの一体型換気扇を窓に取り付けるには、先ずこの一体型換気扇を手で湾曲させて左右のガスケットの溝に差しこみます。
次に、この一体型換気扇を手で押し上げて、内板上部をガスケットの溝に納め、更に窓ガラスの昇降スイッチを慎重に操作して、最後に換気扇がグッと持ち上がったところで、取り付けは完了です。
なお、これを取り付けたままで走行すると風切り音が大きいのでやめた方がいいです。
3.ポータブル電源と照明等
エンジンを止める夜間は車のバッテリーを使う訳には行きません。
そのためポータブル電源で、夜間の車内照明、PC作業、モバイルルーター、スマホ充電、モバイルバッテリー充電、電気敷毛布などを稼働させる必要があります。
ポータブル電源
現在はいろんなポータブル電源が販売され、安全性も向上しているようなので特にこれ、ということもないかも知れませんが、自分が使っているのは下のLACITA ENERBOX01というポータブル電源です。
これを購入した当時は、今の驚くような高性能なものは存在せず、この444Wh/120,000mAhでも高性能な部類でした。
でもこの機種は今も販売されているし、一度充電できなくなる故障があったときも迅速に修理(有償¥12,000)してもらえたので安心できるメーカーかと思います。
また、そのやり取りの際に分かったことですが、将来廃棄するときに引取り(有償)もしてくれるとのことです。
自分が住む自治体ではリチウムイオン電池の引取りがないので、それだけでも安心材料です。
もう一つ、このポータブル電源を気に入っているのは、別売りながらシガーソケットからの充電器 90W CAR CHARGER がすこぶる優秀なことです。
充電目盛りが二つになっても、昼間の走行充電で満充電にできます。
満充電だと、夜間に前述の電気製品を使っても電欠になりません。
あと、このステップワゴンの3列目シートの左手摺部分にシガーソケットが設置されていて、ここから走行充電用の電源が取れます。
机上でのPC作業や、机の上の照明用にポータブル電源を机の下に置いているので、走行充電のことを考えるとこのシガーソケットの位置は非常に有難いです。
照明
夜はPCで検索したりガイドブックを見ることが多く、車内はある程度の明るさが必要です。
そのために、下の写真のようなバータイプのLEDランプ(下記参照)を使用しています。
上の写真では木の丸棒に取り付けていますが、これは残った端材を使っただけで、ランプの構造からすると角材の方が取り付け易いと思います。
このランプ一本で車内も相当明るく、机上は全く問題ありません。
ただ、この明るい状態でスライドドアを開けると、車内が丸見えになる問題があり、もう一つ小さいLEDプッシュライトも使っています。
バータイプのランプを消して外へでるときは、この小さい(かなり暗い)ランプを付けておきます。これで、どこに何があるか程度は分かります。
また、寝るときは枕元に置いていて、夜中に目が覚めたときに面積の大きいランプ部分をプッシュするだけで点灯するので何かと便利です。
モバイルルーター
ネットに繋ぐために使っているのが、モバイルルーターとプリペイドSIMカード(下記参照)です。
キャリヤーと契約する必要がなく(毎月の課金がない)、出発前にSIMカードを購入するだけなので、年に3~4回、各一週間程度の車中泊旅をする場合はこの方がコストパフォーマンスに優れていると思います。
ルーターの機種は特に拘りませんが、SIMカードはdocomo対応が良いようです。
その昔、レンタルのポケットWIFIを使っていた頃に、山間地などではキャリヤーによってかなり受信状態が違うと感じていたからです。
ブルートゥーススピーカー
ノートPCもスマホのどちらも内蔵スピーカーの音質は良くありません。
単独車中泊では周りに気兼ねすることもないので、ブルートゥース対応のスピーカーから音を出しています。
モバイルバッテリー
上で紹介したモバイルルーター、スピーカー、スマホは内臓電池で稼働します。
寝る前などにオーディブルやラジコを聞くこともあり、スマホやモバイルルーターはモバイルバッテリーを繋いだままにする場合が多いです。
モバイルバッテリーは安全基準を満たしていれば特に拘りはありません。
何個かあるモバイルバッテリーは、ポータブル電源から充電しながら使っています。
空気清浄機
これは気休めかも知れませんが、車中泊ではどうして埃っぽくなるので、これも普段から使用しています。
シガーソケットからの受電なので、ポータブル電源のシガーソケットを使っています。
電気敷毛布
10月下旬から3月下旬の間に山間地や寒い地方で車中泊する場合、急に冷え込む場合もあり、電気敷毛布があると安心です。
出発前に下のような手順で仕込んでポータブル電源に繋いでおけば、夜間に冷え込んでもスイッチONで暖かさが確保できます。
キャンプマット(下記参照)はクッション性というより、この上に敷く電気敷毛布の熱が下に逃げないよう銀面を上にしています。
4.寝具
真夏の車中泊はお勧めしませんが、標高の高いところならそれなりに快適で、その場合はタオルケットで十分かと思います。
(暑いときは、換気扇+ポータブルファンの併用をお勧めします。)
寒いときは専ら寝袋を使います。寝袋に示される「快適温度」はその耐寒性を示しますが、表示されている「快適温度」の+5℃が本当の最低快適温度になると思います。
下の記事の道の駅「ぽかぽかランド美麻」では朝方に0℃近くまで下がり、快適温度が「−5℃」の寝袋でも寒さで目が覚めました。
その後、仕込んでおいた電気敷毛布の電源をONにして乗り切りました。
5.ヒートパック
趣味を楽しむために車中泊する人の多くは、山間地や海岸線などに行くと思いますが、そういうところにはあまり店がありません。
キャンプのようにじっくりと食事を作るのが趣味の方は問題ありませんが、早朝から火を使って食事の準備をするのは大変だし、更に後片付けするのも結構大変です。
寒い朝、手早く暖かいものを食べたいときには下のヒートパック(下記参照)はお勧めです。
https://www.youtube.com/watch?v=JLYoptHDjTY
上の動画のとおり、袋にパックごはんやレトルトパックなどの食品と専用の発熱剤(1個200円程度)をに入れ規定量の水を注ぐだけで、水と発熱剤が反応して大量の加熱蒸気が発生し、内容物を温めるという仕組みです。
水を入れて15分くらいで、アツアツのものを食べることができます。
食べ終わったあと、レトルトの空の容器と発熱剤はゴミ袋へ。
発熱剤は使い捨てですが、ヒートパックの袋自体は何回でも使用可能です。
火を使わないので、ずっと監視している必要がなく、加熱中(約15分)に出発準備ができるのもグッドポイントです。
ここまでご覧頂いて有難うございました。
ここで示したグッズ等はステップワゴンのサイズを元に表記しています。
それを加味してご自分の車で使えるか判断してください。
Amazonのアソシエイトとして、TKohtarouは適格販売により収入を得ています。
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