N-VAN 車中泊用に改造
今回はN-VANに水平なベッドと机、イスを設置して車中泊仕様にカスタム(改造)した話しを書いていきます。
下の記事でステップワゴン(RP6)に水平なベッドを作り付けた話しを書きました。
実は、N-VANはステップワゴンの前に使っていた車で、ここではN-VANならではのカスタム方法と、N-VANをやめた理由など紹介します。
1.コンセプト
日本一周を目指すとか、家族で車中泊旅を、というのではなく、完全に個人の趣味、「早朝の風景や景勝地の写真を撮るため」に車中泊を利用しています。
また、その車は車中泊以外のときは日常的に使っていて、その頻度の方が高いので元の車に簡単に戻す(トランスフォーム)できることが大事です。
従って、カスタム化のコンセプトはステップワゴンと同じく・・・
腰痛持ちに優しい住環境
ベッドと机の生活を目指す。(お座敷スタイルにしない。)
一人で車中泊、しっかり睡眠
個人の趣味を楽しむため、しっかり睡眠がとれること
車中泊 ⇋ 普段使い のトランスフォームを簡単に
車中泊用と元の車(普段使い)とを簡単に切り替えられること、
が大事です。
2.床板の導入とベッドを設置
フラットな床
N-VANの売りの一つに、助手席や2列目の座席を床下に格納することで荷室の床がフラットになる、というのがあります。
とは言え、座席を格納することでその部分にはすき間ができ、更には座席が格納されて座席の背が床になった部分には補強の観点からか凹凸が付けられていて、完全フラットとは言えません。
このN-VANは荷物配送に使われるので、専用の床板(フロアーパネル)が市販(下記参照)されていて、それを購入して先ず床を完全にフラットにしました。
これで持ち込みの木のイスを使っても脚が凸凹に引っかからず、更にベッドの基礎に使うプラボックスも板の上を自由に動かすことができます。
そこが、床の凹凸の影響を受けるカーペットタイプの床材と全く違います。
水平なベッド
床がしっかりしたので、次のように高強度のプラボックス(#75、#45)(下記参照)と、以前より使用していたクーラーボックスとを並べて、その上にベニヤ板を乗せるという簡単な方法でベッドを自作しました。
更に、ステップワゴンの記事の要領で、この上に滑り止めマット、インフレーションマット、キルティングラグを敷いてベッドの出来あがりです。
寒い時期は電気敷毛布(下記参照)も使います。
床板の厚みだけ荷室側が高くなるので、助手席の上に薄いクッション一枚敷いて水平ベッドが完成です。
3.机(棚)の設置
考え方
N-VANには荷室の四隅に、ユーティリティナット(取り付け用ネジ穴)が縦方向に等間隔で5個並んでいて、それぞれ垂直、平行に並んでいます。
ということは、上から下までの車幅方向の長さは一定(1230mm)なので、取付けた棚などは上下方向に移動することが可能です。
そこで、机を受ける棚受を2セット(黄色と黒色)準備し、一番上と下から2番目のネジ穴に取り付けました。
(実際は、後述のとおり上の棚受と下ではデザインを変えています。)
その黒色の棚受の間に机部材を置いて机とします。
また、この机部材を一番上の棚受(黄色)に移して棚として利用します。
これで、寝ていて急に起き上がっても、頭が机に当たりません。
机部材の作製と取付け
写真の机部材は、黒っぽい天板(長さ1230mm)と、その裏に取り付けたリブ状の白木の補強材(長さ1200mm)からなり、補強材の長さは天板より30mm短くなっていて、補強材の長手方向外側の両方の羽根の部分(各15mm)が、黒の棚受の凹部に乗っかるようになっています。
机部材と机用棚受は下の写真のように、棚受の凹部に机部材の羽根部分が嵌り込むことで前後左右に動かなくなります。
それでも走行中に机部材が飛び跳ねて外れる可能性があるので、下の写真のように伸縮式バンド(下記参照)を8の字に掛けて外れないようにしています。
机部材を棚として利用
下の写真は机部材を上の黄色の棚受に移した状態です。
補強材を上にすることで、モノが滑り落ちるの防止しています。
その黄色の棚受(ポンチ絵では分かりにくいが)には、棚自体が前方にズレように所定の位置にダボが取付けられています。
寝るときは机部材をこの位置に移して、PCなどを置く棚として使います。
4.カーテン
下の写真は運転席と寝室側を隔てるカーテンの様子です。
N-VANのBピラーはほぼ垂直なので、突っ張り棒で取り付け可能です。
運転席はドライブポジションのまま(緊急時に車の移動を可能にする)のため、フロントガラスと両側の窓には遮光シートを取り付けません。
なので、この位置にカーテンがあると、寝ているときは助手席に寝具の一部が見えます。
でも、その時は夜だし、わざわざ覗かないと分からないので気にしないようにしています。
両側に見える遮光シートはステップワゴンの記事の方法で作製しています。
5.換気扇
取り付けの場所として荷室のポップアップウィンドウの位置が最適ですが、窓ガラスが上昇しないので、換気扇を固定できません。
そこで、ポップアップウィンドウに換気扇を取り付けるのをあきらめて、助手席の窓に換気扇を取り付けることにしました。
この一体型換気扇は、ステップワゴンの記事で説明したと同じように、2枚のポリカーボネート製プラダンを貼り合わせて作っています。
下のポンチ絵(ステップワゴンでも使用)で断面構造を示していて、考え方や作り方はステップワゴンの記事を参照してください。
但し、ステップワゴンのそれと大きく違うのが窓枠の形状で、このN-VANの助手席の窓に取り付けるにはプラダンの形状を「鎌」のようにしないいけないことです。
これを一枚もので作ろうとするのは難しいので、下の写真のように2部構成で作製しました。
(現物合わせで作っているので、残念ながら滑らかさに欠けます。)
プラダンの内板と外板を互い違いになるように構成し、ガラスの上昇圧力で固定しているので多少の力では外れません。
6.必要なグッズ
ベッドと机があれば車中泊可能ですが、より快適に車中泊するには下の記事に書いたような細々したものが必要と思いますので参考にしてください。
7.その他
このN-VANは元々商用車で、ものを収納する場所が殆どありません。
そこで、自分の行った収納方法を幾つかお知らせします。
プラボックス
ベッドの台のように使用している2つのプラボックスですが、当然ながら中にいろいろと収納できます。
必要に応じてベッド下からプラボックスを引き出して中身を取り出す訳ですが、ベッドが崩れないようにベニヤ板の範囲からプラボックスの角が外れないよう残してフタを開け閉めする必要があります。
それにはちょっと慣れが必要です。
一部の写真にはプラボックスと床板の間に滑り止めマットが写っているものがありますが、これが有るとプラボックスを引き出すのが大変なので、早い段階でその使用をやめました。
普段使いのときはこのプラボックスは荷室に置いたままです。
イス、ベニヤ板
イスとベッドに使ったベニヤ板は、普段使いのときは上の写真のようにユーティリティナットの一番下にアイボルトようなものを付けて、ロープラチェットで固定しています。
運転席下の空間
運転席の下にはちょっとした空間があって、そこに置けるプラボックスに写真のように細かいものを入れています。
このプラボックスは、小物がブレーキペダルの下に転がって行かないための対策なので、プラボックスでなくても丈夫な袋で良いと思います。
因みに、ボックスの中のグレーのベルトは荷室でモノを固定するためのタイダウンベルト、あと黒っぽい作業用手袋と、フロントガラスの霜取り剤が見えてます。
(冬以外は、虫取りクリーナーが必要です。)
昇降口
スライドアから出入りしますが、床板を設置したことで昇降口の間にちょうどサンダルが置ける空間ができました。
トイレや風呂に行く際に靴からサンダルに履き替えると楽です。
因みに、サンダルや靴を出したり回収したりするのにマジックハンドを使用すると前かがみにならずに安全です。
このN-VANの車中泊旅の例が下のnote記事です。参考になれば幸いです。
8.N-VANをやめた理由
以上のように、このN-VANの車中泊カスタム車は高い天井や小回りの利く軽自動車、完全に水平なベッド展開、通常作業ができる机の設置、などメリットが数多くあります。
ただ、自分の使い方として、車中泊用と元の車(普段使い)の二刀流を目指したことで、以下の問題が明らかになってきて、結果ステップワゴンに買い替えました。
ファミリーユースに向かない
この車は商用車として割り切っていて、運転席こそクッションがしっかりしていますが、助手席と後席は極端な話し、板に座布団と言った感じです。
これが、N-VANをステップワゴンに替えた最大の理由で、近場の買い物程度ならいざ知らず、遠出すると必ず家族から文句が出ます。
普段使いの方が圧倒的に多い自分の場合、致命的でした。
燃費が悪い
長距離の車中泊旅では高速道路も使います。
この車はターボ付きで高速道路の合流でも不安は感じません。
が、一般的に燃費が良くなる高速道路を長距離を走った場合でもメーターの燃費が14km/L程度なのはちょっと困りものです。
(今使っているのガソリンターボ車のステップワゴンRP6は、高速道路も使って長距離運転するとメーター燃費は14~15km/Lほどです。)
更にタンクには25Lしか入らないので、北海道のような広いところでは毎日のように給油が必要でした。
街から離れたところへ行く車中泊旅ではちょっと不安です。
二刀流として使わなければ(自分一人で車中泊するのが主の場合)あるいは余裕を持った遠出の車中泊旅を楽しむ分には全く問題なく、パワーと取扱い易さを兼ね備えた天井高の車なので、使い方次第では面白い車と言えるでしょう。
N-VANで車中泊をお考えの方に、少しでも参考になれば幸いです。
そして、ここまで読んで頂き有難うございました。
Amazonのアソシエイトとして、TKohtarouは適格販売により収入を得ています。
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